カンガルー日和 (講談社文庫)

著者 :
制作 : 佐々木 マキ 
  • 講談社
3.52
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本棚登録 : 5439
レビュー : 499
  • Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061838581

感想・レビュー・書評

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  • 口当たりも軽く、ちょっとふわりとしたいい意味での不安定感と心地よさ。
    スケッチ風あり、ウイットに富んだのあり、怪しいのあり…。

    彼の作品にはよく出てくる「音楽」がでてくるけれど、遠くで流れてる曲がよくは聴こえなくてもっと耳を澄ませたくなるような、そんな感覚に似ている気がした。また耳を傾けてみたくなる。
    他の長編につながるような「種」のようなものもチラチラ感じられて、そこもおもしろかった。

    最後の「図書館奇譚」は少し長め。
    これで十分1冊に足りそうな、不思議でこわおもしろいお話。
    図書館の地下、のぞいてみてくださいませ。

  • 16/05/17。

  • 好き

  • 先週の日曜日だった。大阪ルクア新館を彼女と一緒に覗きにいった。
    8階だか9階にTSUTAYA書店があって、新品のカンガルー日和はそこで買った。スターバックスと一体化した店舗で、最近この手の店をよく見る(エキスポシティもそうだったなあ)。
    僕の彼女はハルキスト(村上原理主義者)ではないけど、以外に彼のエッセイや短編集は読んでる手合いで、俺がカンガルー日和は読んだことがないと言うと、すぐ読めるし軽い内容だからとすすめてくれた。
    「無性にビールが飲みたくなる」という感想を添えて。

  • 38/333

  • 短編集です。
    23編収録されています。全部でも250ページぐらいなので、1つずつはかなり短いです。
    1981年4月から1983年3月まで、一般書店では販売されない雑誌に書かれたものだそうです。

    おとぎ話めいたものもあれば、日常の中の非日常を描いたようなもの、その後の長編の下地になったものもあります。

    色々なタイプの短編が収められているのですが、一般販売されない雑誌の掲載が始まりだったためか、全体的に、だいぶ気楽な、というか、ふっと見上げた空が青かった、みたいな、ライトな感じのする本だと思います。
    また、作者の初期に書かれた他の著作にも共通するような気もしますが、社会の中での自分の所在なさみたいなものを感じているような人が、多分、本当はそんな日はなかったんだろう、いつかの日を、思い出している(または失ったように思う何かを追っている)ような、感じもします。

    表題作の「カンガルー日和」も、そのうちの一つかもしれません。
    ある天気の良い日に、その日がカンガルー日和だと一瞬にして確認できる二人の交わす会話、過ごす時間を、時々読み返したくなったりします。

  • 大概教師は喋りすぎる。一から十まで説明して、それでもまだ伝わらないのではないかと不安になって、もっともっと説明を加えて余計に分かりにくくするというのが往々のパターン。村上春樹はとっても丁寧に教えてくれるのだけれども、決して全てを語らない。決して語りすぎない。そんな印象をこの本から受けた。貫井徳郎の短編小説を、桐野夏生は構成を最初から最後まで計画段階から細部に渡り見渡せている小説家、と賞していたが、この作品に関して言えば、村上春樹は小説が小説として行きたがる方へ、水が流れる堀を創ることに専念したのだと思う。この作品に限るのかどうかは分からんけど、水の流れを書きたがる小説家が多い中、水の流れを操る外堀を、水の流れを観察しながら創っていけるのだとしたらこれはすごいことだ。生徒に気付かれないように、生徒の後ろに隠れながら、確実に生徒の力を伸ばす縁の下の教師みたいだ。

  • 最近の村上春樹にしか触れてなかったからはっとさせられた、彼は素晴らしい物書きだったんだと。
    何十年も前の作品だけど色あせず男女は可愛らしくてユーモアがあり書棚にひっそりともっておきたい一冊

  • 短編集。
    書店ではあまり出ない種類の雑誌に掲載されていたものだと、あとがきで知った。

    「4月のある晴れた朝に100パーセントの女の子に出会うことについて」
    まさに村上春樹。と言わんばかりのこのタイトル。
    文学少女やロマンティストな女の子には、ナンパ文句として確実に使えるんじゃない?
    ちょっとだけ1Q84を思い出した。ソウルメイト的な、そんなニュアンスを漂わせるけど、結局お互い100パーセントなはずなのに、記憶は薄れる。85パーセントに消されることもあるのかもしれない。
    本当に、悲しいお話。

    個人的に「眠い」はおもしろかった。
    ミシシッピ、という単語には、sはいくつ入ってるんだろうね。今度眠くなったら考えてみようと思う。
    気に病んだ人に対して、「どうして北極が寒いか考えてみなよ」と言ったことがある。彼女は、さらに気を病みそうになるから嫌だと言った。確かに、世界の広さを知ることは、さらなる陰鬱を引き寄せるのかも。今度からは、ミシシッピを使おうと思った。

    「タクシーに乗った吸血鬼」
    "信念と実証とは無関係です。"
    そう、うん、そうだ。
    たとえば私は吸血鬼だったとして、誰かに私は吸血鬼なんです。と話したところで、信じる人なんていないかもしれないけど。
    こんなタクシー運転手がいればおもしろいな。でも女だったら血を吸われてしまっていたのだろうか。

    「図書館奇譚」、羊男の話だったのか、と。たぶん難しく考えてしまうことを、作者は望んでいないはず。ただ、難しく考えないと、これはただのホラーになってしまいそうな気がして、考えられるところまで考えた。
    図書館は知識を与えるだけ。人間が作ったコンピューターに人間が踊らされている、そんな感覚とは異なるのかな。
    羊男シリーズを、しっかり読もうと思った。

  • ほっこりするけどよくわかんなかった。短編集。

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著者プロフィール

村上春樹(むらかみ はるき)
1949年、京都府京都市伏見区生まれ、兵庫県西宮市芦屋市育ち。早稲田大学第一文学部映画演劇科卒。大学在学中にジャズ喫茶「ピーター・キャット」を国分寺・千駄ヶ谷に開店していた(1981年、店を人に譲渡)。1979年にデビュー作の「風の歌を聴け」で群像新人文学賞を受賞。谷崎潤一郎賞、読売文学賞、朝日賞など数々の受賞歴がある。2006年にフランツ・カフカ賞、2009年にイスラエルのエルサレム賞受賞。ノーベル文学賞に最も近い作家の一人と言われており、毎年発表時期に日本国内でニュースになる。事実、村上春樹作品は全世界で翻訳されており、アメリカ・アジアでの評価がとりわけ高い。フィッツジェラルドやレイモンド・カーヴァーなどの作品の翻訳も手がけ、翻訳家としての仕事も高い評価を受ける。翻訳と創作活動を交互に行うことで、作風を変化させ、作家としての成長を続けている。新作が発表されるたび大きな話題となるが、近年は特別番組「村上RADIO」にてラジオDJも務め(不定期放映)、数々の名言も注目を集める。代表作に『風の歌を聴け』『羊をめぐる冒険』『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』『ノルウェイの森』『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』。2019年7月31日に『神の子どもたちはみな踊る』が舞台化。アメリカのサックス奏者スタン・ゲッツの伝記翻訳を2019年8月刊行。2019年9月10日発売の『文藝春秋』10月号で「至るところにある妄想 バイロイト日記」を寄稿。

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