企業参謀 (講談社文庫)

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  • 講談社
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レビュー : 168
  • Amazon.co.jp ・本 (218ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061836303

作品紹介・あらすじ

新しい時代の企業戦争を生き残る鍵を握るのは、評論家になり下がったスタッフ集団でも、アイデアを花火のように打ち上げるだけの一匹狼でもない。組織の中にあって、企業の頭取脳中枢として戦略的行動方針をつくりだし、それをラインに実行させる独特の力をもつ「企業参謀」集団──その存在が命運を決める。

感想・レビュー・書評

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  • コンサルティングファームで働くにあたって必読書籍だと思い、読みました。難解でまだまだ活用するには至りませんが、思考プロセスの重要性は強く感じました。質問設計と数値的センスがまだまだ課題として残っています。

    =以下メモ=
    ・ものの本質を考える⇒解決策志向的に行うこと
    ・問題点の絞り方を現象追随的に行うこと
    -現象→グルーピング→抽象化→アプローチ設定→解決策と思われる仮説の設定→分析による仮説の立証または反証→結論の導出→具象化→実行計画の立案

    ・尺度の使い方
    -経営戦略用の会計⇒組織に固有な入力と出力との間の”増幅率”にその焦点を当てている。
    -ROCE(使用総資本利益率)に至る諸種の比率の動向を見守り変曲点を管理する
    1.経年変化→屈曲点をマネジメント
    2.改善の仮定→最大の影響因子を見極める(感度分析)ex.OVA、PIP
    3.各比率を競合と比較→その高低を指針とする(イギリスには第三者機関が存在している)

    ・企業における戦略的志向
    -マネジメントプロセス
    1.革新をついた設問からスタート
    2.正統的な問題解決のアプローチ
    3.企業に適したプロセス設計

    ・中期経営計画(立案プロセス)→仮定を何事にもよらず明確化しておく
    1.目標値の設定→:外的客観条件
    2.基本ケースの確立→重要な仮説であり、売上高を市場サイズとシェアから算出
    3.原価低減改善ケースの算定→一定のプロジェクトを持ち、低減目標に向かってプロジェクトを回していく
    4.市場、販売改善ケースの算定
    5.戦略的ギャップの算定
    6.戦略的代替案の摘出→多角化、海外市場進出など
    7.代替案の評価、選定
    8.中期経営実行計画

    ・PPM
    -自社の強さを横軸、市場の魅力度を縦軸にして9つの分類して管理する
    -PPMによる組織運営→戦略事業ユニット:GE
    -必要プロセス:変数に対する理解
     -外的変数:成長性、収益性
     -内的変数:シェア、技術、のれん

    ・製品・市場戦略
    1.市場性の動的把握→マーケットサイズ、成長性、セグメント
    2.内部経済の分析→売上高(全社における割合)
    3.競合状態の把握→地域、型式別など
    4.自社の強さ弱さの把握→購買の意思決定ex.インタビュー
    5.改善機会の抽出・評価
    6.改善計画作成・実施
    7.モニター及び、必要な軌道修正

    ・参謀五戒
    1.「イフ」という言葉に対する本能的恐れを捨てよ
    -What If=代替案を常に持つ
    2.完全主義を捨てよ
    -どんなに優れた戦略でも流動する市場動向を逃しては効果が無い
    -タイミングが重要:気になる細かなことを言葉で表現し、仮定で逆にしてみる。
    ⇒大筋に影響がなければ大局的な判断を果敢に行うべき
    3.KFSについては徹底的に挑戦せよ
    -担当する職務において、KFSがなんであるかという認識を忘れない
    -全面戦争≠KFSに対する限定戦争に徹底的に挑む
    4.制約条件に制約されるな
    -制約事項を理想を達成するための障害物に変換させる
    -問題は環境、歴史、方針などによって唯一無二という独自性を持っている。
    5.記憶に頼らず分析を

  • 企業分析に関する本です。
    「ニュージーランド沖の日本イカ船団」のような具体的分析事例が掲載されていて、それぞれ興味深く読むことができました。

    ただ、1975年初版で、私が読んだ講談社発行の文庫版ですら1985年発行と大分古い本となってしまいました。
    そのため、やや時代にそぐわないと感じる部分もあります。
    例えば、軽自動車を捨ててシビックに注力したホンダをいい例として紹介していますが、今にしてみるとどうだったのだろうか、というものもあります。
    それでも、まだまだ通用するような内容も多く、大前研一氏の先見性を感じることができる本だと思います。

    以下読書メモから

    【なるほどな点】
    ・「なんとなく」雰囲気に対して金を支払うという排他的なやり方を少し自律的判断に移し替える。
    ・企業のトップマネジメントが、なんらかの作戦を立てて影響が出るのは、明日、明後日ではない。短期的なことは、現場の指揮官に判断を任せるよりほかない。
    ・戦略的思考家は、分析の後に直感を活用する。分析の前にすることはまずない。
    ・代替案の選択で重要なことは、考える軸というものを固定しておく。

  • 初心者にはとっつきにくい内容。各章ごとのつながりもよくない。でもエッセンスは現在でも通じる。企業分析、戦略的思考を持つことの重要性を痛感させられる。政治にも戦略的思考が必要。

