七人の証人 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 252
感想 : 26
  • Amazon.co.jp ・本 (311ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061831407

作品紹介・あらすじ

十津川警部は帰宅途中を襲われ、不覚にも誘拐された。彼が気付いたときには、彼は奇怪な無人島にいた。しかもそこには、ある町の一部分がそっくり再現されていたのだ。次々建物から現れる人間は、皆或る事件の目撃者、そしてやがて展開される狂気のシーン。会心サスペンス長編。(講談社文庫)


十津川警部は帰宅途中を襲われ、不覚にも誘拐された。彼が気付いたときには、彼は奇怪な無人島にいた。しかもそこには、ある町の一部分がそっくり再現されていたのだ。次々建物から現れる人間は、皆或る事件の目撃者、そしてやがて展開される狂気のシーン。会心サスペンス長編。

感想・レビュー・書評

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  • 『孤島もの』にして『法廷ミステリ』 西村京太郎恐るべし。

    一年前の殺人事件の犯行現場とその周辺が、交叉点や建物の室内まで完全再現された絶海の孤島。そこに誘拐拉致された、当時の裁判の七人の証人たち(と審判役の十津川警部)。そして猟銃を手に、『私設法廷』にて証言の再検証を迫る誘拐犯。彼らの運命はいかに。

    荒唐無稽な設定ですが、なぜか説得力を持って読まされてしまう西村京太郎の筆力。ほんの小さな矛盾から少しずつ状況が覆っていく面白さは法廷ものの醍醐味。そして閉鎖空間での緊迫した状況で起こる現在進行形の事件。『殺しの双曲線』に続いてページを繰る手が止まりません。

    『孤島』部分があっさり気味な感はありますが、それを言うのは贅沢かもしれません。充分楽しませてもらいました。

    自分の中で予想外の『西村京太郎ブーム』到来です。

  • 孤島に再現された町、という出だしがピークだった。

  • 読みやすかったが、
    ありえないような状況が多々あった。
    その度、毎回そんなことある?と感じてしまった。

  • 十津川警部シリーズの中でも、特に好きな作品です。

  • おもしろかった

  • 何者かに誘拐された十津川警部は、ある町の風景を再現した孤島に監禁されてしまう。佐々木と名乗る犯人の要求は、一年前に起きた殺人事件の真相を探り、獄死した息子の冤罪を晴らすことだった……
    本作は十津川の視点から進行するが、あくまで中立的に事件を俯瞰する立場のため、物語中盤までは佐々木が事実上の主人公と言ってもいい。同じく孤島に連れてこられた七人の証人は誰もが秘密を抱えている。佐々木の執念とロジックによって各々の証言が突き崩されていく様は、法廷ゲーム『逆転裁判』のようで痛快だ。孤島ものの隠れた良作である。

  • 何者かに殴られた十津川警部。目を覚ますと孤島にいた。しかし、この孤島は都会の一部を切り取ったかのように再現されていた。この町に連れてこられたのは、十津川警部以外に7人だった。この7人は1年前に起きた殺人事件を目撃し、裁判で証言をしていた。そして、犯人の父親が息子が獄中死したのは7人の証言にせいだと言いだし…


    十津川警部はサスペンスドラマでしか知らなかったから新鮮だったー。平成の始めの頃の作品だからかな?十津川警部、やたらにタバコを吸う。別に喫煙シーンがあっても構わないけど、あー昔ってどこでも吸えていたんだなぁ。吸わない人への配慮とかなかったしなーとか思った。


    十津川警部は7人の証人と犯人の父親との中立な立場。しかし、よくブチ切れることなく事件を解決したなと感心したわ。長年の刑事としての勘なのか反論されてもしっかり考えて答えを導いている。さすがなーなんとなく逆転裁判見てるような気分だった。


    だけど、最後の終わり方はなーまぁ、いいんだけどさぁってかんじは否めない。


    2019.6.20 読了

  • 十津川警部と言えばトラベルミステリという印象なのでいきなり拉致されて孤島に、というスタートには驚かされます。題名通り、ある事件の七人の証人が集められ、十津川を立会人として、いわば私設法廷での再検証が行われます。読みながら証言というものについて考えずにはいられません。孤島には事件当時と同様のセット。そして孤島の中で更に起こる殺人事件。法廷ミステリの形でありながらクローズドサークルの本格ミステリでもあります。雰囲気は少し違っても通常通りの西村さんの読みやすさでぐいぐいとラストまで一気に読まされてしまいました。

  • 七人の証人が島に拉致されて、事件の真相を追求する話。

  • 息子の無実を晴らすために孤島に殺人現場を再現し、
    当時の証人たちに真実を確かめる男。

    証言の曖昧さの矛盾を突いていくところが面白い。
    93年なのでもう20年前の作品なのだが、
    古さを感じさせない。

    真犯人は途中でわかってしまったが、それでも良い作品だと思う。

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著者プロフィール

1930年東京都生まれ。1963年、「歪んだ記憶」でオール讀物推理新人賞を、1965年、『天使の傷痕』で江戸川乱歩賞を、1981年、『終着駅殺人事件』で日本推理作家協会賞を、2005年日本ミステリー文学大賞を、2019年、吉川英治文庫賞を受賞。2022年3月3日逝去。オリジナル著作は650作。

「2023年 『長野電鉄殺人事件』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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