- Amazon.co.jp ・本 (243ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061837157
作品紹介・あらすじ
生命の鍵をにぎるDNAモデルはどのように発見されたのか? 遺伝の基本的物質であるDNAの構造の解明は今世紀の科学界における最大のできごとであった。この業績によってのちにノーベル賞を受賞したワトソン博士が、DNAの構造解明に成功するまでの過程をリアルに語った感動のドキュメント。
感想・レビュー・書評
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二重螺旋を見つけノーベル賞を取ったワトソンの記録。非常にのんびりした牧歌的日記帳なのですが、このくらい根を詰めないほうがうまくいくのかなー、と思ったのです
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医学部で生化学を学んでさらに博士課程で論文も書いたので科学部分についてはある程度すらすらと読めたが、そうでなければちょっと読んでてしんどい部分も多そう。とはいえストーリーとしての面白さに加え抜群にユーモアもあり読み物として単純に面白く、売れた理由はよく分かる。
訳者あとがきにも書いてあるとおり「科学の本質は競技ではない。早く発見したからといって誇ることが大切なのではなく、科学の体系を世界の科学者が力を併せて発展させることが大切なのである」という考えに私も賛成なので、ポーリング、モーリス、ブラッグらの二重らせん発見後の態度が科学者らしいと考えてしまうが、ワトソンが当時24歳であることを考えれば、またこの実績を考えれば、苦言は負け惜しみにしかならない。
そしてワトソン自身もこの発見により大きく発展する世界を随所で夢想するように、やはり科学の体系の発展を真に考える科学者なのであろう。
戦争が科学を発展させると言うが、少なくともこの本では政治と戦争は科学を邪魔するものとしか描かれていない。 -
金大生のための読書案内で展示していた図書です。
▼先生の推薦文はこちら
https://library.kanazawa-u.ac.jp/?page_id=18349
▼金沢大学附属図書館の所蔵情報
http://www1.lib.kanazawa-u.ac.jp/recordID/catalog.bib/BN01278562 -
遺伝学の教科書にあったDNAの構造がいかにして発見されたか、どのような悩みを抱え、解決したか、その過程を追体験できたのが楽しかった。
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105円購入2012-04-09
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たぶん再読。ワトソンとクリックがDNAの二重らせん構造を発見・発表するまでの回想録。
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25才の若さで DNAモデルを発見した天才科学者。そのサクセスストーリーをリアルに語る博士は、超おもしろい人でした。(Hana-san)
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DNAが遺伝子の実体で二重らせん構造を持つということは、現在では誰もが知っているだろう。しかしそれが発見されてからまだ半世紀余りしか経っていない。発見者として名高いワトソンとクリックのうち、本書の著者であるワトソンはまだ存命だ(クリックは2004年に死去)。
本書は、DNAの構造に関する研究レースで勝者となったワトソンが、その激しい先陣争いの日々をなかばドラマとして描いている。
当時の著者はまだ25歳で、博士号も取っていない学生だった。そして二重らせん構造の証明となるX線回折写真も元は彼が撮影したのではなく、別の研究者の報告を見てアイデアを思いついたようなものであり、この点については「手柄を横取りした」というスキャンダルもずっとつきまとっている。
本書はその序文でも語っているように、客観的な伝記ではない。当事者が自分自身の立場と視点と印象に基づいて書いたものであり、別の登場人物からすれば不本意な部分もあるようだ。しかし彼はそれも承知の上で、科学の現場の熱い空気を伝えることを優先したという。
科学を教科書でしか知らない人々にとって、その途中の道のりはまったく未知の世界であろう。たとえ彼の業績に影があっても、その熱気を伝えることに本書が一役買っていることは否定できない。ものすごく面白いというほどではないが、とりあえず科学の世界を覗いてみたいという人がいたら勧めて良い本だと思われる。