大阪国際空港殺人事件 (講談社文庫 や 6-11)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061847057

作品紹介・あらすじ

空港税関の検査官今井陽子は、グアムから帰国した若い女性の隠し持った貴金属を発見した。ところが1時間後、その女性は謎の死を遂げる。責任を感じた陽子は、警察と協力して女性の周辺を調べる。渡航前の所持金と購入した貴金属とのギャップ、そして未婚で妊娠5カ月という謎。陽子は犯罪を感じた…。女性検査官が活躍する華麗な連作集。

感想・レビュー・書評

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  • ◆大阪国際空港殺人事件・・・税関で着ているオーバーに腕時計やブレスレットを縫い付けていた石田マリ子という女性を摘発した陽子。しかしその後、彼女が駐車場の車の中で亡くなっているのが発見される。
    ◆偽ダイヤ殺人事件・・・通るたびに違う女性を連れているという噂のプレイボーイ。その彼が連れていた女性が帰宅途中に殺された事件が新聞で報道される。
    ◆二重底殺人事件・・・二重底にピストルや覚せい剤を隠して入国しようとする手口が多発していた。そんな中摘発した女性がマンションで毒死していたことが新聞で報道される。

    上記3編の連作短編集。いずれも税関に勤める検査官である今井陽子が主人公の話。

    自分が摘発した人物がその後、何らかの事件に巻き込まれ、事情を聞かれる→事件に首をつっこむことになる→警察(なぜか京都府警の狩矢警部)と協力しながら事件解決という流れがお決まりのよう。随分民間人にいろいろ教えてくれる警察だことで(苦笑)。税関の仕事の部分がやっぱり興味深くておもしろいので、そこをもっと多く書いてほしかったなぁという感じ。

  • 空港の税関検査官、今井陽子と同僚の池上明子。密輸に関連して殺人事件が次々起こる。京都府警の狩矢警部が登場し、豪華な配役。p169「男性は、七人で女性が十四人です。」句読点の打ち方が、口語風というか、テレビドラマの台詞のよう。読み物であれば、「男性は七人で、女性が十四人です。」の方が嬉しい。山村美紗がテレビ番組の台本のように書いていたのではないかと推測。実際、テレビ芝居の山村美紗ものが、なぜ面白いのかが分かった気がした。

  • 1996年12月8日読了。

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著者プロフィール

山村美紗
京都府京都市生まれ。京都府立大学文学部国文科卒業。教師として教壇に立つかたわら、一九六七年ごろから執筆活動を始め、テレビドラマの脚本などを担当。七〇年「京城の死」(『愛の海峡殺人事件』と改題)で江戸川乱歩賞候補になる。七四年『マラッカの海に消えた』で本格デビュー。八三年『消えた相続人』で日本文芸大賞受賞。九二年に京都府文化賞功労賞、京都府あけぼの賞受賞。九六年九月没。

「2022年 『在原業平殺人事件 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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