卒業 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (371ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061844407

感想・レビュー・書評

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  • 男3人、女4人の大学生グループ、うちカップルが2組。
    微妙な関係の沙都子と加賀。
    大学卒業を控えたある朝、沙都子はグループの仲間である祥子が閉ざされたアパートの自室で死んでいるのを発見する。
    当初自殺と思われたが、いくつかの不自然な点があり、加賀と沙都子は祥子の死の真相を調べ出す。祥子の死は自殺なのか他殺なのか、自殺とすればなぜなのか、他殺とすれば誰が犯人なのか…
    そんな中、恩師の家で開催された茶会において、もう一つの事件が起こる。

    東野さんのだいぶ初期の作品で、最近の作風とはだいぶ違う感じがした。
    ミステリー色の濃いミステリー。色んな人たちの思惑がからみあって、混線した事件になっているのが、最後どんどん解きほぐされていく。
    加賀恭一郎シリーズの第一作目でもある。まだ大学生で、剣道で学生一となる加賀さんは、無口でクール、そしてストイック。
    私はまだあまり読めてないけど、加賀さんファンの人は読んでみて損はないと思う。

    彼らの大学生活は、私が大学生の時とは全然違っていて、時代を感じた。
    でも何かどこかで知っている…と思ったのは、おそらくこの作品の若者たちの空気感や雰囲気が昔のトレンディドラマのそれに似ているからだと思う。
    ただ、彼らはバブルで弾けている印象はあまりなく、茶道や剣道、結婚への強い憧れを示す女の子たちなど、だいぶ古風な印象を受けるのだけれど。
    ひとりひとりは明るい未来を夢みた普通の若者たちなのに、どこで歯車がずれていったのだろう。
    大学生活という楽しい時間を共有したはずの7人、卒業後も時々会って旧交を温めるはずだった7人が、友を裏切り、互いに疑い、さらに死にも至らしめる…。
    友人というのは、結局どれだけの時間を過ごしても、全部をわかりあうことはできない、自分の都合や気持ちを優先してしまうのだなぁと、読後は切なくさびしい気持ちになった。

  • 【感想】
    大好きな加賀恭一郎シリーズの第1作。
    このシリーズをこんなにも大好きなのに、未だ読んだことがないとは如何なものか??と思い、早速読んだ。

    うん・・・
    作中の「雪月花」の作法が難しすぎて、正直ほとんど読み飛ばした。
    そうこうしていながら読み飛ばしている最中に、第二の殺人が起きて、、、
    もはやこの小説トリックに関しては諦め、動機に着目しよう!!と読んでいて思った。笑

    タイトルの「卒業」は、単純に学生からの卒業だけではなく、登場人物7人それぞれの、色んな意味での「卒業」という意味も兼ねているのかな。
    登場人物のそれぞれの結末は少し後味が悪く、また加賀恭一郎が何故教師ではなく警察になったのかは分からずじまいだった。

    最後に、、、
    この本が発売されたのは1986年なんですねー。
    そういった古臭さは全く感じず、新鮮に読めた。
    宮部みゆきの「レベル7」然り、名作は何十年たても決して色あせないんだな。


    【あらすじ】
    7人の大学4年生が秋を迎え、就職、恋愛に忙しい季節。
    ある日、祥子が自室で死んだ。
    部屋は密室、自殺か、他殺か?
    心やさしき大学生名探偵・加賀恭一郎は、祥子が残した日記を手掛りに死の謎を追求する。
    しかし、第2の事件はさらに異常なものだった。
    茶道の作法の中に秘められた殺人ゲームの真相は!?


    【引用】
    p39
    「もし祥子に何か悩みがあって、それを君や波香が知っていたとしたら、彼女は自殺などしなかったと思う。悩みというのは、人に知ってもらうことによって低減するという性質を持っているからな。」

    「話せるということは、心にどこか余裕がある証拠でね、真の悩みというものは人には話せないものさ。この場合は友情も無力だ。」


    p191
    冷静なんだ、と沙都子は加賀の話を聞いていた。
    「疑う?」と訊いた時、とにかく激しく否定する加賀を彼女は期待した。
    だが彼はそうしない。いつだって理詰めだ。だから迷わない。
    そして最後の補足が彼の思いやりだ。

    「果たして俺たちは、他の者のことをどれだけ知っているんだろう?」
    「本当は何も知らないんじゃないか?」

  • 人気シリーズだと聞き、まずは1巻目から。
    大学卒業を目前とした7人の大学生たち。
    何だか老熟した印象を持つ。
    その中の一人が自殺で亡くなっており、自殺か他殺かで話が進みます。
    かなり時代掛かっている話し言葉に少しトリハダ。
    1986年に刊行されたということなので、時代を感じるのは当たり前かぁ。
    密室という私の苦手分野が出てくる訳ですが、意外にもすんなりと読めました。
    苦手だ苦手だと言いつつも、何だかんだで読んでしまう東野圭吾作品。
    30年以上も続いているシリーズだということに少しビックリ。

  • 帰国中に公開された「祈りの幕が下りる時」を見て、加賀恭一郎シリーズを読み返しています。こちらでは2月に卒業式。長女の卒業・入学準備、加えて旧正月、オリンピックとなかなか読書に集中できていません(汗