    1.この本を一言で表すと?
    ・日本人よ、戦略的思考家をめざせ

    2.よかった点を3〜5つ
    ・床屋の値段(p13)
      →QBハウス?先見の明。
    ・明日の朝、何をしたらよいかまで消化して書かなければ何事もおこらない(p144)
      →行動は明確にしないと人は動かない。行動計画は掛け声だけで終わってはいけない。
    ・参謀の真の仕事が戦場に突入する前にこちらの戦略を立案すること(p179)
      →とにかくあらゆる可能性を考えてから行動するということ。戦略なき行動は無意味。
    ・シンクタンクは実戦には不向き(p211)
      →評論家体質はダメ。自分ならどうするか主体的思考が必要。

    2.参考にならなかった所(つっこみ所)
    ・「国政への応用」部分は現在の政治問題をどのように分析するのか聞いてみたい。

    3.実践してみようとおもうこと
    ・イシューツリー、プロフィットツリーを個人の問題に当てはめて作ってみる。

    4.聞いてみたいこと
    ・日本に戦略的思考家はふえているか?世界の戦略的思考家と対等に戦えるか?

  • 戦略とはなにか?と考えている方にお勧め。戦略とは何かを知りたくて、戦史ものなどを読んだりしていたが、よくわからなかった。タイトルからは予測できなかったが、企業における参謀とはなにか、企業がもつべき戦略とは何かと説いていた。軍隊との比較もあり、戦略、参謀とはどのようなものかと深く考えさせられたともに、これまで、戦略がいかに大事と言っていたことが恥ずかしくなるほど、戦略立案に際しての熟考が足りなかったと痛感させられる本だった。

  • 中国杭州出張のお供に本箱から引っ張り出して持って行った。文庫本 2006年第40刷のもの。初版は1985年。事例は如何にも古いが、本質的なものであろう。

  • 企業参謀

    組織のトップとボトムをつなぎ、企業の戦略を考える参謀集団の重要性を述べた本書。個人的に一番共感したのが、参謀五戒である。正直、2021年に書かれたものと言われても驚かない、色あせない五戒である。
    ① 参謀たるもの「イフ」という言葉に対する本能的な恐れを捨てよ
    日本人は、イフが苦手という。一つは、文化的に中国やアメリカという答えを早く習得することが日本の成長戦略の一つであったことから、自ら問いを設定してきた経緯がないことや、言霊信仰でリスクファクターを口に出すことを過度恐れてきた過去がある。参謀たるもの、果敢にイフを唱え、あらゆる可能性を粒さに認識していなければならない
    ② 参謀たるもの完璧主義を捨てよ
    戦略とは、業務改善の限界を超えてさらに飛躍するためにあるものである。つまり、戦略を必要とする時点で完璧主義でどうこうなるレベルではない。戦争でも、最後に1兵卒でも残っていれば勝ちである。ゆえに、どこかで負けて、どこかで勝つ。勝つために一部は負けることを恐れてはならない
    ③ KFS については徹底的に挑戦せよ
    KFSとは成功のツボである。戦略において重要なことは、KFSを限定したら、徹底的にやり抜くことである。そこで差がつくからである。仕事とはオキュペーションと訳すからには、「自分の時間を占有する生業」である。その業を徹底することが人生の喜びであるに違いない。何かをやり遂げたという満足感の根源になるに違いない。
    ④ 制約条件に制約されるな
    制約条件というものは粒さに見ていけば、思いの外低いハードルということはよくある。問題は、人間の指紋と同じように一つとして同じものはなく、それぞれの独自の課題と解決方法がある。一般的な制約条件と考えられるものも、その問題についてじっくり向き合えば、そこまで大きな制約とはなっていないこともある。制約条件と一般に呼ばれるものに固執せず、何ができるかを最初に考えて、そこを突き詰めることで打開策が見えるのである。
    ⑤ 記憶に頼らず分析を
    日本人はとにかく高等教育までは記憶力勝負である。記憶力偏重社会で学歴を得ても意味はない。重要なのは物事を正確にとらえる分析であり、ここを外してはならない。

  • 時代は変わっても企業参謀としての仕事は変わらないのだなぁと感じさせられる良書

    誰の、どのような問題があり
    どのような解決策が考えられ、
    どれがベターな解決策で、それはなぜか
    実行するならば、どうするか

    また数年後に読み返したい

  • 少し古くなっているがコンサルワークの本質が変化していないことを再確認することができる。

  • 企業参謀ってネーミングがうまいが、内容もおもしろかった。企業の参謀だから問題解決成功の尺度は財務的な利益率ということでメインの話が展開されつつも、それ以外に国政レベルでの問題解決や「設問のしかたを解決策志向的に行うこと」の事例として出た残業を減らす方法など、もう少し幅の広い問題解決の考え方という感じ。40年前の本でも古いということはない。

  • メルカリ売却

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著者プロフィール

1943年、福岡県生まれ。早稲田大学理工学部卒業後、東京工業大学大学院原子核工学科で修士号を、マサチューセッツ工科大学大学院原子力工学科で博士号を取得。(株)日立製作所原子力開発部技師を経て、1972年、マッキンゼー・アンド・カンパニー・インク入社。 以来ディレクター、日本支社長、アジア太平洋地区会長を務める。現在はビジネス・ブレークスルー大学学長を務めるとともに、世界の大企業やアジア・太平洋における国家レベルのアドバイザーとして活躍のかたわら、グローバルな視点と大胆な発想で、活発な提言を行っている。

「2018年 『勝ち組企業の「ビジネスモデル」大全 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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