- Amazon.co.jp ・本 (389ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061830790
感想・レビュー・書評
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1988/3/21読了
最近は歴史関係のノンフィクションが多いけれどけど振り返ってみると、最初はこの小説からだった。
これはなかなか面白かった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
めちゃ面白かった。細部の作りが雑な小説は読んでて萎えてくるんだけど、これは無理がなくてとても楽しめた。そのあとこの作者の本を何冊か読んだけど、これが一番面白かったです。
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読み出しは「精神的な過去へのタイムトラベル物」かと思ったが、途中から(主人公と思っていた)現代の香坂は全く姿を現さず、当然過去の歴史にも何も影響を与えず、民俗学の知識を駆使したミステリーであったことに気付かされる。難解な謎解きもあるが、読後にある種の爽快感を感じたのは展開の巧みさによるものと思います。
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【メモ】
『ちはやふる』で、新のアルバイト先の書店に「課題図書のタイトルを忘れてしまって…」とやって来るシーンがあって、その本というのがこの『猿丸幻視行』でした。 -
SF要素もある歴史暗号ミステリ。とてもおもしろい。梅原猛『水底の歌』やそれに対する反論なども取り込みながら、フィクションとして魅力的な結論を出している。なお、作中の折口信夫が上代特殊仮名遣に触れない点は、明治四十二年という時代設定を鑑みて矛盾しない(宣長や龍麿の指摘が橋本進吉によって「再発見」され、発表されたのは大正六年)。
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この小説の存在自体はずいぶん昔から知っていて、それというのも、親戚のお兄ちゃんから興味深くこの本を紹介されたのがきっかけだった。それ以来気になってたから、かれこれ20年越しくらいでやっと読んだことになる。長っ。小学生時代、百人一首にちょっとハマってて、そういう話をしてたとき、猿丸大夫と柿本は…みたいな話になっていったんだろうと思う。そういう歴史論考的な内容だけでも十分楽しめたけど、ほんの少し、殺人事件をかませてあったのも、一筋縄ではいかない感じでよかった。長年楽しみにしてた分まで楽しめました。
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当時、叔父の薦めで読んだ記憶が… 兎に角「いろは歌」を空で云えるように覚えて同じように書いてみたりしたものです。
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読まなければと思いつつなかなか読めなかったけど、マンガ「ちはやふる」を読んでたらわざとらしく小説の名前が出てきたり(絶対推薦図書にはならんだろうw)、万葉集に少し興味を持ったのでとうとう読んでみた。
こんなスゴい小説があったとは。
なんらかの体系を下敷きにした話というのはものすごく面白いことがある。
ハードSFなんてまさにそうだし、「写楽殺人事件」は浮世絵に代表される江戸美術史という体系がベースにあった。「症例A」は精神医学の臨床の描写が圧倒的だった。
この小説は、上代日本文学と奈良時代日本史に潜む謎をベースにしている。
この手の話は自分の専門分野だと「いやいやそれはないだろう」などと荒が見えたり、主流と離れすぎていると冷めてしまったりすることもあるかもしれないが、自分にとってはどこまでが史実で、どこからが創作かまったくわからなかった。
いや、よくぞ考えた、この話。というか暗号と歴史上の謎解き。
もしかしたら真実をついている部分もあるのかもしれない。
スゴい。
著者プロフィール
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