ナイン (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 38
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  • Amazon.co.jp ・本 (228ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061846845

作品紹介・あらすじ

懐しい町の匂いを求めて、私はときどき駅を降りてみる。四谷しんみち通り、20年前の野球少年たちはどうしているだろう。ぷーんと木の香をさせていた職人のおじさんは元気にしてるだろうか。バスの窓から見る風景も、雑踏の中で垣間見るドラマも、東京の町はすべて通りすがりの私の胸に熱く迫ってくる。

感想・レビュー・書評

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  • 学校の教科書で読んだ。

  • 夫には「あだち充じゃないの?陸上部の後輩とか登場しないの?」とか言われたが全然違う。しかし昭和のくだらない猥雑さが色濃くて、多少においは近いのだ。無駄な水着シーン、無駄な下着描写。

    喫茶店で男女の会話に耳をそばだてる『太郎と花子』の感じとか、『ショートプログラム』の「喫茶店」に近い。(ただしオチはより直接的に下品)

    『握手』だけなら確かに中学の教科書に載せられるけど、他が昭和の猥雑さが色濃すぎて、一冊通して読むと印象が全然違う。

  • 井上ひさしワールド 人情物短編集 さらりと読んでにやりとしたり、ホロリとしたり。

  • 懐しい町の匂いを求めて、私はときどき駅を降りてみる。四谷しんみち通り、20年前の野球少年たちはどうしているだろう。ぷーんと木の香をさせていた職人のおじさんは元気にしてるだろうか。バスの窓から見る風景も、雑踏の中で垣間見るドラマも、東京の町はすべて通りすがりの私の胸に熱く迫ってくる。

  • タイトルに騙されて、小学生の息子に勧めてしまった、初井上ひさし。難しくて分からないというので読んでみたら、いきなり「太郎と花子」だもんなぁ 笑
    東京の下町の固有名詞は田舎者には分からなかったけど、やっぱり人間を見る目が面白くて、楽しく読んだ。飄々としてるんだけど、最後の一編にグッときた。

  • こんなに読み終わるのに時間がかかった本は久しぶりだった。2週間かけてやっと読み終わったが、字の小ささに驚いたし文体が多分自分に合っていなかったんだと思う。
    教科書に「握手」が載っていたので、その続きでも読めるのかな〜と軽い気持ちで読んだが教科書とほぼ終わり方が一緒でガッカリした。しかし、それに引き換えと言っていいのか分からないが他にもたくさん読み応えのある短編集があった。今の時代でいう「良い小説」って感じではなくて、最後の1文でちょっと考えさせられるような、物語の最後を読者に創らせるスタンスが良いな〜と感じた。

  • 東京が舞台の16篇の短篇小説を収録。1987年刊。
    表題作の「ナイン」は、中学の野球部でキャプテンだった正太郎が大人になって周りに迷惑をかけるも、元チームメイトたちが彼を庇うという話。夏の日差しに影を作ってくれた優しいキャプテンだったからこそ、みんなで支えようとしていた。昭和な街並みの風景がどこか懐かしい。

  • 最も印象に残ったのは、タイトルにもなっている「ナイン」だった。幼い頃に感じた大きな大きな信頼は、あの頃から多くの時間が過ぎ去り大人になっても揺るがない。決して色褪せることのない当時の気持ちと光景。それはとても尊いことのように感じた。

  • 中三の教科書「握手」
    恩師の癖が印象的

  • 「握手」を昔読んだ

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著者プロフィール

(いのうえ・ひさし)
一九三四年山形県東置賜郡小松町(現・川西町)に生まれる。一九六四年、NHKの連続人形劇『ひょっこりひょうたん島』の台本を執筆(共作)。六九年、劇団テアトル・エコーに書き下ろした『日本人のへそ』で演劇界デビュー。翌七〇年、長編書き下ろし『ブンとフン』で小説家デビュー。以後、芝居と小説の両輪で数々の傑作を生み出した。小説に『手鎖心中』、『吉里吉里人』、主な戯曲に『藪原検校』、『化粧』、『頭痛肩こり樋口一葉』、『父と暮せば』、『ムサシ』、〈東京裁判三部作〉(『夢の裂け目』、『夢の泪』、『夢の痴』)など。二〇一〇年四月九日、七五歳で死去。

「2023年 『芝居の面白さ、教えます 日本編』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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