グリーン・レクイエム (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 729
レビュー : 91
  • Amazon.co.jp ・本 (244ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061830943

感想・レビュー・書評

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  • 実家で再読。表紙絵が高野文子で可愛い。表題作は中編ながらやはり名作。長編になりそうな設定をギュッと凝縮したことでよりリリカルさが際立った感じ。光合成できる緑色の髪の少女・明日香の謎、彼女を実験台にしようとする研究者の卑劣さ、たとえ種族が違えども彼女を愛した青年・信彦。たしか続編も読んだのだけれどそちらはもう残していなかった。

    「週に一度のお食事を」は大変ライトな吸血鬼もの。現代でもこういう軽いノリで吸血鬼になってSNSで拡散して・・・とかありそうだなと思えるし、オチがちょっとブラックでいい。

    「宇宙魚顛末記」は、仲良し男女3人組が偶然海で拾った瓶から手紙ではなく悪魔の美少女が出てきて3つの願いを叶えてくれるというドタバタ風SF。失恋のやけくそで酔っぱらってとんでもない願い事をしてしまったばかりに地球に危機が・・・。このとき滅びたほうの地球の物語が「ひとめあなたに…」に繋がると思うと感慨深い。

    ※収録作品
    グリーン・レクイエム/週に一度のお食事を/宇宙魚顛末記

    • 淳水堂さん
      今年もよろしくお願いします!

      新井素子懐かしい。
      週に一度のお食事を は、ラジオ芝居になってました。
      話が終わったあとの日本は滅び...
      今年もよろしくお願いします!

      新井素子懐かしい。
      週に一度のお食事を は、ラジオ芝居になってました。
      話が終わったあとの日本は滅びてますよね‥。
      2018/01/07
    • yamaitsuさん
      淳水堂さん、こちらこそ今年もよろしくお願いいたします(^^)/

      週に一度のお食事、小説は80年代なので吸血鬼の仲間募集は新聞広告なんで...
      淳水堂さん、こちらこそ今年もよろしくお願いいたします(^^)/

      週に一度のお食事、小説は80年代なので吸血鬼の仲間募集は新聞広告なんですが、今ならSNSであっという間に広まるだろうし、確実に日本の滅亡はやまりそうです…

      新井素子、実家にたくさん残っていたので(全部は読み切れなかった)デビュー作から順番に再読したのですが、ラストで実は地球が滅びるとか日本滅びるとかってオチの話が多かったかも(^_^;)
      2018/01/09
  • 本書が出版された84-85年頃、NHK-FMのラジオドラマ「青春アドベンチャー」でも聴いた記憶がある。
    この物語ではピアノも重要な小道具なので、ラジオドラマも記憶に残っている。

  • これもいつ読んだかわかんないくらい前に読んだやつだけど、ずっとブクログ登録待ち積本の中に埋もれていたやつ。

    女の子が考えていることを考える。もひとつ言えば、女の子が考えていることを小説にすることを考える、で、も少し食い下がれば、女の子がSF的状況に遭遇した時にどうするのか何を考えているのか小説にすることを考える。ということ。

    この本はそういう意味ではもうばっちりです。それが本当に女の子の考えていることかどうかは、ぼくにはいつまでたってもわかりませんが、この本がばっちりなのは間違いないのです。

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    中学生の頃の私が、今まで読んだ中で一番好きだと言っていた本。
    なのに、大人になった今は、まったく内容を覚えていなくて、愕然とした。

    再読前の印象は、「洪水のようにあふれてくる本」。
    感想もずっと、それしかいえなかった。
    ・・・ずいぶんと、子供だったことを思い知らされた。

    なんだか、読まなきゃいけない気がしたんだ。
    あまり心に心地よくない、本を読んだからかもしれない。
    だから、どうしても読みたかった。
    でも、読み始めても本当に内容が思い出せなくて、
    正直苦笑いをしつつ、再度、新たな気持ちで読み始めた。

    信彦さん。
    明日香の、好きな人。

    明日香は、私自身の投影だったのかもしれない。
    すごく恥ずかしくて、思い出したくなかったんじゃないかと
    思われるほど、私の想いの影響を受けていることがわかってしまった。

    でも、やっぱり・・・うまく感想は書けそうにない。
    不満のない文章、感情の動き、どれをとってもどうしても勝手に
    心に染み込んでいく、想い、思い、オモイ、おもい。

    ああ、やっぱり無理。




    ・・・なんていいながら、ほんの少しだけ、突っ込みを。
    ネタばれというか、内容のことも少し書いてます。


    明日香は、植物の人、だよね?
    水分以外、受け付けない、植物が強い、植物の人で。
    だから、地球の植物に影響を与えないように注意しながら、
    日光浴をして、光合成をしないと生きていけない生き物。
    んで、自分は植物なので、植物が何の躊躇もなしに食べられる世界
    =地球は、明日香たち植物の人にとって、地獄だったはず。
    少なくとも、そう感じていた、はず。

    だよね?

