写楽殺人事件 (講談社文庫)

  • 講談社 (1986年7月8日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (368ページ) / ISBN・EAN: 9784061837805

作品紹介・あらすじ

 

みんなの感想まとめ

謎の絵師、写楽の正体を追求する物語が展開され、浮世絵の世界に深く引き込まれる魅力が詰まっています。江戸川乱歩賞を受賞した本作は、写楽の正体と殺人事件の真相を二重に楽しむことができ、読者を飽きさせません...

感想・レビュー・書評

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  • 写楽の正体は?の一冊。

    第29回江戸川乱歩賞受賞作に納得。

    謎の絵師、写楽の正体を追い求める面白さと殺人事件の真相へと辿り着く面白さで二重に楽しめた。

    最近、興味と知識が増えてきた浮世絵界と写楽。

    謎のヴェールに幾重にも包まれた写楽の姿、そのヴェールが一枚ずつ剥がされていく過程は物語ならではの仮説が真説へと変わる面白さが止まらない。

    絡んでいく蔦屋、政事情まで興味が尽きなかった。

    複雑な人間模様が入り乱れる事件の真相。
    トリックに目新しさはないもののじっくり読ませる。

    心救われるような終盤、綺麗なまとまりまで、はなまる。

  • ミステリー作品を読みたくて手にしたが、前半大部分を占める写楽の謎解きがかなり興味深い内容だった。
    原田マハさん作品で印象派に興味を持った方は本作品で浮世絵にもハマるかも知れない。

  • 終盤まで、「ミステリー?」と、いう位事件よりも写楽の正体にせまる内容。この説が本当に浮世絵の世界で論じられている説なのか、そうでないのかわからないがこれまで読んだ写楽絡みの話のような華やかさが感じられなかった。
    それから、中心にいる登場人物以外のキャラクター設定が薄いので記憶に残りづらく少々読みづらいかも。

  • 写楽とはいったい何者なのか、それを追いかけてるだけでも面白くて吸い込まれるのに、殺人事件も起きて、壮大なカラクリにすっかりのみ込まれてしまった。

  • 同作者の『北斎殺人事件』を読む前に、刊行順として先にこちらを読んでおこうという軽い気持ちで読み始めたのですが、思わぬところでタイムリーな読書となりました。

    写楽は謎の人というのは、たぶん高校の時の日本史でも先生が雑談として話してくれたような気がします。
    でも、たった10ヶ月の活動期間中、100枚以上の浮世絵を描いた、そのすべてが蔦谷重三郎のところから出版されていたとは知りませんでした。

    蔦谷重三郎と言えば、来年の大河の主人公じゃありませんか。
    こりゃあいいタイミングで予習ができるぞと、ほくほく読み進めると、これが本当に面白い。

    浮世絵には全然詳しくないけれど、歴史は大好物。
    蔦谷重三郎から平賀源内、源内から田沼意次、そして源内から小田野直武をはじめとする秋田蘭画の流れ、それとは別に司馬江漢という江戸時代の洋画家。
    別々に知っていた知っていた知識がつながっていく快感。
    いや、源内―秋田蘭画―司馬江漢のつながりは知ってたけどね。

    主人公の津田は、写楽の正体は秋田蘭画の無名の画家なのではないかと、現地に赴いて調査するのですが、どこへ行き、何を見て、誰と会って、どう解釈するかの流れがとても丁寧に描写されているので、浮世絵のことは全然わからないなりに、津田の解釈で間違いないのではと確信するまでに至るのです。
    単純ですが。
    だって、穴がないんですもの。

    ところが、浮世絵界の重鎮の死によって、ドミノ倒しのように根拠が揺らいでいく。
    これがまた、完璧だと思われた写楽であることの証拠が、どこまでも怪しく思えてくるから不思議です。
    そしてすごいのは、写楽であるという証拠を作り上げたのも、写楽ではないという証拠を用意したのも、作者という一人の人であるということ。
    練り上げたはずの殺人事件が凡庸に思えてしまうくらい、写楽の謎が面白い。

    犯人の移動手段として現れる「TDA221便」。
    最初は読み飛ばしてしまったけれど、途中で気になって確認。
    かろうじて飛行機と書いてあったけど、今の若い人、わかるかな?
    この本が書かれた当時TDA(東亜国内航空)という航空会社があったのです。
    新幹線じゃないよ。

