会社蘇生 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061843165

感想・レビュー・書評

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  • 2017年5月
    企業の倒産と立て直しの話。管財人という珍しい立場からの視点が独特で面白い。

  • 本書は弁護士である主人公の宮野英一郎が、
    経営破たんに陥った小沢商会を
    保全管理人として立て直していくプロセスを描いた経済小説である。

    冒頭で宮野が保全管理人に任命された後は、
    スポンサーの獲得を中心に話は進む。

    全体的に話はとんとん拍子に進み、
    宮野が交渉力・粘り強さ・運に恵まれていることが伺える。

    「倒産」という言葉からイメージしがちな
    リストラや金融機関との交渉などについては
    さほど触れられていなかったのが個人的には残念だった。


    解説にもあるが読んでいて感じたのは
    実績のあるワンマン経営者(上司)の行動を抑制するのは難しいということと、
    そんなことを偉そうに考える立場は自分には全くないということだw
    (まずは自身の実績を作らねば何も言いようがない…)


    この物語は1980年代に経営破たんに陥った大沢商会をモデルにしているそうだ。
    しかし、そんな時代も大沢商会も知るはずのない若輩の私にとって、
    本書は残念ながら心に残る本にはなりそうになかった。

  •  本書は、会社更生法を申請して倒産した商社を、保全管理人として「蘇生」させるべく奔走する熱血弁護士を描いた経済小説である。
     会社更生法の申請、保全管理人の選任、債権者との交渉、裁判所の更生開始決定など、一般には知られていない内幕をリアルに描いている。
     高杉良の小説に登場する主人公は、次々と困難に遭遇するが、不満をこぼすこともなく、前向きさ、明るさで乗り切っていく。読後にさわやかさを感じることが共通している。

  • 破産管財人が本当に会社を蘇生できるのか

  • 老舗の大規模商社が会社更生の申立をした後、保全管理人に選任された弁護士が更生計画案認可まで奔走する様を描いたリーガルフィクション。
    20年以上前の作品(会社更生法全面改正前)だが、全く古くさくなく、取引先やスポンサー候補との交渉、社員のモチベーションの維持、マスコミ対策などがリアルに描かれている。
    最も緊張感があるであろう金融機関との交渉 シーンがなかったのが残念。

  • 本作品は、故・三宅省三弁護士が保全管理人・更生管財人となって再建に尽力した大沢商会の更生事件(1982年〜)をモデルに描かれた小説。
    主人公宮野(三宅)弁護士が、小川商会(大沢商会)の保全管理人になるように裁判所から委嘱を受ける前日、
    「弁護士の仕事で、なにがいちばんやり甲斐があるんでしょうか」と若手弁護士に質問されたのに対して、
    「そりゃあ、更生会社の保全管理人をやることですよ」と、間髪を入れずに答える場面から始まる。
    実際の事件をベースに描かれた作品であり、主要な登場人物はすべて実在のモデルがある。

  • 返ってきて2割ってひどいよね。

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著者プロフィール

1939年東京生まれ。専門誌記者や編集長を務める傍ら小説を書き、75年『虚構の城』でデビュー。83年、退職し作家に専念。緻密な取材に基づく企業・経済小説の問題作を次々に発表する。代表作は『小説日本興業銀行』『小説ザ・外資』の他『金融腐蝕列島』シリーズ全5部作など。

「2023年 『転職』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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