- Amazon.co.jp ・本 (311ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061841482
感想・レビュー・書評
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阿刀田 高の【風物語】を読んだ。
12の短編を収めた短編集。
阿刀田 高はどうしてこんな綺麗な文章が書けるのだろう?言葉の選び方、ストーリーの展開、技法、す
べてに洗練された大人のセンスの良さが際立つ。
短編の名手である。
けして心に竜巻を起こすような物語ではない。そよ風のような心地よさがスッと心の一部分をかすめ、揺
らす物語だ。それがとても心地よすぎるので阿刀田作品を度々読みたくなるのだろう。
阿刀田 高の描く作品に登場する人物は大人である。それはつまり、人生の深みを知っているということ
だ。好いた惚れたの甘い恋愛だけではなく、幾多の山を越えてきた大人だからこそ感じる男女の哀愁があ
る。30歳を越えて阿刀田作品に触れると「そうだよな」「わかる、わかる、その気持ち」と頷く自分が
いるのだ。
本書でも、そんな場面が次々と描かれる。切ない恋心だったり、淡い想い出だったり・・・。
カバー裏に「時は風、風は人生―さまざまな人生の哀歓を巧みに描き出す大人の寓話集」とあるが、まさ
にその通りだ。
疲れた心にそっとなびく、そよ風を・・・そんな時、手に取りたい1冊である。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
短編集。全12話。
今回もよかったぁ。じわっとくるんよね。よさが。そんでどん×2広がってく。まるで潮が満ちてくように。
お気に入りは、『三十年』、『危険な絵本』、『住みよい町』かな。
どれも、違ったスパイスがピリッと効いてて最高でした♪
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