    さて、蔦谷が大躍進したのはなぜか?
    こちらもちゃんと答えが用意してあります。
    極めて説得力があると思いますが、大河ではどのようにするのでしょう。
    写楽が10カ月しか存在しなかったことと、蔦谷が大躍進したことをつないだこの作品での仮説は、極めて美しいと思うのですが、これ以上の説が出てくるかしら。わくわく。

  • 「写楽殺人事件」高橋克彦著、講談社文庫、1986.07.15
    367p ¥620 C0193 (2025.06.10読了)(2011.07.10購入)(2001.05.24/31刷)

    【目次】
    プロローグ
    邂逅
    清親の誘い
    写楽別人説
    秋田蘭画考
    天明相関図
    訣別
    絵師のアリバイ
    蠟画の獅子
    エピローグ
    解説  中島河太郎

    ☆関連図書(既読)
    「べらぼう(一)」森下佳子作・豊田美加著、NHK出版、2024.12.20
    「平賀源内(学習漫画・日本の伝記)」蔵持重裕立案・古城武司漫画、集英社、1988.11.23
    「稀代の本屋 蔦屋重三郎」増田晶文著、草思社、2016.12.21
    「蔦屋重三郎」鈴木俊幸著、平凡社新書、2024.10.17
    「栄花物語」山本周五郎著、新潮文庫、1972.09.20
    「喜多川歌麿女絵草紙」藤沢周平著、文春文庫、1982.07.25
    「歌麿の世界」渋井清著、日経新書、1968.05.23
    「浮世絵」瀬木慎一著、潮新書、1972.05.25
    「浮世絵」高橋鉄著、カッパブックス、1969.07.05
    「謎解き 広重「江戸百」」原信田実著、集英社新書、2007.04.22
    「高橋克彦の歴史ズームイン」高橋克彦著・NHK仙台、熊谷印刷、1987.04.15
    「炎立つ 巻の壱」高橋克彦著、日本放送出版協会、1992.12.10
    「炎立つ 巻の弐」高橋克彦著、日本放送出版協会、1993.02.10
    「炎立つ 巻の参」高橋克彦著、日本放送出版協会、1993.05.30
    「炎立つ 巻の四」高橋克彦著、日本放送出版協会、1993.08.31
    「炎立つ 巻の伍」高橋克彦著、日本放送出版協会、1994.05.24
    「時宗 巻の壱 乱星」高橋克彦著、日本放送出版協会、2000.11.20
    「時宗 巻の弐 連星」高橋克彦著、日本放送出版協会、2000.12.25
    「時宗 巻の参 震星」高橋克彦著、日本放送出版協会、2001.03.30
    「時宗 巻の四 戦星」高橋克彦著、日本放送出版協会、2001.07.05
    (「BOOK」データベースより)
    謎の絵師といわれた東洲斎写楽は、一体何者だったか。後世の美術史家はこの謎に没頭する。大学助手の津田も、ふとしたことからヒントを得て写楽の実体に肉迫する。そして或る結論にたどりつくのだが、現実の世界では彼の周辺に連続殺人が起きていてー。浮世絵への見識を豊富に盛りこんだ、第29回江戸川乱歩賞受賞の本格推理作。


  • ミステリーの様で、焦点はミステリーじゃなかった。
    表題の写楽の正体に時間を掛けて迫っていく前半はとても興味深かったが、人物の相関関係が入り乱れ、興奮する登場人物達と読み手の温度差に違和感を感じた。
    乱歩賞を取っているが、後年の重厚な筆力の方が好みかもしれない。

  • ラスト、ある人物の独白気持ちいー

  • 高橋先生の浮世絵への造詣の深さが存分に感じられる作品。

    前半は写楽=昌栄説の立証のための証拠集めであるが、少しずつ足りないピースが埋まっていくのが非常に楽しいシーン。良平と冴子の仲睦まじいやり取りもあり非常に軽快に読み進みられる。ここはザ高橋作品といった感じで理詰め理詰めで可能性を削っていくのが面白い。正直、馴染みのない人名が多く、振り返りながら読むことになったが、1つの学問書を読んだ気になれるのでこれはこれであり。

    後半以降で、2つの死をめぐり、事件が発展していく。利権の塊であり、とても醜い学閥の世界。嵯峨と西島、どちらかは良い人かと思っていたが、どちらもかなりの悪人で逆に衝撃。スッキリとした終わり方ではないが、写楽=昌栄説が捏造にもかかわらず実は真実に迫っていた可能性があるというのは非常に皮肉的で、必死にこの偽説を追っていた良平目線としては少し溜飲が下りる思い。

