中国五千年(上) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 122
感想 : 8
  • Amazon.co.jp ・本 (348ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061845619

感想・レビュー・書評

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  • 中国を舞台にした歴史小説を数多く執筆している著者が、古代から現代にいたるまでの中国史を解説している本です。上巻では、隋による天下の統一までがあつかわれています。

    北魏の孝文帝について触れている箇所では、「権勢の争奪に明け暮れている歴史を読み、まれに理想主義の躍動を発見したときは、こちらの胸も躍るおもいがします」と述べており、良くも悪くも人間のなしうることをかき集めたようなエピソードが満載の中国史ですが、このような一幕に触れると気持ちのやすらぎをおぼえるような気分になります。

    著者は本シリーズ以外に、おなじく講談社文庫から「中国の歴史」シリーズおよび「中国の歴史 近・現代編」シリーズを刊行していますが、本シリーズはよりコンパクトなかたちで中国史の全体像を概観しています。ただ、長い歴史と広大な空間を含む中国史を文庫二冊のスペースで叙述しているために、説明が圧縮されてしまっているように感じるところもあります。とくに王朝交代のめまぐるしい時期は、混乱してしまいます。

  • [評価]
    ★★★★☆ 星4つ

    [感想]
    直近に読んだ中国史に関する本とは異なり、歴史小説家によって書かれており、非常に読みやすい内容となっている。
    内容の違いとしては資料や遺物からは判断できない部分を作家の想像力で補っている部分があり、史実と想像をはっきりと分けて書いていることが大きな違いだと思う。

  • 中国史入門の、一冊目。陳舜臣先生の一冊目。
    現代の日本語の中に、中国の故事を基にしたフレーズがたくさん残っていることに驚く。中国の歴史書、日本で代々大人気だったんだなあ、とよく分かる。
    陳舜臣先生の文章には、ジェントルマン~な雰囲気が満ちており、やさしい先生の講義を聞いているような気分で読める。中国史にまったく暗いのだけど、思っていたより読める。しかし、五胡十六国時代?あたりから段々ついていけなくなってきて、中国の広さと王朝名の重複ぶりにげんなりする。下巻読めるか、不安だ~。

  • 中国史に関心がある人なら、普通に面白い。

  • 殷王朝から三国志時代まで、要領よくまとめられた中国5000年の前期。

  • タイトルどおり、中国5千年の流れを概観するという、壮大なスケールの書物。これは、筆力がないとできないことです。中国史を勉強するときに参考書にしたらかなり厚みをもって理解できると思います。私は、歴代王朝名と主要人物を暗記することでいっぱいいっぱいだったから、「そういうことだったんだー」「この人の名前は聞いたことあるぞ」と、面白かったです。

  • 5000年の中国史を2冊にまとめたお得本。スピードが速いので人物がこんがらがりますが、面白いです(笑)

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著者プロフィール

1924年-2015年。神戸市生まれ。大阪外国語大学印度語部を卒業し、終戦まで同校西南亜細亜語研究所助手を務める。61年、『枯草の根』によって江戸川乱歩賞を受賞し、作家活動に入る。その後、93年、朝日賞、95年には日本芸術院賞を受賞する。主な著書に『青玉獅子香炉』(直木賞)、『玉嶺よふたたび』『孔雀の道』(日本推理作家協会賞)、『実録アヘン戦争』(毎日出版文化賞)、『敦煌の旅』(大佛次郎賞)、『茶事遍路』(読売文学賞)、『諸葛孔明』(吉川英治文学賞)、『中国の歴史』(全15巻)などがある。

「2018年 『方壺園 ミステリ短篇傑作選』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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