青い風景画 (講談社文庫)

著者 : 仁木悦子

• 講談社

感想・レビュー・書評

[馬南神空さんの感想 · 2022年3月26日]

バラエティに富んだ短編集で、筆者の作風の幅が味わえる。タフなおばさんが活躍するサスペンスや、ピアニストの青年が窮地に陥った美女を救うロマンティックサスペンス、得意の子供を主人公に据えた「光った目」も悪くないが、ベストを問われたら、やっぱり私立探偵・三影潤ものの「青い風景画」だろうか。

[mayさんの感想 · 2021年12月2日]

短編5つ。1988年に刊行されたものということで、時代を感じるけど古臭いわけではなく昭和レトロな雰囲気が良い。探偵が出るのは1話だけで、残り4話は一般市民が主役となって事件解決に一役買う話。「まぼろしの夏」と「偽りの石」が特に良かった。「まぼろしの夏」は青春小説感もあるんじゃないかな。ラストに、ふふっとなる。
「偽りの石」は事件に巻き込まれた団地にお住まいの普通の奥様が、どんどん積極的に事件解決に奮闘するのがたまらなく素敵だった。

[haruさんの感想 · 2017年3月27日]

2017年2月5日購入。

[斜芭萌葱さんの感想 · 2011年7月18日]

話自体は無理があったりとんとん拍子に進みすぎることもあったけれど、日常の中にするっと謎が解けこんでしまっているのが良かったです。

[pataさんの感想 · 2008年7月23日]

2008/7/23
仁木さんは本当にまっとうな人だ。
そうあるべき所に全部おさめる。
下手したら何の意外性もない単調な結末。
でもそう感じない。
あーよかった。って本を置けるの。

著者プロフィール

1928 - 1986。小説家。ミステリーや童話を手がけ、1957年に長編デビュー作『猫は知っていた』で江戸川乱歩賞を受賞。明快で爽やかな作風で、「日本のクリスティー」と称された。1981年には「赤い猫」で日本推理作家協会賞を受賞。無類の猫好きとして知られる。

「2023年 『不思議の国の猫たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」