あした天気にしておくれ (講談社文庫)

著者 :
制作 : 佐野 洋 
  • 講談社
3.50
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本棚登録 : 427
レビュー : 40
  • Amazon.co.jp ・本 (374ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061838093

感想・レビュー・書評

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  • 高額の競走馬が移送中に事故で骨折し、それを隠ぺいするために競走馬の身代金誘拐事件を偽装。倒叙形式で1日ごとにその様子が描かれ、その中に意表を突く出来事を2つ盛り込み、クライマックスである身代金引き渡し当日の土曜日へと突き進んでいく展開は無駄がなく、引き込まれる内容であった。
    「第6章 金曜日」が終わった時点で、犯人がどうやって、安全に身代金を詐取するのかを考えてみて、ひとつの方法が思い浮かんだ。ヤマ勘にすぎないが、結果的にほぼそのとおりの方法であった(細かい計算はしていないし、詳しいシステム上のことまではわからなかったが)。映画「スティング」のような、意表を突く、鮮やかな手際だ。
    主人公がその事実に気づいた後、さらにいくつかの疑問点が示されるが、そちらの真相の方は伏線があちこちに散らばっていて、わかりにくい。
    主人公の朝倉は、事件のからくりを見抜いたり、犯人がこれから取る行為の危険性に気づくなど、鋭いところもあれば、北海道に行った際に尾行のことすっかり忘れていたり、ある人物の正体を勘違いするなど、迂闊なところもある。

  • 2017年5冊目。
    競馬三部作の中でもダントツに面白かった!!!他の2作品に比べるとやっぱり競馬の知識がないともしかしたらイマイチ入り込めないかなーとは思うけど、昔競馬をかじっていたおかげでより楽しめたと思う。
    いやー、早く続きが読みたくて読みたくて。朝倉に同調してなんだかあたしまで胃が痛くなるような思いをしながら一気に読んでしまった。
    これが事実上の処女作かー。やっぱり岡嶋二人はすごい。
    あたしは、ホント去年初めて名前を知ってハマったばかりなので、作品がかなり前に書かれたことを承知で読んでいるから、このトリックが今実現可能かどうかというところはあまり重要視していない。それよりもどんでん返しが続くこのストーリーそのものに魅力を感じてる。うん。これもう一度読み直したい。

  • 輸送中の事故で足を折ってしまった競走馬。隠ぺいのための狂言誘拐を仕組むのですが、途中からこの計画に乗っかり、身代金奪取を目論む人物が現れて……競馬に詳しい方なら馬券の発売方法など古さを感じるかもしれませんが、とても面白い、よくできたトリック、物語だと思います。二度読んでも面白いです。完全犯罪成立かと思われたのを僅か数ページで覆し、それ以後をあえて空白のまま物語を終えるのもいいですね。

  • 身代金奪取の鮮やかさと、先の読めないスリリングな展開でぐいぐい読ませるが、最後にほんの少しだけ息切れしてしまったかな。

  • ★3.5かな。

  • つまらないってほどでもないけど展開が予想付きすぎてやはりつまらなかったのかもしれない。
    競馬のことあまり知らないからわくわくできなかったのも理由のひとつ……。
    奥さんと離婚するかもしれないって設定どこいったんだ。なんのためにあったんだ。

  • 競馬界を舞台にしたミステリー 。
    江戸川乱歩賞の最終候補に残った事実上の処女作。落選理由は「メイントリックに前例があったこと」と「実行不可能であること」だが、著者は本書の「あとがき」で反論している。

    3億2千万円のサラブレッド「セシア」を骨折させた失態を隠すため馬の狂言誘拐を企てるが、別の脅迫者が表れ、身代金を要求される。
    江戸川乱歩書に引けを取らない面白さ、最後まで真相がわからなかった。
    (図書館)

  • シリアスなドラマであり、全体を通して緊迫感があり読み応えがありました。

  • 倒叙形式で描かれていた物語が途中から一転してフーダニットの展開へとシフトしていく手際の良さが見事です。現在では実現不可能と言われるメイントリックも、競馬の知識が無い者にとっては鮮やかで感心させられました。競馬三部作のトリを飾る作品でありながら、実際はデビュー作よりも前に書かれていたことや、その完成度の高さには驚かされます。

  • 馬を骨折させた失態を隠す為に馬の狂言誘拐を企てるのですが、そのことを強請ろうとする邪魔者が入ります。脅迫するスリルと邪魔者の正体を探るフーダニットの両方が楽しめる構成は独創的で素晴らしいです。
    盲点を突いた身代金受け渡しトリックも面白いですが、真相を隠すために注ぎ込まれたミスディレクションがまた良く出来ています。ラストも鮮やかです。競馬に興味のない方でも十分に楽しめる作品だと思います。

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