羊をめぐる冒険 下 (講談社文庫 む 6-4)

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  • 講談社
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本棚登録 : 2354
感想 : 175
  • Amazon.co.jp ・本 (231ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061836075

感想・レビュー・書評

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  • 自分が生きてもない時代なのに、終始懐かしい気持ちにさせてくれた

    まだぶっ飛んだダイナミックな展開もない作品で、(いい意味で)こぢんまりとしてる物語で、自己投影(?)しやすかった気がした

    なんだか寂しい読了感がのこった

  • 主人公と耳の綺麗なガールフレンドの北海道旅行

    鼠と羊を探しに寂しい場所へと進んでいく二人

    十二滝村がどうやって出来たか?についての話は面白いと思った。

    最後の山籠もりでの主人公の生活が、たわいもないけど楽しそう。

    村上春樹の主人公達は金に執着がなさ過ぎる。
    →だからモテるのか?

  • 次の『ダンスダンスダンス』が一番好きなんだけれど、久しぶりにこの本を読み返してみた。
    31年前の作品。文章に惹かれる。どこから読んでも、くらっとするような文がある。



    「日本の近代の本質をなす愚劣さは、我々がアジア他民族との交流から何ひとつ学ばなかったことだ。羊のこともまた然り。日本における緬羊飼育の失敗はそれが単に羊毛・食肉の自足という難点からしか捉えられなかったところにある。生活レベルでの思想というものが欠如しておるんだ。時間を切り離した結論だけを効率よく盗みとろうとする。全てがそうだ。つまり地面に足がついていないんだ。戦争に負けるのも無理ないよ」(羊博士)

    「全ては彼を中心に回転するべきなのだ。許すことと憐れむことと受け入れることそ中心に」(僕)

    「あとには沈黙だけが残った。沈黙の他には何も残らなかった」

  • 「静寂」が「沈黙」に切り変わるあの瞬間の緊張感。あとはただただ悲しい。

  • 村上春樹の登場人物というのは非常にフィジカルだなと思った。彼らは、彼らが食べた食べ物と動かしただけの運動量とかつて聴いた音楽と読みふけった本によって、形作られる。思念のみの存在ではない。

  • 下巻のスピード感、さすがでした。

  • 下の方が面白かった

  • 面白さが下巻中頃から畳み掛けるように始まるのは狡いです。
    あまり考えず読んでいたのもありますが、秘書との会話から怪しんでおくべきでしたし、鼠からの手紙にも細心の注意を払うべきでした。
    羊博士→あの方→鼠の流れはわかっていても、鼠がそれを良しとせずに自らの身を滅ぼしても流れを止めたのはある意味、鼠の良心であったのかなと思いました。
    北海道の秋から冬に変わるまでを丁寧に書きつつ、羊男との対話で鼠までのミステリアスな流れを意識させるのは流石です。
    鼠との対話は暗闇じゃないとできないのも新しい怪談のようでしたし、その後の秘書を巻き込んだ爆破(死んだかどうかは定かではない)は映画のワンシーンのようでした。
    ラスト、主人公が鼠との思い出を残す為に共同経営の話を決めたのと、浜辺で二時間泣いたのを読んでやっと主人公が人間に戻ったのを実感しました。

  • やっぱり春樹さんの長編は面白い。途中で主人公は自分勝手と言われるセリフがあって、それを念頭において読み返したい。

  • こんなラストでしたっけ?名著はやっぱり何度も読むもんですねー
    もうね、たまんないですよ、小説読む楽しみを噛みしめながら頁をめくっていき読み終えてもまだ心中に残る何ぞや。。
    後の作品に比べ性愛シーンは皆無といっていいくらいですが、いろいろニヤリとするのもまた楽しい。耳が魅力的なガールフレンド、、こういう結末が本当に美しく感じます。

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著者プロフィール

1949年 京都府生まれ。著述業。
『ねじまき鳥クロニクル』新潮社,1994。『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』新潮社,1985。『羊をめぐる冒険』講談社,1982。『ノルウェイの森』講談社,1987。ほか海外での文学賞受賞も多く、2006(平成18)年フランツ・カフカ賞、フランク・オコナー国際短編賞、2009年エルサレム賞、2011年カタルーニャ国際賞、2016年ハンス・クリスチャン・アンデルセン文学賞を受賞。

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