土佐日記 (講談社文庫)

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レビュー : 2
  • Amazon.co.jp ・本 (143ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061844117

感想・レビュー・書評

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  • (2013.03.29読了)(2005.02.26購入)
    【日本の古典】
    935年頃、紀貫之によって、初めてかな書きで記された紀行文、とのことです。日付と地名以外はほとんど仮名で書かれていたということです。
    紀貫之を辞書で調べると以下の通り、生没年は不明です。

    【紀貫之】きのつらゆき
    (866?-945?) 平安前期の歌人・歌学者。三十六歌仙の一人。御書所預・土佐守・木工権頭。官位・官職に関しては不遇であったが、歌は当代の第一人者で、歌風は理知的。古今和歌集の撰者の一人。その「仮名序」は彼の歌論として著名。著「土左日記」「新撰和歌集」「大堰川(おおいがわ)行幸和歌序」、家集「貫之集」
    [ 大辞林 提供:三省堂 ]

    古今和歌集の撰者の一人です。古今和歌集は、905年に勅令が出て913年頃の成立ということですので、その頃紀貫之は、三十代から四十代ではなかったろうか、とのことです。
    文章を、かな交じりの和文で記述するするのは、『土佐日記』が初めてということですので、我々が書いている文章の先駆は、紀貫之ということになります。仮名文字のもとになっている漢字は、後に一般化するものとは必ずしも一緒ではなかったので、藤原定家(1162~1241)でも、紀貫之の文字を読み取るのに難儀した、ということが解説に書いてありました。
    本の内容は、任地土佐(高知)での役割が終了して、家族や郎党とともに、京都まで船で帰る様子を日記の形で記した紀行文です。書かれた時期は、935年頃とのことです。
    在原業平の有名な歌
     世の中に絶えて桜の咲かざらば
      春の心はのどけからまし
    が引用されていますので、紀貫之は、在原業平より後の人ということですね。
    上記の歌は伊勢物語の
     世の中に絶えて桜のなかりせば
      春の心はのどけからまし
    と微妙に違いますね。伊勢物語のものの方が、なじみですけど。
    紀貫之の一行は、12月21日に門出して、高知から室戸岬を回り、鳴門までは四国沿岸をたどり、その後淡路島の南を通って和歌山渡り、そのまま沿岸沿いに淀川河口まで進み、淀川を遡って山崎からは、車で京へとたどり着きます。その間55日です。
    書いてある内容は、あまり楽しめるものではないのですが、当時の船旅の様子がわかります。随所に短歌が挟み込まれていますので、それが、面白いと言えば、面白いと言えるかもしれません。
    現代語訳部分で40頁ほどですので、気軽に取り組めると思います。

    【目次】

    凡例
    土佐日記(付 脚注)
    補注
    紀貫之自筆本「土佐日記」における定家と為家父子
    為家本と定家本の本分校異
    現代語訳
    解説
    「土佐日記地理辨」所載の土佐国の今昔図
    帰京旅程図
    和歌初句索引
    本文語彙索引

    ●例のことども(26頁)
    皆夜明けて、手洗ひ、例のことどもして、昼になりぬ。
    (脚注)毎朝すること。髪ゆい、沐浴、神仏の礼拝、食事など。
    ●亡き子(83頁)
     あるものと忘れつゝなほ亡き人を
      いづらととふぞ悲しかりける
    (まだ生きているものと、死んだことを忘れては、どこにいるのかしらと探し求めてしまうのは、悲しいことです)
    ●子を恋うる(92頁)
     世の中に思ひやれども子を恋ふる
      思ひにまさる思ひなきかな
    (世の中のつらさを様々思いめぐらしてみますが、亡くした子を恋したう親の切なさにまさる思いはありませんよ)
    ●山さえ行く(100頁)
     漕ぎて行く船にて見ればあしびきの
      山さへ行くを松は知らずや
    (漕いで行く船に乗ってみていると、山も一緒に動いて行くのを、生えている松は気が付かないのでしょうか)
    ●動機(125頁)
    貫之が土佐日記を著作した動機は、都で生まれて間もない幼愛児の女の子を土佐から離れる前に失って、その深い悲嘆の心情をば、帰国の紀行文に託して自ら慰めようとしたのであると思う。

    ☆関連図書(既読)
    「竹取物語・伊勢物語」田辺聖子著、集英社文庫、1987.07.25
    (2013年3月29日・記)
    (「BOOK」データベースより)
    1986年重文指定の「為家自筆本」を底本にした、最も新しい「土佐日記」。男もすなる日記という物を、女もしてみんとてするなり…紀貫之、土佐守を解かれ京へ帰る船旅の模様を、女の筆に仮託し和歌と仮名で綴った日記。階謔性にとむ文体と劇的構成で仮名文学の先駆的作品。定家自筆本との校異を付した決定版。

  •  
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/4061844113
    ── 紀 貫之/川瀬 一馬・訳《土佐日記 19890415 講談社文庫》
     

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