夜中の薔薇 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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レビュー : 89
  • Amazon.co.jp ・本 (260ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061831827

感想・レビュー・書評

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  • 向田邦子さんのエッセイ。
    食べ物のこと、旅行先でのことが、興味深く書かれていた。意欲的に生きてこられた方なのだと思った。
    特に、「手袋をさがす」が印象的です。気に入るものが見つかるまでは、決して妥協を許さない…今でこそこんな自立した大人の女性が増えてきていますが、向田さんは、そういった現代女性のパイオニアだったのではないでしょうか。

  • 気にいるものが見つからず手袋なしで冬を過ごすような会社員時代の著者に
    上司が言った言葉が胸にささりました。

    10代の前半に読みましたが 「気にいらない物がそばにあるとおちつない」
    という自分の性格を変えたいと思っていた私に投げかけられた言葉の様に
    感じました。

    今も性格は変わらず。

  • 自分に似合う、自分を引き立てるセーターや口紅を選ぶように、ことばも選んでみたらどうだろう。ことばのお洒落は、ファッションのように遠目で人を引きつけはしない。無料で手に入る最高のアクセサリーである。流行もなく、一生使えるお得な「品」である。ただし、どこのブティックをのぞいても売ってはいないから、身につけるには努力がいる。本を読む。流行語は使わない。人真似をしないーー何でもいいから手近なところから始めたらどうだろうか。長い人生でここ一番というときにモノを言うのは、ファッションではなく、ことばではないのかな。(本文より)

    向田邦子 最後のエッセイ集。
    ことばが美しい人だ。

  • キャリアを重要視し、働く女性はみな「手袋をさがす」が好きだと思う。
    自分が自分らしく生きることを、潔く自分で認めることの難しさよ。
    結婚、出産、専業主婦で〜みたいな「女の幸せ」を手放して、
    頑張っていると、ふと前も後ろも見えず佇みたくなる。
    これで良かったんだっけ?と自問自答して、夜眠れなくなる。
    そんな眠れない夜に読みたい1冊。

  • 終盤の「手袋を探す」「時計なんか恐くない」がよかった。20代の女の子向けかもしれないけれど、40代が読んでも。向田邦子の負けん気を少しだけおすそ分けしてもらった。

  • 理想の女性、向田邦子。「手袋をさがす」がとっても好き。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「理想の女性」
      事故で、早く亡くなったのが本当に残念。
      「理想の女性」
      事故で、早く亡くなったのが本当に残念。
      2014/05/13
  • 向田邦子の文章が好き。(他者にも自分にも)観察眼が鋭くて流石だなと思う。手袋をさがすと時計なんか怖くないが特に好きで、自分のことを少し肯定でき心が軽くなった。折に触れて何度でも読み返すだろうと思う。

  • 201507読了
    ベルギー旅行記が含まれている。
    20100210読了
    向田さんのエッセイは歯切れが良い。テンポが好き。切り口も好き。小難しい説明的な文章やだらだらとした叙述的な文章はいらないけど、ただなんとな~く活字が欲しい、そういうときに最適。旅のお供。

  • 人の心を動かす文章とはこういうことかと思った。
    向田邦子の「夜中の薔薇」をよんだ感想である。

    そもそも私は、これだけ沢山ブログやホームページに文章を書いているだけあって、書くのは好きだし、本を読むのも大好き。
    それでも、最近、仕事上で他人の書く文章に手を入れる立場になって急に自分の書く文章に自信がなくなってきた。
    なので、「人の心を動かす文章術」なんていう本を借りて読んでみたのだ。
    「人の心を動かす…」、大変為になることが多く、その感想を以前書いたのだけど、その本の中で良い文章として数多く取り上げられていたのがこの向田邦子の「夜中の薔薇」というエッセイ集からの抜粋であった。そこで、SF・推理小説読みの私が、普段だったらまず読まないジャンルの本だけど図書館から取り寄せて読んでみたというわけだ。

    読み始めてすぐに気づく、えび茶色の上質なベルベットのような向田邦子の文。
    最初は「人の心を動かす文章術」で紹介されていたテクニックの分析などをしながら読んでいたのに、途中でエッセイ自体に惹かれ、テクニック分析などそっちのけでのめり込んで読んでしまった。
    あたかも、優れた音楽家の演奏を聴くとき、最初は音楽家のテクニックや曲の構成・解釈など分析していたのに、結局は音の波に翻弄され、曲の分析などどこへやら、演奏家のつむぎ出す世界へ漂流していってしまうように。

    昭和4年生まれ、私の母より年上の彼女が、ちょうど私が生まれた頃に書いた文章なのに、微塵も古さを感じさせず、スキーに熱を上げ、手軽で美味しい料理で友人達をもてなし、アマゾンに旅行する。そして、そこに織り交ぜられる、ほかの人には出来ない着眼点と人間への洞察。これを書いた頃、彼女はちょうど今の私と同じ40代、ただ感嘆するばかり。
    「人の心を動かす文章」とはこういうことか、と得心がいったが、自分にはまぁ無理だろうと思うばかり。
    せいぜいがマネをしてみようとしても、出来の悪い贋作ようになってしまい、がっかり。



    ***備忘録***

    ○Aを慰めるためにBを傷つけてしまう。私はよくこういった失敗をする。
    原因は簡単で、つまりは不注意と思いやりに欠けているのである。そのたびに人を傷つけ、自分も自己嫌悪と後悔で傷ついてきた。

    ○言葉で人を傷つけてしまう人間というものは、概して自惚れの強い人間が多いので、得てして相手の痛みに気づかぬことが多いのではないだろうか。それを思うと嫌になってくる。

    ○どんな毎日にも、生きている限り「無駄」はないと思います。「焦り」「後悔」も、人間の貴重な栄養です。いつの日かそれが、「無駄」にならず「こやし」になる日が、「あか」にならず「こく」になる日が、必ずあると思います。真剣に暮らしてさえいれば−です。

  • 2018.2/10

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著者プロフィール

1929年、東京生まれ。脚本家、エッセイスト、小説家。実践女子専門学校国語科卒業後、記者を経て脚本の世界へ。代表作に「七人の孫」「寺内貫太郎一家」「阿修羅のごとく」。1980年、「花の名前」などで第83回直木賞受賞。おもな著書に『父の詫び状』『思い出トランプ』『あ・うん』。1981年、飛行機事故で急逝。

「2020年 『向田邦子ベスト・エッセイ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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