戦後を疑う (講談社文庫 し 18-1)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (283ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061835498

感想・レビュー・書評

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  • 戦前、戦時中、戦後を生きてきた著者が、戦後30年を振り返る本。内容は治安維持法から大学教育から天皇論から様々。
    著者の視点を通して新たな考え方に触れることができた点は興味深かったが、様々な話題に少しずつ触れているだけだったので、何かまとまった知識を得た、という感覚はない。

  • 戦後35年を一つの節目として、とくに進歩派のイデオロギー的な欺瞞を暴いたエッセイを収録しています。かつて「岩波文化人」の代表であった著者が、「常識」の復権を説く保守の立場に移ったことが、鮮明に示されています。

    とくに、遠山茂樹らの『昭和史』(岩波新書)などの近代史が、戦前を暗黒時代のように規定していて、戦前から戦後に至る歴史のつながりをまったく見ようとしていないことに対する批判は、耳を傾けるべきものがあるように思います。こうした著者の態度は、戦後における進歩派の言説を改めて検証しなおすことの必要性を示していると同時に、「戦後レジームからの脱却」というスローガンのもとで、70年に及ぶ「戦後」という時代を見ようとしない現在の政治状況、思想状況への反省のきっかけを与えてくれているようにも思います。

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著者プロフィール

清水幾太郎

一九〇七(明治四〇)年、東京生まれ。社会学者。東京帝国大学文学部社会学科卒業。文学博士。二十世紀研究所所長などを経て、学習院大学教授、清水研究室主宰。主な著書に『愛国心』『流言蜚語』などのほか、『清水幾太郎著作集』がある。訳書にヴェーバー『社会学の根本概念』、カー『歴史とは何か』などがある。八八(昭和六三)年没。

「2022年 『日本語の技術 私の文章作法』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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