1973年のピンボール (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 1818
レビュー : 155
  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061831001

感想・レビュー・書評

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  • 再読。
    この文庫の奥付は1989年2月10日第20刷発行。消費税3%が導入される前に印刷されたこの本は価格が講談社文庫のマークシールで隠され「定価はカバーに表示してあります」となっている。
    そんなに前??
    双子と一緒に配電盤を捨るシーンで終わると思っていたら、配電盤を捨てに行くのは物語の中ほど。
    再読の今、双子の存在はかわいいけれど、鼠の孤独もピンボールもちんぷんかんぷんです。

    井戸に象徴される深層心理、猫の手が万力か何かで潰されていた不必要な暴力。それですよね。

    若い頃はジュークボックスもピンボールも音楽もぜんぜん気せず、ストーリーだけを追ったのですが、今、ピンボールなんて実際に見たことあるか?と考え込んでしまった。

    印象的な文章のあるページの角を折り曲げる習慣があるのですが、ふたつ折り曲げられていました。
    「欲しいと思ったものは何でも必ず手に入れてきた。でも、何かを手に入れるたびに別の何かを踏みつけてきた。わかるかい?」だと思う。もう一つは・・特に印象的な文章を見つけられなかった。
    それにしても、25歳の男性はこんなに自立してて、お金があって、自由なんだろうか。苦しんでいると思しき登場人物たちは自分の25才よりもずっと大人でお金があって、自由に見える。車なんて持ってなくたって。
    もうひとつ。村上氏の小説の中で、草叢で行為に及ぶシーンがあるのですが、そんなことしたら虫に刺されて大変!といつも心配になります。そういうことを描写してしまうあたりが都会モンだな、って思う。

  • 正直難しかった。
    なんだか読んでいると無国籍な感じがするのに、聞き慣れた東京の地名が出てきたり、あいかわらずの不思議な雰囲気は充分あったんだけど話の内容はイマイチ入ってこなかった。
    ただ、何は無くとも村上春樹の世界を味わうには充分すぎる雰囲気のある作品なのは間違いないと思う。
    何回か読み返したらジワジワときそうな物語だった。

  • 今の気分が全くマッチしなかった。暇を持て余していながらも、そのこと自身に微かな不安を抱きながら毎日を過ごす大学生のような気分になる。でも、村上春樹の小説の登場人物は、基本自由だと思う。自由でいながら、自制心はすごく強くて、規律正しく文化的な生活を、どこか退廃的な気持ちを抱えながら送っていて、それを檻の外から眺めるのが風情というかなんというか。でも、残念ながら、今の気分はそれを風情とは受け取れず、散漫としか感じることが出来なかった。寧ろ、嫉妬すら感じ得る村上小説の世界。

  • 15/10/11、ブックオフで購入。

  • 双子が家に住み着いても
    名前は聞かないものなのです。

    僕と鼠が関わるのは同じ女性?

    僕と鼠の2

  • 今から読み返すと、作家の頭の中に漂うピースが少しずつ物語としての体をなしていく途中の出来事的作品。
    こりゃ当時の芥川賞選考委員も踏み絵を踏まされた感が確かにあります。それくらいこの作品をどう感じ取れたのか、その後の怪物的とも言うべき存在となった作家の感性を肯定的に受容できたのか強烈な問いかけを発する作品。
    『みんながそんな風に問わず語らずに理解し合ったって何処にもいけやしないんだ』やはりこの作家、本質的には不屈の心で歯を喰いしばって前を見ようとする作家なんだと思うんですわ。

  • 僕と鼠のストーリー 三部作 第二弾

  • 過ぎ去り、二度と戻ってこないものたち。
    その切なさと、閉塞感と、それでも先に流されてしまう無常観であふれていた。

    鼠の混乱と、一見たんたんと日常を繰り返しているかに見える僕とは、とても似ている。
    交わっていないはずの二つの生活。
    でも、その二つは、同じ何かを軸にして、螺旋を描きながら、同じ方向に向かって進んでいるかのように感じる。

    人は、いろんなところに、いろんなカタチで、いろんなものを置き去りにし、埋葬して、一人歩いていかなくてはいかない。
    いつ読んでも、切ない諦めを感じる。

  • 風の歌から引き続き。
    現実感を感じるのに非現実。空気感が素晴らしい。なぜ引き込まれてしまうんだろう。

  • 再読。
    さようなら、3フリッパーのスペースシップ。さようなら、ジェイズ・バー。双子の姉妹との“僕”の日々。女の温もりに沈む“鼠”の渇き。やがて来る一つの季節の終り―デビュー作『風の歌を聴け』で爽やかに80年代の文学を拓いた旗手が、ほろ苦い青春を描く三部作のうち、大いなる予感に満ちた第二弾。

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著者プロフィール

村上春樹(むらかみ はるき)
1949年、京都府京都市伏見区生まれ、兵庫県西宮市芦屋市育ち。早稲田大学第一文学部映画演劇科卒。大学在学中にジャズ喫茶「ピーター・キャット」を国分寺・千駄ヶ谷に開店していた(1981年、店を人に譲渡)。1979年にデビュー作の「風の歌を聴け」で群像新人文学賞を受賞。谷崎潤一郎賞、読売文学賞、朝日賞など数々の受賞歴がある。2006年にフランツ・カフカ賞、2009年にイスラエルのエルサレム賞受賞。ノーベル文学賞に最も近い作家の一人と言われており、毎年発表時期に日本国内でニュースになる。事実、村上春樹作品は全世界で翻訳されており、アメリカ・アジアでの評価がとりわけ高い。フィッツジェラルドやレイモンド・カーヴァーなどの作品の翻訳も手がけ、翻訳家としての仕事も高い評価を受ける。翻訳と創作活動を交互に行うことで、作風を変化させ、作家としての成長を続けている。新作が発表されるたび大きな話題となるが、近年は特別番組「村上RADIO」にてラジオDJも務め(不定期放映)、数々の名言も注目を集める。代表作に『風の歌を聴け』『羊をめぐる冒険』『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』『ノルウェイの森』『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』。2019年7月31日に『神の子どもたちはみな踊る』が舞台化。2019年8月7日発売の『文学界』でロングインタビュー「暗闇の中のランタンのように」掲載。アメリカのサックス奏者スタン・ゲッツの伝記翻訳を2019年8月末に刊行予定。

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