回転木馬のデッド・ヒート (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 973
レビュー : 81
  • Amazon.co.jp ・本 (194ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061843196

感想・レビュー・書評

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  • 2002/09/18

    また村上春樹の本の話になっちゃったけど、これも短い文章を集めたものです。村上氏の前書きによると、小説でもなくノンフィクションでもなく、「人から聞いた話」を文章型の「スケッチ」として書き留めたものを集めて文庫本型の「スケッチ・ブック」として出版した様です。「本当にこれ、実際あった話なのかなぁ」と思わず怪しんでしまうところもありますが、「本当に誰かから聞いた話」ということを信じて読むと関心してしまいます。実際に聞いた話を上手く文章に直すのって、かなり難しいことですよ。やってみるとよく分かるけど。村上氏の本って大抵内容よりも「表現法」等の「文章を書く上手さ」がミソだと私は思ってるんですけど、これもまた彼の「文章を書く上手さ」のショーケースですね。

    「本当に誰かから聞いた話」という事実(設定?)があるので、『夢で会いましょう』とはまた違う感じです。「本当にこんなことあったんだろうか」「それにしても上手く書き留めてるなぁ」とか思いながら、ちょっと不思議な気持ちで読みました。でも「まろやかな面白味」という共通点はあります。基本的に村上春樹の本ではそういうのが多いのかな。それほどトゲがなくて、どことなく落ち着いた感じがする。でもそれは私が読んだだけの範囲で言えることであって、彼の文章について全般的に言えることかどうかは知りません。

  • 村上さんが出会った人から聞いた話をまとめたもの。

    セックスが関連する話が多くてちょっと気が滅入りました。
    前読んだ時はそんなことなかった気がしたのに。

    ちょっと不思議というか変わった話なんだけど、「レーダーホーゼン」とかなんとなく分かる気がする話もありました。
    レーダーホーゼンだからじゃないんだけど、なぜかレーダーホーゼンを買う時に夫や今までの生活が全て嫌になってしまったことにハタと気付く感じがなんとなく共感出来ました。
    そう気付くともう元の感覚には戻れない感じとかが思い出されて、この話が一番印象に残りました。

  • 事実を基にした短編が8本入ってる
    つかみどころのない話や感情を上手く形にしている
    読みやすくて黙々と作業読んでしまった

  • 2017年01月24日読了。

  • 2016/07/24 読了

  • 「はじめに」で先制パンチ的に純な小説でなく、事実に基づくなんて言ってるが、実のところは闇の中?若しかしてシンプルに作家の言葉を信じれば良いのかもしれんが、それには歳を取りすぎたかな?当方は。
    まぁ確かに練られた風もなく、偶然の契機で世に現れた感じ。でも確かに村上春樹の手になるものという気はするところ、当たり前だがプロの仕事かな。
    個人的には『野球場』が好きかな。野球好きとは無関係に何だか普通の人間の壊れる様を見せられているようで。他作品もまぁいけると思います。

  • 現代の奇妙な空間――都会。そこで暮らす人々の人生をたとえるなら、それらはメリー・ゴーラウンド。人はメリー・ゴーラウンドに乗って、日々デッド・ヒートを繰りひろげる。人生に疲れた人、何かに立ち向かっている人……、さまざまな人間群像を描いたスケッチ・ブックの中に、あなたに似た人はいませんか。

  • 高校時代の同級生と飲んだ時に、読み返すと面白かったと薦められたので本棚から取り出して、おそらく20数年ぶりの再読。
    作者も登場人物も30代で、読み返している僕が一気にその年齢を越えてしまったことに躊躇う。村上春樹は高田馬場のジャズ喫茶で『羊をめぐる冒険』を読み耽った20代の僕が向かい合う小説家なのだ。もうじき50になる物語の主人公にも脇役にもなれそうにない冴えない男が辛うじて80年代の風俗に懐かしさを感じながら、ページを捲るべき本ではないのかもしれない。
    この中の『雨やどり』から引用すれば、自然発火のごとくセックスが生じなくなってしまった中年男ということになる。その点では、元編集者を買う中年男という脇役にはなれるのだろうか。いや、財布の中身が心許ないので、それさえも叶わないのだろう。

  • 昔一度読んで、内容を忘れたのでもう一度読み返した。ムラカミさんが観察者のように登場するのが、新鮮だった。全然古さを感じさせない、面白い話ばかり。

  • 好き

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著者プロフィール

村上春樹(むらかみ はるき)
1949年、京都府京都市伏見区生まれ、兵庫県西宮市芦屋市育ち。早稲田大学第一文学部映画演劇科卒。大学在学中にジャズ喫茶「ピーター・キャット」を国分寺・千駄ヶ谷に開店していた(1981年、店を人に譲渡)。1979年にデビュー作の「風の歌を聴け」で群像新人文学賞を受賞。谷崎潤一郎賞、読売文学賞、朝日賞など数々の受賞歴がある。2006年にフランツ・カフカ賞、2009年にイスラエルのエルサレム賞受賞。ノーベル文学賞に最も近い作家の一人と言われており、毎年発表時期に日本国内でニュースになる。事実、村上春樹作品は全世界で翻訳されており、アメリカ・アジアでの評価がとりわけ高い。フィッツジェラルドやレイモンド・カーヴァーなどの作品の翻訳も手がけ、翻訳家としての仕事も高い評価を受ける。翻訳と創作活動を交互に行うことで、作風を変化させ、作家としての成長を続けている。新作が発表されるたび大きな話題となるが、近年は特別番組「村上RADIO」にてラジオDJも務め(不定期放映)、数々の名言も注目を集める。代表作に『風の歌を聴け』『羊をめぐる冒険』『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』『ノルウェイの森』『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』。2019年7月31日に『神の子どもたちはみな踊る』が舞台化。2019年8月7日発売の『文学界』でロングインタビュー「暗闇の中のランタンのように」掲載。アメリカのサックス奏者スタン・ゲッツの伝記翻訳を2019年8月末に刊行予定。

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