- Amazon.co.jp ・本 (521ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061836181
感想・レビュー・書評
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若くして自殺した美貌の八世市川団十郎の破滅的な恋の苦悩と悦楽。恋人は仇持ちの浪人。・・・辛いけど最高に面白いよ。
杉本苑子の本がほとんど絶版なのは本当に悲しい。 -
十年ちかく前に読んだときは、まあ、それとかあれとかまあこの作品を一部の読者に有名たらしめている主役たちのからまりについてしか見てなかったような気がするんですが、あらためて読み返すと細部が、いい。
わたしは、映像が浮かび、ひとが生きている姿がつたわり、なお文章としてうつくしい小説がすきです。筋を追うよりも。 -
大名題の家に生まれ、類まれな美貌で“江戸の華”と謳われた八代目市川団十郎。
その華やかな外見とは裏腹に、団十郎は肉親との葛藤に悩み、芝居町を弾圧するご政道(遠山の金さん出てくる!)に不安をつのらせ、ついには仇持ちの浪人・宮永直樹への破滅的な愛にのめりこむ。
江戸歌舞伎の舞台を背景に、謎の死に至る団十郎の伝説的な悲劇を細やかに描いた長編作品。
葬儀へ向かう団十郎を見て、「八代目・・・、きれいね」とため息をもらす女たちに向って、(あれはわたしのものだ!)と声にならない叫びを全身にめぐらす宮永先生。
団十郎を裸にして、「うつくしい」「いつか必ず二人の仲は壊れる・・・そう予感しながらこのうつくしいものをわたしは傷つけた」とうめく宮永先生。
「団十郎」「団十郎・・・」と二度くり返し息を引き取る宮永先生。
いやー、宮永先生に大注目してしまいました。
しかし昭和44年にこれが刊行されちゃうのがすごいわ。
(現代ならBLと呼ばれてしまう事でしょう)
でもきちんと大名題たちの事も書き分けられていて、読んでてとてもおもしろかったです。
成田屋・高麗屋・音羽屋はもちろん、その妻・妾・子どもたち。下っ端の駒三や宮永先生の隣に住む弥平次、先生の妹(実は娘)小菊。それぞれの登場人物の人生を、事細かに見せられているような、そんな重みがある作品でした。 -
後半こちらが期待しているほど内面に踏み込まずさらーっと流れていってしまう。
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八代目団十郎の死とその周辺の梨園のどろどろを描いた長編。今も引き継がれてる名が沢山出てきて今見るとどきどきします…
八代目の自殺は謎らしいんですが創作としても十分読み応えあります。女性向けですね。少年時代の八代目(当時海老蔵)の女王様っぷりにときめく…! -
(昔書いた感想を引っ張ってこようシリーズ)
これはついこないだもちょろっと書いたような気がするけど・・・。
BL、つかジュネ!!って感じの少年愛小説なんですけど(・・・)、歌舞伎役者の九代目市川団十郎が主人公。この団十郎がものすごい美少年っぷり。
イメージとしてはすごい山岸凉子っぽい。「神隠し」て読み切りの美少年くんみたいな感じ。水も滴る美少年。線が細くて骨ばってて性格もどこか思いつめたとこがあって、何をしでかすか分からない危うさを秘めている、ってな感じ?
まあ、そんな美少年くんが仇持ちの浪人への破滅的な愛にのめり込んでまっしぐらってな話です。
しかしこの団十郎がけなげでけなげで泣けてくるわ!しかもツンケンした人かと思いきや結構他の人の心配まで焼いてたりしていい人だったりもして、かわゆさに身悶える。相手の男がムカつく(笑)もっと大事にせんかい!!
本当に、本当に、本当に、団十郎ちゃんかわいいので!ホモ好き腐女子は是非読むように。ムダに歌舞伎の知識も身に付くぞ(笑)
著者プロフィール
杉本苑子の作品