    なのに、何でお茶、飲めるのかな?
    カプチーノの、シナモンスティック、大丈夫なのかなぁ。
    もう死んじゃってるものは大丈夫なの?
    それとも、人間ぽく暮らすためには、「共食い」するわけ?
    なんていうか、そこって、話の核心というか、
    そういう部分を題材にしてるのだから、そういう「うっかり」
    みたいなものがあると、なんだかずいぶんとがっかりしてしまうのです。


    もったいないんだよね。
    なんていうかなぁ、考え方とか、決着のつけ方、とか、
    すごく私にとっては考えられて書かれていて、
    ハッピーエンド、ではないけれど、とても嫌な終わり方だけど、
    でも、自分が明日香だったら、きっとそうしてしまうに違いない。
    って、多分ちょっと前の私だったら、確実に思っただろうし、
    後のⅡに繋げるには、こうするしかなかったのだと思う。

    けど。
    だからこそ。
    そういうとこ、突っ込みどころは、極力無くすか、
    新井さん、あなたならきっと、多分、気づいていたなら
    理由を書いてた、はず。
    だから、それだけが残念。
    そう、残念なの、あの世界に私は最後まで感情移入して、
    明日香の最後を号泣して見届けたかった。

    それが、大人の私には出来なかった。
    そして、今の私には出来なかった。
    私は、明日香のようにはならない。
    裏切られることは、とても怖くて、
    自分で想像しうる最低の結末を無意識のうちに選んでしまうけど。

    でも、現実は、ううん、マイナス思考は決して不幸じゃない。
    プラス思考で生きてる時こそ落とし穴は深い。
    それに気づけたら、きっと人は強く生きていける。


    信彦さんが、人類のために、私を引き渡したっていいの。
    私は、信彦さんが好きで、愛してて、うん、その事実が、
    たとえ、そんな風に愛してる人に、一番最低な、つらい事実を
    突きつけられたとしても、その気持ちが消えてしまうわけではないし、
    その理由を考えたら、私一人の命よりも、人類の命を自分勝手に
    私のことだけ考える信彦さんよりずっと、きっと、本当に正しいから、
    それがとっても痛くったって、私は受け入れなければいけなかったんだ。

    逃げることは、簡単なこと。
    向き合うことは、とても難しいけれど、
    もしかしたら、その苦しい中で感じた、

    「どうして?」


    の理由を知ることが出来る可能性を秘めてる。
    わかることは、わからないよりもずっと、心を強くする。
    人は、わかっていることだけを信じられるの。
    私は、信彦さんを好きで、好きで。
    だから、裏切られても好きでいられる自信を持つべきだったの。


    今の私は、こんな風に思うことが出来るようになってました。
    なんか、すごく自虐的で、ものすごく厳しいというか、
    当たり前なはずなんだけど、たいていの人が出来ていない、
    そんな、自分感情を突き詰めて昇華することを、
    自分と向き合って、少なくとも、しよう、したい、しなきゃ、って
    そんな風に思える自分になっていたことを、
    気づかせてくれた、再読、でした。

    Ⅱの感想はまた、かなり初読当時と違っているので、
    というか、やっぱり初読の頃のことって、おぼえていなくて。
    今の私のセキララ感想文を、また、書こうと思っています。
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  • 躑躅(つつじ)という読みをこれで知った本。ラジオドラマは良かったけれど(羽田健太郎さんのピアノでした)、実写はなぁ…という感想。CGなんてなかった時代だからね。今なら映像化できるだろうか???
    ピンクのワンピース、それが映えるほどの白い肌、自在にうごめく緑の髪、一面の菜の花、それが見たい。

  • 2017年9月23日購入。

  • リリース:伸子さん

  • アンフェアなのかもしれないけど、やっぱり18歳とか19歳とかで書いていたんだ、ということに圧倒されたりする。

    アイディアが秀逸。文章は若書きという感じ。でも何しろ勢いがあって面白く読んだ。

  • 「グリーン・レクイエム」「週に一度のお食事を」「宇宙魚顛末記」の短編三本。吸血鬼、異星人、悪魔といった伝奇的なSFガジェットを用いながら、軽やかな文体で日常と非日常の境界線を表現していく。寂寥感たっぷりの関係性を描いている表題作なのに、この文体のため悲劇の度合いが抑えられ、ほんのり温かみが浮かび上がるが、これが著者の長所なんだなあ、と感じたところ。映画化されているのは殆どの人は知るまい。PS.この短編集が著者の23歳の時の作品であったことには感嘆した。

  • あとがきによると、表題作は新井素子が19歳の時に書いた話だそうです。
    今でこそ主人公が語るような口調の話はごまんとありますが、元祖は新井さんだったんですねー。さすが、とても読みやすいです。
    そしてストーリーも良かった。

    ・グリーン・レクイエム
    光合成できる人間のような「何か」と、普通の人間である青年の恋。
    光合成できる生物の正体と、結末が切なかった。
    せっかく二人で逃げたのに、結局お互いに分かり合えなくて、心がすれ違っていくさまも。
    続編もあるらしいので探してみようと思います。

    ・週に一度のお食事を
    新井素子がデビューした時に星新一が褒めたそうですけど、この話はどことなく星新一チック。
    吸血鬼が増えまくると、血を吸う人がいなくなってしまうという欠陥(?)をそのまま話にしている感じ。
    ショートショートよりちょっと長い程度の量でキュッとまとまっています。

    ・宇宙魚顛末記
    3つ願いをかなえてくれる悪魔と、1つだけ願いをかなえてくれる天使がいて、互いに互いの願いの取り消しはできない、という設定を上手く生かした話。
    天使は地球というか、世界のバランスを取るために人間を間引こうとする。逆に悪魔は(悪い?)人間を反映させようとしている、という設定がシニカルで良い。
    悲観的過ぎる主人公の友達が悲しみのままに口にした願いにより、地球を飲み込もうとする巨大な魚が出てきてしまい、どう処理するのかなーと思って読んでいたら、解決方法が見事でびっくりした。
    (天使に、魚の前にもう一つ地球を出してもらい、魚はそれを飲み込んで消滅)

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