- Amazon.co.jp ・本 (180ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061838574
感想・レビュー・書評
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【2021年37冊目】
エッセイというものをあまり読まないのですが、昨今エッセイと呼ばれるものは字が大きく、余白が多く、なんだか勢いだけで作られたようなものが多いのだなと、本作を読んで思いました。字が多い、機知に富んでいる、話題に事欠かない、どの話も面白く、作者の人生を、頭の中を覗き見させて頂いた気分でした。残念ながら書かれた小説は1度も読んだことがないので折を見て読んでみたいと思います。 -
宮本輝さんの2冊目のエッセイ集らしい。発行は1986年、収録されているのは1980年から83年にかけて様々な媒体に掲載された作品だ。『流転の海』はすでに連載開始されているはずだが、それに触れた文章はない。が、父親を題材にした作品や触れられた作品が多くて、この人にとって父親がいかに大きな存在だったかがわかる。まあ、そうでなければ『流転の海』は書かれなかっただろうが。小説だけでなくエッセイもうまいなと思った。
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いろんな著作の裏側を垣間見れて興味深いです。特に、お父さんに関する記述には興味深々です。
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!!
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仕事への絶望と難病。そして文学への想い。手に負えないぎりぎりの状況に陥ったとき、筆者は自分の本当の心(姿)を知る。
「解釈を拒絶して動じないものだけが美しい。解釈だらけの現代には一番秘められた思想だ」
この言葉を常に消化して生きてきたからこその確信的な文体。
これまでは努力だった。
これからは実力だ。
この言葉と向き合いかつ己の天分を必死に信じたからこその熱量に溢れる文章たち。
これからの自分にとって大切な思想が詰まっている本でした。 -
宮本輝のエッセイ。初めて読んだが、心にとても染みる。彼の視点が、弱者に優しいからだろうか。
文章もいい。さすがである。上手く言えないが、透明度が高くソリッド感があるのに、暖かい。 -
自叙伝で命を大切にすることを言っていた。自分のペットを火鉢で焼いてしまった話が印象に残っている。
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後ろの方を読んでいなかったのでした。
宮本輝氏のお父さんは「流転の海」の熊吾なので、
出てくる度、うぅーー、熊吾ーーーー!!
てなるね(笑)
宮本輝は「現代の作家」というカテゴリーだけど、
エッセイで読むとずいぶん昭和。
心の闇なんて大層で禍々しいものではなくて、
ちょっとした薄暗がり、日が差すところに現れる影、のようなものを
彼の文章からは感じる。
十冊の文庫本、蟻のストマイ、私の愛した犬たち、「内なる女」と性
は印象的。特にマッチでスカートの中を、というのは
これだったのか!と思い出しました。
超ショートエッセイの潮音風声は、書き散らしたって印象だな~(笑)
作品に纏わる後半は作家宮本輝のファン向けかな。 -
1986 講談社
「命の器」とはなんなのか、ちゃんと輝さんはこたえていて、
初めて読んだとき15歳だった私は、とても嬉しかったのです。
周りの大人は大事なことを、きちんと教えてはくれませんでした。
「大人になればわかるよ」とか、 「そんなこと聞く前に勉強しろ」と、言われるたびに傷ついていました。
わかりたいと思う気持ちを汲んで欲しいのに、
鬱陶しそうに追い払われて悔しくて。
惜しげもなくこの本の中で、輝さんは大切なことを与えてくれました。
励まされたり、慰められたり、叱られたりしながら、ずっとこの本と生きてきたような気がします。
(2005年09月03日 18:40 )
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