陽の翳る街 (講談社文庫 に 2-11)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (292ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061833135

感想・レビュー・書評

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  • 仁木悦子氏は時に「日本のクリスティ」と言われる。これってひどいよなぁ~。
    例えなんか使わないでほしいものだ。
    日本にだってこんなに上質な本格推理を書く女流作家がいるのに!と私はいつも思う。
    昨今、ミステリも文学だと堂々と言えるわけなのですが、身近なところで起こる事件、いや事件に限らず庶民の生活の中で起きる謎(ほのぼのミステリと私は定義しておりますが)を題材にしたミステリが、認められたのはこの仁木氏のお陰ではないだろうか。
    古い作品になると舞台も背景もどうしても古くなってしまい、その当時だからあり得る犯罪なんかもあり、今読むとう~ん?と思ってしまう作品もあります。
    でも、仁木作品は背景的には古くても今に通じるものがあり、無理を感じさせないところも凄いなぁ~と思います。
    どんどん新しいミステリが出版されますが、是非、ミステリ好きな若者にも読んでほしい作家の一人であります。
    さて、本書ではミステリ研究会なるグループを作り、新聞に載っていた事件を推理したりしている男女4人が、偶然にも事件に遭遇し、その謎を紐解いていくという純粋な本格ミステリ。
    ちょっぴり恋愛もからみ、時代に翻弄された人生なども書かれ、切なさを残す作品でした。
    確か、仁木悦子作品集も出版されているはず。機会があったら集めてみたいと思っています。

  • 古い作品は読みにくく思われがちですが、仁木作品は読みやすいですね。それは平易な文章で書かれているというのも大きな要因ですし、明るく爽やかな作風というのも大きいですね。しかしだからといって、軽い訳ではないんです。それがまた今読んでも面白い魅力なんでしょうね。
    ある小さな商店街を有する街で起こった殺人事件。偶然発見者となった推理小説研究会のメンバーが捜査に乗り出す。この素人探偵というのも懐かしいパターンですな。人物の繋がりが事件の鍵となるのですが、Aという人物が実はBであり、CはDであって、AとDは繋がっており…と二転三転していくのが面白いです。

  • 久しぶりに読んだら、ぐいぐいと引き込まれて
    いく展開でした。凝ったトリックも使わないけど、
    読みやすいです。

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著者プロフィール

1928 - 1986。小説家。ミステリーや童話を手がけ、1957年に長編デビュー作『猫は知っていた』で江戸川乱歩賞を受賞。明快で爽やかな作風で、「日本のクリスティー」と称された。1981年には「赤い猫」で日本推理作家協会賞を受賞。無類の猫好きとして知られる。

「2023年 『不思議の国の猫たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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