カンガルー日和 (講談社文庫)

著者 :
制作 : 佐々木 マキ 
  • 講談社
3.52
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本棚登録 : 5439
レビュー : 499
  • Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061838581

感想・レビュー・書評

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  • 不思議な村上ワールド満載の短編集。佐々木マキさんの挿絵が非常にマッチした作品だ。この頃の著者の作風だろうか、奇妙な前提(そしてその世界ではそれは常識である)を感覚的に捉え厳密さを持って語る作品が多い。『4月のある晴れた朝に100パーセントの女の子に出会うことについて』や『かいつぶり』『図書館奇譚』なんかは好みだが、全体的には及第か。

  • 18のショートストーリーで構成された一冊です。シンプルなものからオチで黒笑いしてしまうもの等、短いながらも多彩な村上春樹を味わえます。なんと言っても最後に「図書館奇譚」は最も不気味で強烈なインパクトを残して嵐のように去って行きました。逃げ切るまでは誰を信じるべきなのかもわからない。夢か現実か。老人に羊男に謎の美少女、彼等は皆存在したのか。そして私自身は存在するのか。時が止まっていたように感じたのは、長い悪夢を見ていたのかもしれません。それでもまた図書館の前を通ると、置き残してきた靴音が聞こえてくるような気がするのです。

  • 短い23の短編集。
    一つの話にまとまっているのがあったり、何かの一部を切りとった様なお話があったり、軽く読める読み物。
    でもさらっと読んでしまったら、何も感じないで終わってしまうので、1話終わる毎にちょっと本を閉じて反芻して、落ち着いてからまた次の話を読んだりしてました。
    そうしてる余韻が楽しい本でした。

  • 『カンガルー日和』/村上春樹/★★★☆☆/短編小説集。なにやらシュールな内容のものが多かったけど、飾らない村上さんの文章にちょっとほっこりするような内容の短編ばかりでした。最後の「図書館忌憚」はめっちゃおもしろかった。

  • 短編集。須く面白かった。特に
    「タクシーに乗った吸血鬼」運転手が吸血鬼で主人公がラストでそのタクシーの外観を彼女に伝え乗らないよう注意する話、
    「とんがり焼の盛衰」とんがり鴉がとんがり焼の基準を判断する話、
    「図書館奇譚」羊男と図書館から脱出する話
    が好き。

  • 「ぼくもショートショートを書いてみたい」と村上春樹が書いたような短篇集でした。

    中には1973年のピンボール並にとりとめのない話もありましたが、その不思議な世界により触れてみたくなるというか、一歩踏み込みたくなる話もありました。
    「眠い」が特にそう感じました。なんなら映像化したら面白そうだな、とひとりカメラワークや構成を妄想してしまいました。

    それにしても不思議なのが、村上春樹と羊との関係。
    今回の「図書館奇譚」にも例の羊男は現れ、他の話にも「羊」「緬羊」という言葉がちらほら。村上春樹は羊にどんな思い入れがあるんでしょう。
    あとは、ミシシッピという単語のつづりの奇妙さ。Mississippi。ね?

  • 雲を掴むような不思議な読後感の短編集。
    2019.2.22

  • 何かをするにはまずおなかをいっぱいにしなくっちゃ

  • 「100%の女の子」と「鏡」はすごく良かった。特に前者は1Q84の元ネタということでなるほどなあって感じだし、なんだかとても好き。

    でもそれ以外はちょっと初期の村上春樹色が強すぎて、フフッと笑いながら読んだけどどうもなあ・・・って感じ。

    「形而上学的な足の裏」とか、自分が村上春樹さんの信者だったとしてもついていけない所も多い。

    やれやれ。笑

  • 初めて読んだ村上春樹。
    あんまりに自虐的で斜に構えて明後日の方向に開き直っている。
    しかし文章のテンポがうまい。例えば、表題作「カンガルー日和」のある一点でぐわっと寄せてくる自虐の波のパワーには笑いそうになるというか、ウッとなるというか、なんというか。

    詩だと思って読むことにする。

著者プロフィール

村上春樹(むらかみ はるき)
1949年、京都府京都市伏見区生まれ、兵庫県西宮市芦屋市育ち。早稲田大学第一文学部映画演劇科卒。大学在学中にジャズ喫茶「ピーター・キャット」を国分寺・千駄ヶ谷に開店していた(1981年、店を人に譲渡)。1979年にデビュー作の「風の歌を聴け」で群像新人文学賞を受賞。谷崎潤一郎賞、読売文学賞、朝日賞など数々の受賞歴がある。2006年にフランツ・カフカ賞、2009年にイスラエルのエルサレム賞受賞。ノーベル文学賞に最も近い作家の一人と言われており、毎年発表時期に日本国内でニュースになる。事実、村上春樹作品は全世界で翻訳されており、アメリカ・アジアでの評価がとりわけ高い。フィッツジェラルドやレイモンド・カーヴァーなどの作品の翻訳も手がけ、翻訳家としての仕事も高い評価を受ける。翻訳と創作活動を交互に行うことで、作風を変化させ、作家としての成長を続けている。新作が発表されるたび大きな話題となるが、近年は特別番組「村上RADIO」にてラジオDJも務め(不定期放映)、数々の名言も注目を集める。代表作に『風の歌を聴け』『羊をめぐる冒険』『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』『ノルウェイの森』『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』。2019年7月31日に『神の子どもたちはみな踊る』が舞台化。アメリカのサックス奏者スタン・ゲッツの伝記翻訳を2019年8月刊行。2019年9月10日発売の『文藝春秋』10月号で「至るところにある妄想 バイロイト日記」を寄稿。

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