- Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061835573
感想・レビュー・書評
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高い叙情性とミステリの面白さの共存......って、これ何回書いたかな?
すべてを読んだわけではないが、とにかく連城三紀彦の短篇集にハズレなし!
ハルキ文庫版の『夜よ鼠たちのために』にあった『代役』『ベイ・シティに死す』『ひらかれた闇』は、こちらにも収録されている。
この三作品だけでも読む価値はあるので、興味のある方は比較的入手しやすい『密やかな喪服』はいかがだろうか。
もちろん他四篇も面白いのでおすすめ。
『白い花』
自宅療養中の書道家と物静かな家政婦。
犯人もトリックもなんとなくわかる。でも凄いのはそこじゃない。
わからなかったことが二つあった。その謎が解けるとき......
『消えた新幹線』
午後五時三十五分。
新幹線が熱海を出てまもなく、車内に突如あらわれた森の石松。
瞬間ギョッとする車掌。
刀をふりまわす浪人風の男と逃げる町娘風の女。
眼を疑るサンドイッチの売り子。
『密やかな喪服』
夜中にふと呟いた妻の一言。
「喪服を用意しておかないと......」
その言葉に次第にとらわれていく夫。そして不穏な気配。
『黒髪』
十五年ぶりの女との逢瀬。京都。ある真相。
連城三紀彦の短篇集はまだまだあるので、これからも随時読んでいく予定。
一定のクオリティを保った短篇をコンスタントに発表していた連城先生にただただ感服。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
まぁ昔の小説です、纏っている空気も題材の扱い方も。表題作は確かに惹かれるものはありますが、例えば「開かれた闇」とかそれはないわって感じ。
かと言ってそんなに滋味深い感じを受けないし、そうなると今となっては残念ながらあんまり読まれないのかなぁという気がします、率直に言いまして。 -
バラエティに富んだ短篇集。「密やかな喪服」、「ひらかれた闇」は驚きのホワイが楽しめるし、「白い花」、「黒髪」の耽美と情念の世界は作者の独壇場。レベルが高いが、他の作者の傑作とどうしても比べてしまうのでこの評価。
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著者のことが新聞で取り上げられて興味を持ち、とりあえず何か読んでみようと手に取った短編集。
人に例えるなら壇蜜、香りに例えるなら白檀って感じの短編集でした。どの作品も気品と、香り立つ色気があった。文庫は昭和60年の発売なのですが、それよりももっと古い感じがする。ちなみにジャンルはミステリー。どの作品もどんでん返しが効いています。好きだったのは「白い花」と「代役」。
他の作品も読んでみたい。
著者プロフィール
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