- Amazon.co.jp ・本 (231ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061833838
感想・レビュー・書評
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利休とその周辺の人々の間の緊張関係を、当事者の一人でもありながら、最終的には当事者ではないとも言える人間の眼から描き出した作品。
それぞれの道、つまりは武、神、そして茶の追求の果てにある孤高感を抱く者のやり取りには、死がつきまとうということなんでしょう。
この意味で本覚坊も有楽もその境地には達しえなかった凡人の悲しみが滲んでいるように思われるのが印象的。
また再読したいと思わせる一作。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ルピシアの通販サイトにて。
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三井寺の本覚坊の手記という形で、利休について綴られる小説。
古田織部、山上宗二、織田有楽などを通して、
本覚坊が利休の死について考えを巡らしていきます。
細川三斎、板部岡江雪斎、高山右近なども言及があります。
千利休、山上宗二、古田織部は、それぞれ三名で、
無言の盟約のようなものを交わし、それぞれ自刃した、
という解釈が面白かった。
また、高山右近は「自分を棄てて、ここが最後といったところがある。」と
利休が評していると描かれており、高潔な印象でした。
今まで読んだ小説の中でも、
高山右近はそれぞれに興味深い描かれ方をされています。
キリシタンだったこともあり、右近の内面に興味が湧きます。
織田有楽斎は、一癖あって素直ではなく、
真意をはかりかねるところがある人物として描かれていました。 -
かなり以前に読んだ本だけれど,読後に感じた鳥肌が立ちそうなほどのさみしさを今だに感じる事ができる。
私は,千利休は室町前衛アートの頂点に立つ人だと思う。誰もついていけない道を一人で歩く。切腹という形で死ぬ事で彼の追求してきた世界の厳しさと崇高さは増し、そして彼の存在が時代を経てさらに大きくなっていくように感じる。 -
三角関係ではありません
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