- Amazon.co.jp ・本 (396ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061837430
作品紹介・あらすじ
いやだわ、私……夫よりお父さんのほうを信じてる。夕起子は心の片隅で大学教授の舅に理想の男を描いていた。そして舅は夕起子の中に、戦中の青春をかけ愛した、亡き先妻の面影を重ねていた。危機を孕む人間同士、夫婦、嫁舅それぞれの心の奥にひそむ棘を鋭く衝く問題作。愛とは、結婚とは、戦争とは、を問う。
感想・レビュー・書評
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面白いとの父からの推薦で読み始めたが・・・さすがは三浦綾子。じわじわと心のうちを丁寧に描いていて、父の薦めた理由はわかるが、今読みたい本ではなかった。全然読みすすまず、読書が2ヶ月も停滞した。目が離せないストーリー展開に一気に読める、そんな作品を求めている人には薦められない。
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家族をメインに人の心の棘にターゲットを当てた作品。
誰しもあるであろう棘を深く真摯に考える人がいるのならこんな感じなんだろうな。
個人的には人間は棘ありきで流してしまうことが多いので正直ちょっとまどろっこしい。 -
彼女の小説を読んでいくと,人間の心の危うさ,頼りなさを感じてしまう。戦争で一人目の奥さんをなくした大学教授が息子の奥さんにその幻影をだぶらせる。その奥さんが義父に憧れている。その危うさがたまらなくて,ずんずんひきこまれていった。2人は何の罪深い行為をするわけではないのだが・・・。やはり愛は意志なのかもしれない。
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名作
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本当の私は、意地悪で性格が悪い。
心の中で思ってる事とは反対の事を口に出すことが多々あるし、愛想笑いだってお手のものだ。思ってもない事を言ったり、取り繕ったりすることだって出来る。
そして思う。
いつもニコニコして話を聞いてくれるあの娘の心の中にも、「悩みがあるなら、いつでも言って。私口かたいから。」って言うあの娘の心の中にも(自分で口かたいと言う人ほど信用できないものはないと思うけど)、意地悪や嘘が潜んでるんじゃないかと。
どんな人も心に棘を持っているー
家族だって、夫婦だって、心の中全てを分かり合えるなんてことはありえない。
取り繕ったり、嘘をついたり、後ろめたくなったり。
それでも、家族や夫婦には大切な何かがあって、一緒に生きていくんだ。一緒にいる価値があるんだ。
そう思いたい。
そうじゃないと、心の棘が私を刺して、痛くて痛くてたまらない。 -
やっぱり三浦綾子さがあった。家族愛、夫婦愛、それから戦争のこと。最後の最後で信仰が入ってきたのが…だけど、淡々としていて、でもなんか深くて面白かった。
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とある家族が出会う様々な出来事と各人が心の中に持つ棘のお話。日常生活だけでなく、歴史もからんできて、心の中のことも…なので、三浦綾子らしい作品。さっぱり読めるので、三浦綾子作入門にふさわしいと思います。
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いやだわ、私……夫よりお父さんのほうを信じてる。夕起子は心の片隅で大学教授の舅に理想の男を描いていた。そして舅は夕起子の中に、戦中の青春をかけ愛した、亡き先妻の面影を重ねていた。危機を孕む人間同士、夫婦、嫁舅それぞれの心の奥にひそむ棘を鋭く衝く問題作。愛とは、結婚とは、戦争とは、を問う。
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「だがねえ、富久江、人間は誰しも底意地の悪いものだ。外にはださなくても、棘を含んで生きているものだよ」
著者プロフィール
三浦綾子の作品