    …オレ達は浮世絵から見れば、通りすがりの人間でしかないんですよ-放っておいても、浮世絵は自分だけの力で遺り続けていったのに(348p)

  • 浮世絵シリーズ第1弾のテーマは写楽。
    何かで読んだ北森鴻氏の蓮杖那智シリーズと共通点があるという意見には確かに頷ける。
    膨大な調査の元に書かれているので興味深い内容なのだけれど、馴染みがない固有名詞が多すぎて作品の世界に入り込めなかったかな。

  • NO.1401

  • かなり本格的な歴史ミステリー。現実の事件との融合もなかなか巧み。

  • 再読。
    10ヶ月という短い制作期間だけで姿を消した、謎の絵師「東洲斎写楽」。
    彼はいったい何者なのか? を追っていく中で、現実世界での殺人が起こって・・・というミステリー。

    前半はほとんど写楽の謎を追いかけていくのが中心なので、ミステリーとしては、いつ事件が起きるのかと思ってしまうかもしれない。
    大筋は覚えていたが、それでも夢中になって、一気に読み切った。
    ただ、浮世絵シリーズは塔馬さんが探偵役だと思い込んでいたところがあって、途中まで誤解していた(忘れていた)。
    そうだ、写楽は国府さんだったんだ…。
    読み直してみても、興奮と、寂しさを感じる。
    高橋克彦は評価に高低差があり、それもそうだろうと納得もしているが、このシリーズはお気に入り。
    (まあ、個人的に浮世絵が好きだから、というのはあるが)

  • 浮世絵師や評論家など、名前が多すぎて、混乱する

  • 40年ぶりの再読。
    やっぱりいいよね。前半の写楽別人説を紹介していく件が特に好きだなぁ。
    ただ、40年間印刷物の制作にたずさわる仕事をしてきた人間からすると、画集の仕込みは何ともなぁ。絶対気づくと思うけどな。

  • 写楽殺人事件 高橋克彦 講談社
    前半は浮世絵史を紐解くようなドキュメントタッチでワクワクさせられ
    後半は推理小説そのものでドキドキすることになる
    この小説は
    わずか10ヶ月間彗星の如く登場して消えた
    写楽が何者であるかの謎解きと
    完全犯罪を解明する探偵小説の両方を
    楽しめるコリに凝った欲張りな設定である

    写楽の名に惹かれて読み出した身としては
    歴史の謎に引き込まれ盛り上がったところでいきなり詐欺と復讐と殺人に物語にすり替わり
    肩透かしをくらう後半の展開でガッカリはしたものの
    結局最後まで読まされてしまうことになったのだが
    夢を壊されたようで読後の気持ちの整理がつかないままで何とも苛立たしい

  •  
    ── 高橋 克彦《写楽殺人事件 1983‥‥ 19860708 講談社文庫》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/406183780X
     
     
    (20231128)

  • わずか10ヶ月の活動で忽然と姿を消した写楽。 一人の研究員が彼の正体に近づくも、現実の世界では浮世絵界を揺るがす殺人事件が起き始めていた・・・。 

    希代の絵師東洲斎写楽をテーマにした歴史美術ミステリ。流石は作者が元研究者なだけあって浮世絵部分は相当緻密、美術好きなら読む価値はあるかもしれないです。

  • 浮世絵ミステリー

    歴史は証拠がないからな〜

  • 3.3

    浮世絵や日本美術史の知識が浅すぎて、人物が登場するたびにGoogleを頼るしかなく勉強のようだった。写楽の謎と事件の謎、2つのミステリが含まれていて面白い。特に、写楽の謎に夢中になりすぎて通常のミステリ部分を忘れてしまう。楽園のカンヴァスを読んだ後だから特に、美術作品の謎にだけ集中していたので殺人が起きた時に「そういえばそうだった笑」となった。

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著者プロフィール

1947年岩手県生まれ。早稲田大学卒業。83年『写楽殺人事件』で江戸川乱歩賞、87年『北斎殺人事件』で日本推理作家協会賞、92年『緋い記憶』で直木賞、2000年『火怨』で吉川英治文学賞を受賞する。他の著書に『炎立つ』(全5巻)、『天を衝く』(全3巻)などがある。

「2009年 『To Tempt Heaven』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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