大坂侍 (講談社文庫 し 1-18)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 120
感想 : 9
  • Amazon.co.jp ・本 (268ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061836174

感想・レビュー・書評

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  • 大阪市に赴任したので、タイトルに惹かれて図書館にて借りる。現住地域が何度も登場するのを目にするうちに、この地域に愛着が湧くようになってきた。
    商人の町大坂の独特の価値観が小気味良く描かれていて、隠れた好作品だと思う。

    <気に入ったフレーズ>
    世に強い人間というのがある。出世をし、金をもうける。この男たちの皮膚は足の裏のように固くて、他人の好意にきわめて鈍感にできている。(P130)

    確かにこういう奴がいる(笑)


    大坂という街の関心は、氏素性よりも、甲斐性であり、現に、佐平次は、弁口の才と愛嬌をもって、他人のふぐりをスルリと握る技術に長けている。(P51)

    氏素性より甲斐性。上手い表現だ。

  • 夫実家の蔵書。
    夏の帰省の時にお借りして読み。

    大阪はやっぱり合理性とか、金勘定とか、そういうのが強いのよね、武士は食わねど高楊枝なんてあほらし、みたいな雰囲気があるよなあ。そこが好き。

    岡山出身で大阪の夫と暮らしている身としては、「難波村の仇討」が心に残った。

  • 2017.5.1(月)¥100(-2割引き)+税。
    2017.5.7(日)。

  • いろいろな「大坂侍」が出てくる中、最後の編で主人公又七が、「大坂」を否定しつつも結局は「大坂」から逃れられず、しかも骨の髄からどっぷり「大坂の人(=大阪ではない!)」になっているところがこの短編集のミソ、なのかなぁ。
    最後の『年譜』がとてもうれしかったりします。

  • 大坂をテーマにした時代小説。
    江戸との文化の違いに驚かされること
    数多く。

    冒頭の2つはちょっと色香が
    強い作品なので面食らいましたが
    そのうちの1つはまさにゲンナリンです。
    本当にかわいそうとしか言いようがないものです。
    時代が変われば…というもの。

    傑作は2つの泥棒ものでしょうか。
    特に1つはやはり凄腕の泥棒は
    最後の最後まで違うや!!
    という典例でしょう。
    ほんとうにすごいことをやってしまうのですから…

    全部面白かったです。

  • Waiting for reading........

  • 96年23刷本

  • 短編6作品

  • 大阪の侍は浮き草のよう。
    現代も昔も大阪は商売人の町だとつくづく感じる短編集。
    とくに江戸時代後半なんて金は大阪の商人が握っているのですよ。
    人情も喧嘩も首も人の価値もなにもかも金になるのか。

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著者プロフィール

大正十二年(一九二三年)、大阪市に生まれる。大阪外国語学校蒙古語部(現大阪大学外国語学部)卒業。産経新聞文化部に勤務していた昭和三十五年(一九六〇年)、『梟の城』で第四十二回直木賞を受賞する。昭和四十一年(一九六六年)、『竜馬がゆく』『国盗り物語』で菊池寛賞を受賞。その後多くの賞を受賞。『坂の上の雲』『翔ぶが如く』『花神』『菜の花の沖』などの歴史時代小説、『街道をゆく』『この国のかたち』などの紀行、エッセイなどの作品が多数ある。平成五年(一九九三年)には文化勲章を受章。平成八年(一九九六年)死去。

「2022年 『花咲ける上方武士道 上巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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