伊集院大介の冒険 (講談社文庫 く 2-11)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (281ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061838123

感想・レビュー・書評

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  • 内容紹介
    東京から特急で2時間ほどの山中に山科警部の親戚がオープンしたばかりのペンションに幽霊が出没、客足もすっかり途絶えているという。霊能者を装った伊集院大介が乗り込んだ翌日、雪で孤立したペンションに謎の殺人事件が!山科警部を相手に、ご存じ名探偵・伊集院大介の推理が冴える傑作7編。

  • 1986年発行、講談社の講談社文庫。7編。伊集院大介モノの短編集だが、意外と当時のアンソロジーに収録されている作品もある。1作目、4作目は推理小説代表作選集で、3作目は栗本薫バラエティ劇場で読んだ。で、この3作品が名作と思う一方、他の4編は駄作とは言わないが、なんかうまくないように感じてしまう。特に後半3編は、人間関係によるもので、同じような趣向によるものと感じてしまった。一番のおお気に入りは『青ひげ荘の殺人』。オチが全く意外で、そううまくいくのだろうか、挑発する側もすごく不安だろうが、面白いとは思う。

    収録作:『殺された幽霊』、『袋小路の死神』、『ガンクラブ・チェックを着た男』、『青ひげ荘の殺人』、『獅子は死んだ』、『鬼の居ぬ間の殺人』、『誰かを早死させる方法』、他:「解説」中島河太郎、栗本薫&中島梓 著作リスト

    初出誌:『殺された幽霊』小説現代 昭和57年4月号、『袋小路の死神』小説新潮 昭和56年6月号、『ガンクラブ・チェックを着た男』小説新潮 昭和57年10月号、『青ひげ荘の殺人』小説現代 昭和56年2月号、『獅子は死んだ』小説現代 昭和58年10月号、『鬼の居ぬ間の殺人』小説現代 昭和59年3月号、『誰かを早死させる方法』小説現代 昭和59年5月号、ノベルス版:講談社ノベルス刊行 昭和59年8月刊

  • 以前よりずーっと読んでみたいと思っていた伊集院大介シリーズ。

    新刊書店では見かけられず…ようやく中古書店で発見し、わくわく購入。
    しかし、この短編集…伊集院大介の名前がついた文庫本ではあるものの、シリーズ1冊目ではなかった!
    何て浅い調べっぷり…とちょっと自分にがっかりしつつ。
    ここから読んでも「ついていけない…」なんてことはないのでそれは良かった…でも、大介が既に名探偵のポジションにいる状態なので、どうして探偵に?ということが描かれているのならやっぱり最初から読む方が良かったかも。
    大介と山科警部、カオルとの出会いだとかも気になるし。
    全体的にやっぱり多少描写に時代を感じるもののそこまで違和感はなく読めた。

    他の作品も読みたいぞ、このシリーズ。

  • はじめて読む伊集院大介シリーズだったんですが、短編のせいなのかどの作品も解決に至る経緯の跳躍が激しすぎて、解決編始まったところでちょっとポカーンと読者が置いてきぼりを食らわされた感が…。自分の読解力不足でしょうか。
    「伊集院大介」というキャラクター自体は飄々としてて好きなタイプなので、もう少し他の作品も読んでみましょうかねー。

  • 全体的に言えることは、どの事件も容疑者多すぎ!短編なのに、こんなに次々に容疑者が出てきてどうするんだろう?と思っていたら、「この人がこんなことをするなんて考えられない」という例の「心理を読む作戦」でバサバサと切り捨てられていく。そのうちそれが憤慨を通り越して痛快になってくるから不思議。さすがに7編も読むと慣れるよなー。
    それが最も顕著な形で表れているのが『殺された幽霊』。ある家族経営のペンションに幽霊が出て困っているという山科警部の頼みに、大介が霊能者を装って乗り込み騒動を解決する話なのだけど、「もともとの性格と、あらわれた反応が、何となく、微妙にずれているのです。」という一言でたちまち事件を見抜いてしまう(あーこれネタバレかなぁ、まぁいいや)。
    うーん、何だかなぁ。この理論に頼ると、全てがそれで解決させられてしまう危惧があるなぁ。実際7編のうち半分くらいはそれで片づけてるしなぁ。
    凝ったトリックや足下を掬われるプロットや引っかけを期待して読むとハマるかも。
    ただ単に伊集院大介カッコいい!と思って読む分には、楽しめると思う。

