蕎麦ときしめん (講談社文庫)

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  • 講談社 (1989年10月6日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (228ページ) / ISBN・EAN: 9784061845428

作品紹介・あらすじ

読者はパスティーシュという言葉を知っているか?これはフランス語で模倣作品という意味である。じつは作者清水義範はこの言葉を知らなかった。知らずにパスティーシュしてしまったのだ。鬼才野坂昭如をして「とんでもない小説」と言わしめた、とんでもないパスティーシュの作品の数々、じっくりとお楽しみを。(講談社文庫)


読者はパスティーシュという言葉を知っているか?これはフランス語で模倣作品という意味である。じつは作者清水義範はこの言葉を知らなかった。知らずにパスティーシュしてしまったのだ。鬼才野坂昭如をして「とんでもない小説」と言わしめた、とんでもないパスティーシュの作品の数々、じっくりとお楽しみを。

みんなの感想まとめ

独特のパスティーシュスタイルで描かれる短篇集は、名古屋を舞台にした作品が多く、地域の文化や言語を巧みに表現しています。特に表題作『蕎麦ときしめん』は、名古屋の特徴を皮肉を交えて描写し、地元の読者には共...

感想・レビュー・書評

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  • また新しい年がやつてまゐりました。おめでたうございます。
    ところで大晦日には、珍しく酒を随分と飲んでしまひ、知らぬ間に寝てしまつたのであります。
    家人も起してくれればいいのに、放置されてそのまま年を越すといふ間抜けな事態に陥つたのでした。
    食べる予定の蕎麦もそのまま。これを元日に食べるのは切ないものです。ようするに年越しに失敗した男がここにゐるといふ訳。

    ついでに言ふと、初夢も気持ち悪いものでした。即ち。
    近所の幹線国道を歩いてゐますと、猫の死骸が路上に。車に轢かれたばかりと思はれます。ひよつとしたら息があるかも知れません。しかしあの場所は危険だ。
    と思ふ間もなく、高速で突つ込んで来る車。「ぶちゆ」と音をたてて、一瞬で猫はぺちやんこになりました。
    あはてて目を逸らしましたが、手遅れでした。「ああ嫌なものを見た」と慨嘆してゐたら目が覚めました。うむ。

    そこで正月に相応しい清水義範氏の作品を引つ張り出す。
    表題作『蕎麦ときしめん』は名古屋論のパスティーシュと言はれてゐます。東海三県(愛知・岐阜・三重の三県のこと。静岡は含まれない)の人以外には少しハアドルが高いかもしれません。この内容を真に受ける人が出る心配がありますな。一応、鈴木雄一郎なる東京人が書いた名古屋論を清水氏が紹介する、といふ体裁です。

    ほかに五篇の短篇が収録されてゐます。中でも『序文』はわたくし好みであります。序文をつなげて小説にしてしまふとは、力業ですね。最後のオチは笑へますが、吉原源三郎氏には同情を禁じえないのであります。
    そして、『蕎麦ときしめん』の完結篇(?)、『きしめんの逆襲』では、やうやく探し当てた鈴木雄一郎氏と対面がかなひます。その鈴木氏とは...

    とまあ、嫌なことも忘れて、晴れ晴れとする読後の一冊です。名古屋人以外でも愉しめるでせう。たぶん。

    http://genjigawa.blog.fc2.com/blog-entry-74.html

  • 作風・内容ともおもしろい。

    論文風などの作風(パスティーシュ)に関しては、
    あとがきにある「高名な作家」がわかれば尚楽しめそう。

    内容については、表題作『蕎麦ときしめん』が名古屋の特徴を皮肉ってていい。
    自分も名古屋周辺民だから伝わるものはある。

    ところで、名古屋方言が「地位、身分、性別」で使い分けられるとあるが、
    このことを小説で触れるのは珍しい気がした。
    結構このあたりを雑にする小説が多い中で、
    清水氏の「名古屋地方の言語への造形」(解説より)が垣間見られる。

  • はじめて読む種類の小説。
    へぇ…こういう世界があるのか、と、おもしろく読んだ。
    麻雀は、やったことないのでわからずですが。

  • 2019.04.14 #012

    人の書いたものを作者の意見などを交えて書く新たな小説。
    名古屋に住んでる名古屋外出身者にはあるあると大いに賛同できる内容だが、もちろん作者は名古屋出身者、タイトルの蕎麦ときしめんの内容については賛同できず否定的。

    やっぱり名古屋は田舎の中の都会なのである。

    その他の作品も何回か読んで理解できるという不思議なもの。

    名古屋人論に興味ある方、どうぞ!
    名古屋の人はイライラするでしょうけど(笑)

  • 東海三県限定の大復刊。
    前に読んだ内容、すっかり忘れてたのでちゃんと全部楽しんじゃいましたよ。
    これ、生粋の名古屋人が読んでも面白いっていうのかな。聞いてみたい。

  • パスティーシュ小説で一世を風靡した清水義範氏の昭和58年から61年にかけて「小説現代」に掲載された短篇集です。パスティーシュの名を決定づけた「猿蟹の賦」や、ある意味その後の名古屋人論に決定的な影響を与えた「蕎麦ときしめん」等が収められています。

