放課後 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 13904
感想 : 1063
  • Amazon.co.jp ・本 (353ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061842519

作品紹介・あらすじ

校内の更衣室で生徒指導の教師が青酸中毒で死んでいた。先生を二人だけの旅行に誘う問題児、頭脳明晰の美少女・剣道部の主将、先生をナンパするアーチェリー部の主将-犯人候補は続々登場する。そして、運動会の仮装行列で第二の殺人が…。乱歩賞受賞の青春推理。

感想・レビュー・書評

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  • 単なる偏見なのだが、学園が絡むミステリはあまり好みでは無い。読まず嫌いしていたこちらの作品。
    てっきり 平穏な学園生活に降りかかるサスペンスを想像していたら、初っ端から命を狙われるお先生。ズンズン読み進める事になる。

    動機に大きく納得。〇って凶器になるんだなぁ。
    そして「捨て石トリック」。
    繊細なトランプタワーを完成の途端にぶち壊す芸術家しかり、なんと大胆な破天荒ぶり。その流石の発想力に私のお口はあんぐりだった。

    最後にずっとスタンバっていた爆弾が盛大に破裂する、もうこの全てを無駄にしないトリックと伏線に
    面白いを超えて「凄い...」と脱帽しっぱなしだ。

  • 作者のデビュー作らしいけどのちに大家になるのも納得のテンポと張り巡らされた伏線と読み手予想の躱し方等、まだ20代後半の東野作品♪
    今から36年前の学園青春ミステリーだけど色褪せること無しに楽しませてもらいました。デビュー作が江戸川乱歩賞って流石ですね。巻末の黒川さんの解説も興味深い。

  • 東野圭吾さんの作品は、いつ読んでも引き込まれる。ページを捲る手が止まりませんでした。「放課後」は、東野圭吾さんのデビュー作であり、広く認知されるようになった最初の作品でして、デビュー作でここまで読者を自分の世界観に引き込ませることができるのかと、感嘆しました。第31回江戸川乱歩賞受賞作。

  • 当たり前だけど、最初から
    この人は
    「東野圭吾」なんだなって思った。

    それぐらい良い出来だった。

    フーもホワイもハウもしっかり入って、
    楽しめました!

    女子校の先生は大変そうですね。笑

  • 東野圭吾さんのデビュー作。
    私が高校生の頃、初めて手にした東野圭吾作品でもある。

    その頃は、どんな感想を抱いたんだろう。

    主人公である前島は誰かに命を狙われていた。
    そして、学校で密室殺人が起き、更に前島を狙ったと思わしき殺人事件までも起きてしまう。

    高原陽子、杉田恵子などの女性陣が際立つストーリーになっていて、刑事である大谷と前島との会話の中に「女子高生が人を憎むというのはどういう時ですかね」という問いが出てくる。

    この問いの答えが、物語の要になってくる。

    大人が大人を憎む理由。
    子供が子供を憎む理由。
    そして、子供が大人を憎む理由。

    前島は…どうなってしまうんだろう。
    長い放課後は、ちゃんと終わるんだろうか。

  • 著者のデビュー作と知って読んでみた。

    思いもかけないトリックと、複雑に絡み合った真相、臨場感あふれる女子高校生の心情・風景描写は当初からさすがという感じ。自分が生まれる前の作品だとは思えないほど、古さを感じる部分が全然なかった。

    ただ動機の部分が「えっ…?」と、そちらも意外でなんとなく腑に落ちないまま終わった。女子高生だからってそんなことあるかなぁ…と。まぁ本当のところの気持ちは本人しかわからないな。

  •  私(前島)は、私立精華女子高等学校で数学教師を始め五年目になり、そしてアーチェリー部の顧問をしている。
     「最近一つだけはっきりわかったことがある。私の周りに私を殺そうとする人間が存在するということだ」
     しかし前島は、運がいいのか悪いのか、数度の殺人事件の難から免れている。
     その学校で殺人事件が起こったのだ。
     職員更衣室での密室殺人、勿論被害者には自殺する動機が見当たらない、自殺するにしてもこんな場所を選んだ理由が分からない。たとえ自殺したとしても密室にする必要がないことを理由に他殺説が有力だ。この事件が解決しないまま、体育祭での演し物のサプライズで登場人物が入れ替わるという機転を利かせたが、恐ろしい結果が控えていた。公開の場で他の先生が知らずに飲んだ水に青酸ソーダが混入されていたのだ。
     ここまでの物語は、本書の二百頁ぐらいを消化した。残りの頁数を思うとまだまだ興味深い伏線が予想される。読了した後、○○の殺人の動機が甘いのではないか!たったそれだけの理由で殺人を犯すものなのか?
     巻末の解説は、作家の黒川博行氏が、明解な答えを書いています。
     黒川氏は、本文中の「先生、○○○○が人を憎むというのはどういう時ですかね」の問いに対して、答えた短い会話が鍵になっていると指摘している。
     もし既読の方で、未だに疑問が残っている方がいらっしゃるなら再読が必要かも!
     僕は、あまり学園青春ミステリ小説は好きではありません。でも本作は例外ですが、何か! 江戸川乱歩賞受賞作 
    実におもしろい!

  • 東野圭吾さんのデビュー作!!
    いや、デビューでもぅ「東野圭吾」じゃんー笑

    女子高の男性数学教員が主人公。
    彼は、なぜか線路に突き落とされそうになったり、
    鉢植えが上から落ちてきたりと、狙われてしまう。
    そんな中、生徒指導部の教員が密室の中、殺されてしまう。

    謎が解明されていない中、体育祭で仮装した体育教員が
    毒殺で殺されてしまう。
    犯人はいったい誰なのか?

    もちろん、時代が昔なので、ちょいちょい古いなーと
    感じる所はあります。
    (校長が校内で喫煙してたり、体操服がブルマーとか。)
    でも、女子高生の雰囲気は今も昔も変わらないんだなーって
    思ってしまったよー。
    そんな所を上手に表現してるなぁーって思ったよ。

    殺人の動機は、ちょっと無理やりな感じがしたなー。
    でも、最後の終わり方はビックリだった。
    含みを持たせた終わ方だったよー!!

  • 3.9

    途中に伏線もはられていたので何かあるな、とは思っていましたが、主人公のラストに驚きました。
    面白かったです。

  • 流石はかの東野圭吾のデビュー作です。

    散りばめられた伏線を最後に全部回収するのがとても気持ちがいい。

    思春期の女子高生の気持ち。、、、難しい。笑

    文章にどこか新米小説家感があって東野圭吾らしからぬ所が新鮮でした。

    1ページ読んだら止まりません。笑

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著者プロフィール

1958年、大阪府生まれ。大阪府立大学電気工学科卒業後、生産技術エンジニアとして会社勤めの傍ら、ミステリーを執筆。1985年『放課後』(講談社文庫)で第31回江戸川乱歩賞を受賞、専業作家に。1999年『秘密』(文春文庫)で第52回日本推理作家協会賞、2006年『容疑者χの献身』(文春文庫)で第134回直木賞、第6回本格ミステリ大賞、2012年『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(角川書店)で第7回中央公論文芸賞、2013年『夢幻花』(PHP研究所)で第26回柴田錬三郎賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞を受賞。

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