- Amazon.co.jp ・本 (332ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061839625
感想・レビュー・書評
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室町時代の応仁元年(1467年)から約10年間にわたって継続した内乱、8代将軍足利義政の継嗣争いが発端である。室町幕府管領家の細川勝元と山名持豊の有力守護大名が争う、乱の影響で幕府や守護大名の衰退が加速化し、戦国時代に突入した(wiki参照)
本書『箱根の坂』は伊勢新九郎、後の北条早雲の物語なのである。『義経』と合わせて戦国時代前の武士が公家気分をまだ残している穏やかな雰囲気が好きだ。当時の百姓の暮らしに日本人の原風景を垣間見ることができる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
駿河に行くまでの話。少し長すぎる。
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小田原の文化に紀伊の匂いを感じ、その理由を知りたいと思い、北条早雲に面向かった。
著者の色付けがあるにせよ、早雲はいい男だ。
若い頃は京都にて将軍の執事分であり、鞍つくりの職人のような体で飄々としている。東に下ると、見た目は旅の僧さながら、抜け目のない戦略と持ち前の教養と人徳と経営力で、関東を制する下克上の祖となる。
早雲は東に下り、まず駿府に落ち着くまでは、伊勢で軍勢集め、海から陸に上がっている。その為、小田原でも紀伊の漁業文化が根付いたのだろう。
早雲は伊豆、小田原、三浦の自然と肥沃な土地を開墾させ、自らも田地に入り、近代的な経営で農民に対する租税の負担も軽減させた。また、所領を広げていったのは、単に支配欲や富を得る為ではなく、私腹を肥やす地頭や守護を倒すことが目的であった。戦に勝つ為には、城主がどうあるべきかを行動で示す。そして、情もある。
その心は、他人を傷む情、季節の移りをあわれと思う情、古くよりの家来の横顔にふと老いを見たときの悲しみ、敵の勇者を良き者と思う情。その情がなければ、敵の弱点も見えぬ。己の弱点も見えぬ。
と、書いている。 -
小田原北条家の創始者。とても興味深く読むことができました。これにより関東そして伊豆韮山、静岡と北条早雲ゆかりの地を巡ってみたいと思います。
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教科書に早雲が、「今川氏の元家臣。……。下剋上の元祖。」なんていう風に載ってるのを、最近知ってちょっとビックリ。そして感動しちゃったんだけど、まだまだ風采の上がらないこの「上巻」。
「山中の若厄介」に感情移入しちゃって、「千萱は小次郎とくっついてほしいなぁ。」と、最後まで思っちゃうんだけど……。 -
【読書前】北条早雲とか伊勢平氏のお話を読んでみたくて。北条末期は風魔サイドのを読むことにしたので、初期は早雲サイドな司馬遼作品で読むことにしました。
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司馬遼太郎、晩年の作品らしい。
確かに、勢いがない。
嵐の前の静けさだといいけどなぁとも思う。
昔、空海の風景をちょっと読み始めて断念したのを思い出した。 -
主人公は北条早雲。欲がないというか、アクがないというかさっぱりとした人物として描かれている。
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戦国時代初期の人物で”下剋上”を体現した人として「北条早雲」に惹かれ購入。きっかけは『国盗り物語』前半の主人公、「斎藤道三」が「北条早雲」を目標として”国盗り”を起こしたように描かれていたので興味を持った。
内容は少し退屈。先に『国盗り物語』を読んでおり、「斎藤道三」の強烈な人物を目の当たりにしたせいか、著者の描く「北条早雲」のキャラクターに思い入れができなかったため。しかし「北条早雲」がどのように”下剋上”を起こし、関東の覇者となるかを知るには十分といえる。
また、この作品中には自分の郷里の歴史と思えるものが描かれており、違う視点から戦国時代初期の様子がつかめるのは面白い。
著者プロフィール
司馬遼太郎の作品