    「猿蟹の賦」や「商道をゆく」は、一行読んだだけで司馬遼太郎の模倣だってわかります。「蕎麦ときしめん」は山本七平の模倣ですね。

    ある意味、被模倣者への著者の愛情を感じますね。

    蕎麦ときしめん◆商道をゆく◆序文◆猿蟹の賦◆三人の雀鬼◆きしめんの逆襲

    著者:清水義範(1947-、名古屋市天白区、小説家)
    解説:景山民夫(1947-1998、東京、小説家)

  • パスティーシュ(パロディ)小説。「商道を行く」、「猿蟹の賦」の2編は司馬遼太郎風の短編で語り口に味がある。

  • それっぽさの追求がたんに単語のチョイスや文体にとどまらず文章構造そのものの模倣にまで及んでいる。書き手の思考のプロセスを分析し、それに倣った論理展開を繰り広げつつもデフォルメは欠かさず織り込んでくる力量。

  • 古本を手に取り、愛知人として「名古屋人論」に興味惹かれて買いました。
    正確な表現かはわかりませんが、これはきっとSSの類なのだとも思い、暇つぶしに読む系の読み物なのかと理解してます。
    読書初級者なので、この本の性質を説明することは難しいのですが、何かをの思考の広がりを持てるほどの示唆は得られなかったな〜というのが正直な感想です。
    でも、昔から言われる名古屋人の特質は、現在でもどこか通じるものがあると感じられるのは、私が愛知にルーツを持っていることを改めて感じました。

  • 最初に読んだのは中学生の頃だから35年も前のこと。当時はパスティーシュやパロディの元ネタをしらず、シンプルに虚構話を楽しんだ覚えがある。そして、司馬遼太郎やイザヤ・ペンダンサンを通った今、ようやくこの作品の奥行きをすこし理解できた気がする。
    他では言及されてないが、序文は坂口安吾の風博士を下敷きにしているて思うが、どうか。

  • 本の雑誌・40年40冊から。当初、エッセイのつもりで読み始めたんだけど、これはもう小説ですな。出版当初は斬新だったかもしれない内容も、もはや手垢にまみれた感があり、そういう意味では、今の目で読むことの不利性を感じてしまったんだけど、基本的には面白い読み物でした。

  • 他の人達のレビューを読んでいると、「笑った」とか「面白い」といった評価が多かったが、個人的な意見としては笑えないし、面白くない。

    しかし、つまらない訳ではない。

    この辺のニュアンスが微妙なのだが、面白くはないがつまらなくもない。

    笑える小説なんて殆どであったことはない。
    笑うために小説を読んでいるのではないので、それはそれで良いのだが。

  • くだらない事に真剣に取り組む事の面白さ。

  • 名古屋の知り合いができたらおすすめしたい。

  • パスティーシュ?そうなの?いずれにしても?

  • 名古屋人の友人に真っ先に勧めた。

    蕎麦ときしめん
    序文
    が特に面白くて
    猿蟹はそんなに

    大人のユーモアって感じ
    憧れる

  • 名古屋にきた東京人の視点は面白いが文調的に周りくどくて読んでもうお腹いっぱい感がある。表題の蕎麦ときしめんだけ読むのがベスト

  • ものすごく司馬遼太郎感。ほとんど読んだことないけど笑
    「序文」もバカバカしくて良かった。

  • 「文体模写=パスティーシュ文学を確立する」とある。しかし、古来から本歌取りは日本文学の伝統。そして先立つ小林信彦の「発語訓練」(1983年)のほうが文体模写の嚆矢と思う。唐獅子シリーズの「唐獅子源氏物語」(s57年)は源氏物語の文体模写である。
    蕎麦ときしめん」の前書きで、清水氏ではないという設定の別の東京人の名古屋文化(誤)理解を紹介という構図は、先立つ小林信彦の、アメリカ人のフラナガンという架空人物の日本野球文化(誤)理解の紹介というのと同じ構図である。偶然の一致であろうか。
    著者でない人物の日本文化論というのは、イザヤベンダサン著山本七平訳という「日本人とユダヤ人」が嚆矢であろうか。今では真著者は山本氏と判明している。
    清水義範氏にはパスティーシュ完成者としてそれなりの世界があり評価するが、パスティーシュ世界で小林信彦の存在も忘れてはならないと思う。

  • 何が面白いのかが理解できない。
    名古屋人自虐ネタ?
    としても、私には全く面白みがわからん。

    その他の短編は読む気が失せた。

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著者プロフィール

1947年愛知県生まれ。愛知教育大学教育学部国語学科卒業。1981年『昭和御前試合』でデビュー。1986年『蕎麦ときしめん』が話題となり、独自のパスティーシュ文学を確立する。1988年『国語入試問題必勝法』で第9回吉川英治文学新人賞を受賞。2009年、名古屋文化の神髄紹介とユーモアあふれる作風により第62回中日文化賞受賞。『永遠のジャック&ベティ』『金鯱の夢』『虚構市立不条理中学校』『朦朧戦記』等著書多数。また西原理恵子との共著として『おもしろくても理科』『どうころんでも社会科』『いやでも楽しめる算数』『はじめてわかる国語』などがある。

「2021年 『MONEY 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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