変調二人羽織 (講談社文庫)

著者 : 連城三紀彦
  • 講談社 (1984年7月発売)
3.93
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  • Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061832961

変調二人羽織 (講談社文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 『夜よ鼠たちのために』で、すっかり連城三紀彦の短篇ミステリにやられてしまいました。『夜よ〜』に比べてこの『変調二人羽織』は筆致がやや硬いかなと思いつつも、中身の濃い物語とトリッキーな仕掛けを短篇で成立させる腕は凄いです。
    文庫の解説の読むと、単行本としての刊行は二冊目だが収録作品の発表年はこちらの方が早いらしく、それを鑑みるとこのクオリティーの高さには驚きます。

    表題作を含む五篇を収録。
    お気に入りは『ある東京の扉』と『六花の印』

    『ある東京の扉』
    出版社の編集室にミステリのネタを持ち込んだ男。至急金が必要なので買ってくれという。一応なじみなので話だけは聞く編集者。
    東京という大都市を密室に見立てた殺人事件。論理の穴を埋め、互いにプロットを練り上げてゆく二人。果たしてその結末は。
    出版社も三流、作家も三流という設定なので、ダメミスの香りがプンプン漂うのですが、最後にやられた。

    『六花の印』
    明治三十八年、新橋駅から発った人力俥夫と女。
    そして現在、空港から発った運転手と会社社長。
    二つの話が微妙にシンクロしながら進む構成が、不思議な幻惑を起こす。
    真相のサプライズはもちろん、ラストの意外な伏線もよかった。

    連城さんの短篇ミステリ、もっと追っかけたいです。

  • 「六花の印」が群を抜いて印象的。異なる時代の事件を交互にえがき、すべての伏線が回収されていく隙のない構成の美しいこと!雪の中を疾走する俥夫の若い荒い息づかいが耳に残る。そして、雪の中におりる沈黙も。

  • 2012年に読んだ本ランキング9位!

    実質的な処女短編集。初期の作品だけあって軽やかな語り口や洒落の効いたオチが意外だったけど、収録されている五編すべて面白かった。特に「依子の日記」にヤラれた。過去と現在が同時進行する「六花の印」も。あとがきの推理小説家を目指すきっかけとなった父親のエピソードも興味深い。才能は父親譲り?

  • デビュー作の短編集です。
    表題作「変調二人羽織」は大晦日、東京の空に鶴が舞った奇妙な事件から物語は始まります。
    時を同じくしてTホテルの鶴の間で行われた独演会で伊呂波亭破鶴が不可解な死を遂げます。
    そんな怪死事件を現役の刑事が引退した若い刑事に手紙で語って聞かせるという形で話が進みます。
    読者はその語りの中で青年と共に事件の真相に迫っていく訳なのですが、実はその語りそのものに仕掛けがあるという凝った作品です。
    気に入った作品は「六花の印」と「メビウスの環」です。
    「六花の印」は時代を異にする2つの事件を交互に進行させつつ、最後に交わらせる手法が鮮やかで綺麗です。
    「メビウスの環」は結局、最後はどちらなのか分からないまま終わるのですが、その終わり方が心地良いです。

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