- Amazon.co.jp ・本 (268ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061836174
感想・レビュー・書評
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大阪市に赴任したので、タイトルに惹かれて図書館にて借りる。現住地域が何度も登場するのを目にするうちに、この地域に愛着が湧くようになってきた。
商人の町大坂の独特の価値観が小気味良く描かれていて、隠れた好作品だと思う。
<気に入ったフレーズ>
世に強い人間というのがある。出世をし、金をもうける。この男たちの皮膚は足の裏のように固くて、他人の好意にきわめて鈍感にできている。(P130)
確かにこういう奴がいる(笑)
大坂という街の関心は、氏素性よりも、甲斐性であり、現に、佐平次は、弁口の才と愛嬌をもって、他人のふぐりをスルリと握る技術に長けている。(P51)
氏素性より甲斐性。上手い表現だ。
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夫実家の蔵書。
夏の帰省の時にお借りして読み。
大阪はやっぱり合理性とか、金勘定とか、そういうのが強いのよね、武士は食わねど高楊枝なんてあほらし、みたいな雰囲気があるよなあ。そこが好き。
岡山出身で大阪の夫と暮らしている身としては、「難波村の仇討」が心に残った。 -
2017.5.1(月)¥100(-2割引き)+税。
2017.5.7(日)。 -
いろいろな「大坂侍」が出てくる中、最後の編で主人公又七が、「大坂」を否定しつつも結局は「大坂」から逃れられず、しかも骨の髄からどっぷり「大坂の人(=大阪ではない!)」になっているところがこの短編集のミソ、なのかなぁ。
最後の『年譜』がとてもうれしかったりします。 -
大坂をテーマにした時代小説。
江戸との文化の違いに驚かされること
数多く。
冒頭の2つはちょっと色香が
強い作品なので面食らいましたが
そのうちの1つはまさにゲンナリンです。
本当にかわいそうとしか言いようがないものです。
時代が変われば…というもの。
傑作は2つの泥棒ものでしょうか。
特に1つはやはり凄腕の泥棒は
最後の最後まで違うや!!
という典例でしょう。
ほんとうにすごいことをやってしまうのですから…
全部面白かったです。 -
Waiting for reading........
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96年23刷本
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短編6作品
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大阪の侍は浮き草のよう。
現代も昔も大阪は商売人の町だとつくづく感じる短編集。
とくに江戸時代後半なんて金は大阪の商人が握っているのですよ。
人情も喧嘩も首も人の価値もなにもかも金になるのか。
著者プロフィール
司馬遼太郎の作品





