EV.Cafe 超進化論 (講談社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (396ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061843592

作品紹介・あらすじ

今、ひとつの時代が終わろうとしていることを実感する2人の"龍"。が、その実像が不鮮明なのはなぜか。そこで、この疑問を気になる6人の論客(吉本隆明、河合雅雄、浅田彰、柄谷行人、蓮実重彦、山口昌男)にぶつけてみた。現代思想の核心に迫る磁場・サロン「進化のカフェ」で白熱鼎談の幕がおとされた。

感想・レビュー・書評

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  • 村上龍がイケイケで、遊び歩いていたころの対談集。村上龍・坂本龍一+ゲスト、という鼎談。時代もあってか、かなり言いたい放題で、特に龍は男根主義的でマッチョな感じ。龍一はいまと変わらずクール。いまは声が小さすぎて、ピアノでしかコミュニケーションが取れないが、声が聞き取れたころの対談集。

  • 初出は1985年なので、今ならポリコレ的にアウトな発言も数多い。登場人物や話題の対象も現在からすれば古臭い。ただ当時の時代の雰囲気とか勢いのようなものをその文体から感じ取ることができる。
    その中でも村上龍氏の変わらなさは、際立っていてある意味清々しいように思う。

  • 浅田彰、柄谷行人の部分のみ、何年ぶりかの再読。/根拠や一貫性をとことん追求する。絶対的に突き詰めていくっていうことが、極限において、根拠だの一貫性だのがもはやなりたたないような底抜けの状況につながらざるを得ないというパラドックスを問題にしているわけで、それ以前のところでフワフワしてもらったんじゃ話にならない(浅田)//メタリックな金属音みたいなものに対する興味(略)それが入ってくると共同体と自然の間にざっくりと傷口があいちゃうし、また武器であり貨幣である(浅田)といったあたりが興味深く。柄谷対談は、神秘主義の取り扱われ方が、今とは若干違って思われ。また、基地のある都市産まれ・育ちで過剰にアメリカにやられてる田舎者と感じてた村上龍が、それは村上龍個人の個性に帰せられるのではと指摘されたり、何度も坂本龍一をきみは都会人だからとあたってみたり。村上龍が気に入らない褒められ方した時に村上春樹に相談してたり、坂本龍一の「コマーシャリズムをからませる村上春樹 神秘主義をよけて通ってね」という見方などが目にとまり。

  • 村上龍と坂本龍一の対談、とてもおもしろい

  • 啓蒙書。スキルを身に着け、日本社会の狭いルールに埋没するな、というメッセージだった。「細野、中沢」の「観光」と同時に読むと時代背景が理解できる。

  • ずーっと前に早稲田古本市で買った、懐かしい本。
    でも、もうちょっと悶々としてる時でないと根気よく読み切ることができないかも。。っていつもそんな言い訳してるようだけど。(笑)

    この本で,様々な分野の人たちを招いた鼎談のなかで展開されている議論は創作活動をする人にとってあまり生産的ではないのかもしれないが(創造のヒントとなるというよりはむしろ分析的なので),ただ,最近になって思ったけれど,70年代にポストモダンを提唱し始めたのが日本の(特に建築界?)だったということの特異性について,ちょっと最近興味が出てきたので,その意味でいま一度読んでみたいと思っている。

  • 文庫化が1988年。
    今は大御所の二人だが、1980年代に発していたパワーは今も衰えていない。読んでいると二人が常に最前線でいられる理由もわかる。常に時代を先取りできるのも、様々な分野への関心のアンテナの感度が高いからだ。

  • P.18 坂本龍一(当時31歳)談 …。だって僕がつくった音楽の中で一番演歌的なものっていうのは「戦メリ」だもんね。僕はそれがウケることがとても恥ずかしい。…

  • 70-80年代における(ニューアカ的な)雰囲気を感じさせる本。
    対談者の本を読んでいるとなお楽しいはず。
    読んでいないと、きっと読みたくなるはず。

  • 頭のクールダウンにぴったりだった。

    2002年7月14日読了

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著者プロフィール

一九五二年、長崎県佐世保市生まれ。 武蔵野美術大学中退。大学在学中の七六年に「限りなく透明に近いブルー」で群像新人文学賞、芥川賞を受賞。八一年に『コインロッカー・ベイビーズ』で野間文芸新人賞、九八年に『イン ザ・ミソスープ』で読売文学賞、二〇〇〇年に『共生虫』で谷崎潤一郎賞、〇五年に『半島を出よ』で野間文芸賞、毎日出版文化賞を受賞。経済トーク番組「カンブリア宮殿」(テレビ東京)のインタビュアーもつとめる。

「2020年 『すべての男は消耗品である。 最終巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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