無花果少年(ボーイ)と瓜売小僧(うりうりぼうや) (講談社文庫)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (47ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061842359

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  • シリーズ第四弾。今回は、「無花果少年」こと磯村薫と、「瓜売小僧」こと木川田源一のカップルがたどった運命が語られます。

    これまでとはちがって、登場人物の語りによって物語が進められていくのではなく、作者がみずからの考えを過剰なほどに織り込みながら二人の関係の危機をえがくという手法が採られています。「大人」になれない自分の現在の立場に満足してしまっている磯村への鋭い批評的分析がおこなわれる一方、そうした磯村を見下しながらも彼に依存してしまっている源一が陥る苦難が、ストーリーの進展とともにはっきりとさせられていきます。こうした著者の叙述には、若い二人の少年を突き放しながらも根底には彼らに対するあたたかいまなざしが存在していることをうかがうことができるように感じられました。

    個人的には、本シリーズのなかでもっともおもしろく読める内容でした。

  • は-5-5

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著者プロフィール

1948年、東京生まれ。イラストレーターを経て、77年小説『桃尻娘』を発表。『「三島由紀夫」とはなにものだったのか』で小林秀雄賞、『蝶のゆくえ』で柴田錬三郎賞を受賞。著書多数。2019年没。

「2023年 『完本 チャンバラ時代劇講座 2』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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