  • かなり珍しいと思うのですが!茶道のトリックなんて!
    難しかったけど、斬新だなと思いました。

    しかし、皆さん本当に大学生?すごく大人っぽいなーと…。
    自分が馬鹿なだけですけどね。

    加賀恭一郎さんは絶対男前ですよね。面白かったです。

    最後のシーンはなんか切なかった。

  • 加賀刑事シリーズをいくつか読んだことがあったけど、登場人物がうまく整理できていないので、シリーズを最初から読んでみたいと思って、シリーズ全てを大人買い。
    自分の中では「麒麟の翼」が最も印象に残っているけど、大学生の頃に加賀さんも新鮮だった。
    ただ、雪月花式の流れが、自分の中では想像し難かった。。。私は、茶道が全然分からないので、ダメだったけど、このイメージが上手にできる方は、すごく面白いのかな。。。と思った。
    自分も平成初期に学生時代を過ごしたので、どこか懐かしい感じもしながら、頁を読み進めた。ただ、自分が仲の良いと思っていた友人のなかで、こんな事件が起こったら、やりきれないだろうな。。。

  • 内容紹介

    7人の大学4年生が秋を迎え、就職、恋愛に忙しい季節。ある日、祥子が自室で死んだ。部屋は密室、自殺か、他殺か?
    心やさしき大学生名探偵・加賀恭一郎は、祥子が残した日記を手掛りに死の謎を追求する。しかし、第2の事件はさらに異常なものだった。茶道の作法の中に秘められた殺人ゲームの真相は!?


    高校1年生の時に読んではやウン十年が経過し、内容をさっぱり覚えていなかったので新鮮な気持ちで読むことが出来ました。忘れるって素晴らしいですね、何度も楽しめるのだから。
    初々しい加賀恭一郎と東野圭吾両方読むことが出来て楽しかったです。人間ドラマよりも推理の重きを置いた本格推理小説なので、後年のぐいっと心を抉るようなものは無いのですが、ここから加賀恭一郎物語が始まったのだと思うと胸アツです。僕の記憶ではこの後の「眠りの森」が東野圭吾の人間ドラマの部分が開花したようなイメージなのですがそれも読んだのは高校時分なので今読んだらどう思うか非常に興味深いです。

  • 加賀恭一郎シリーズの第一弾「卒業」を読んだ。卒業を控えた大学四年生の秋、一人の女子大生が死ぬ。親友の沙都子は残された日記を手に加賀と一緒に真相を探っていく。自殺か他殺か。友人みんなが疑心暗鬼に陥る中、第二の事件が起こる。。剣道と茶道を軸にした青春ミステリーともいえる作品。冷静に分析していく加賀の性格が印象的で本格的な推理に驚いた。これからの加賀恭一郎シリーズ、どんな事件が待っているのか非常に楽しみ。早く続編を読みたい。

  • 1日で一気に読みきりました。
    驚くことが多すぎて、最終的にはなんだか悲しくなりました。
    友達ってこんなもんなのかなあと考えさせられました。

    これからシリーズをどんどん読んでいきたいと思います!

  • 親友の死。
    親友とは何か。
    親友の為に。
    .
    茶道の雪月花之式の説明部分が少しややこしかったけど、
    そこはサラッと読んだ。笑
    それでもちゃんと楽しめる内容だった。
    .
    親友って、友だちって、そういうものだよね。
    どんなに親しくても、
    親友や友だち、恋人、家族…
    人と人にはそれぞれの距離感ってあるものだよね。
    .
    加賀恭一郎シリーズ、
    思ってたより読みやすくて面白かったから
    これはできれば順番に読みたい☺︎

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著者プロフィール

東野圭吾(ひがしの けいご)
1958年大阪市生野区生まれ。大阪府立大学工学部電気工学科卒。大学在学中はアーチェリー部主将を務める。1981年に日本電装株式会社(現デンソー)にエンジニアとして入社し、勤務の傍ら推理小説を執筆する。1985年『放課後』で第31回江戸川乱歩賞を受賞し、小説家としてのキャリアをスタート。2006年『容疑者Xの献身』で第134回直木三十五賞を受賞。2013年『夢幻花』では第26回柴田錬三郎賞を受賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞受賞。現在、直木三十五賞選考委員を務めている。代表作としてガリレオ・新参者シリーズに加え、映画化された『手紙』『ラプラスの魔女』。ほかにもテレビドラマ・映画化された作品が多い。2018-19年の作品では、『人魚の眠る家』、『マスカレード・ホテル』、『ダイイング・アイ』、そして今後の映画化作として玉森裕太、吉岡里帆、染谷将太らの共演作『パラレルワールド・ラブストーリー』(2019年5月31日映画公開)がある。なお、中国で『ナミヤ雑貨店の奇蹟-再生-』が舞台化・映画化され、映画はジャッキー・チェンが西田敏行と同じ雑貨店店主役で出演する。2019年7月5日、「令和」初の最新書き下ろし長編ミステリー『希望の糸』を刊行。

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