    ちなみに伊集院大介の容貌はこんな感じ。
    「ひょろりとのびた背丈、長めの髪、銀ぶちのめがね。どちらかといえば平凡な青年で、ただ、標準より、少しひょろ長く、少しやせており、少し飄々としているのが特徴といえば特徴だ。」

    今引用していて思ったのだけど、栗本薫は句読点が多い。とくに点の打ち方が私の読む流れと余り合わない。ざっと読めば良いのだけど、気になりだしたら止まらない・・・。

  • 伊集院大介の短編集。

    完全犯罪に関する話題がある。
    完全犯罪を誰の立場で見るかによって、見方が違うかもしれない。

    伊集院大介は、物語に対する著者のような、神の立場で物語っているのかもしれない。
    ちょうど、新冒険の解説で、「お坊さん」みたいと言われたことがより理解できるようになった。

  • 小話的な話が多くて、なんとなく小粒感が拭えないのが残念。そして女傑率が高い(笑)

  • <東京から特急で2時間ほどの山中に山科警部の親戚がオープンしたばかりのペンションに幽霊が出没、客足もすっかり途絶えているという。霊能者を装った伊集院大介が乗り込んだ翌日、雪で孤立したペンションに謎の殺人事件が!山科警部を相手に、ご存じ名探偵・伊集院大介の推理が冴える傑作7編。>一年以上探し回ったこの文庫‥聖地アキバにてゲット。伊集院大介と山科警部はいいコンビっぽいけど、いかんせん短編集では絡みが薄いですな〜。ミステリーとしてはまあ普通かな。

  • 『殺された幽霊』
     山科警部の従兄弟が経営するペンションで起きる幽霊騒動。トイレから消えた男の幽霊。元新興宗教の信者であった娘の秘密。

    『袋小路の死神』
     足を洗った暴走族のリーダーが袋小路で殺害された。容疑者は後継のリーダー、対立する暴走族、元上司の暴力団、家族など多数。夜中に爆音を響かせた被害者。

    『ガンクラブ・チェックを着た男』
     自分の夫の尾行を伊集院大介に依頼した女社長の死。ダイイングメッセージは彼女が握っていた「ガンクラブ・チェック」。

    『青ひげ荘の殺人』
     森カオルと「完全犯罪」についての議論中に語りだした伊集院大介過去の事件。犬の散歩のアルバイト、本当の目的は若い燕を探すため。未亡人の語る自らが犯した夫の殺害。

    『獅子は死んだ』
     一族のものに嫌われた富豪の死。爆弾での山崩れ。富豪の仕掛けた罠。

    『鬼の居ぬ間に殺人』
     金持ちの後妻。同居する息子夫婦。口うるさい後妻の留守中に殺害された老人。

    『誰かを早死にさせる方法』
     山科警部の旧友に死。伊集院大介の好きになれない被害者。

  • 薫さまの分身、森カオルも出ます(少し)
    長編の不思議人間「伊集院大介」が普通に見える
    ありえるストーリーが頭に浮かぶから
    犯人のフェイクに騙されない

    分類しづらい名探偵です

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著者プロフィール

東京都生まれ。早大卒。江戸川乱歩賞、吉川英治文学新人賞受賞。中島梓の筆名で群像新人賞受賞。『魔界水滸伝』『グイン・サーガ』等著書多数。ミュージカルの脚本・演出等、各方面でも活躍。

「2019年 『キャバレー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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