学生街の殺人 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 3211
レビュー : 230
  • Amazon.co.jp ・本 (482ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061847217

作品紹介・あらすじ

学生街のビリヤード場で働く津村光平の知人で、脱サラした松木が何者かに殺された。「俺はこの街が嫌いなんだ」と数日前に不思議なメッセージを光平に残して……。第2の殺人は密室状態で起こり、恐るべき事件は思いがけない方向に展開してゆく。奇怪な連続殺人と密室トリックの陰に潜む人間心理の真実!

感想・レビュー・書評

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  • 東野圭吾さんらしい作品と言えるのではないでしょうか?ラストは映画のようで、ちょっと胸に滲みました。

  • 巧みなトリック!という一冊でした。そしてこんなにたくさんの人が死んでしまうなんて…と想像を絶する物語。犯人が分かっても、なおその背景の真相まで突き止めるところが面白いです。前作の『放課後』の学生街がでてきて個人的に興奮しました。

  • コンピュータソフトウェアの事で殺人が起き、それを利用して純子さんは広美を殺させてしまった。それを隠すために今度はホームの所長を殺してしまう。過去に純子と広美の二人がひき逃げをして女の子を結果的に死なせてしまったことが、広美にとっては罪悪感でホームに通い恋人の求婚を断りピアノが弾けなくなってしまい、純子は殺人を犯してしまう、悲しい話だった。そこにソフトウェアの件がはさまり上手く複雑になっている。初めは、寂れた風景を思い描いて地味な気分になってたけど、クリスマスツリーとか結婚式の教会とか、ところどころに華やかなシーンも出るのでさみしい中のアクセントになってて良かった。

  • 初期の東野圭吾は結構好きだ。各章のタイトルのつけ方のセンスがすごくよい。主人公が村上春樹の小説の主人公みたいなやつだ。だからこれ結構すきなのかも。短編集かと思ったら長編であった。のちの長編につながっていきそうな予感を感じる。

  • 親の仕送り使わずにバイトだけして生活していける時代・・・と遠い目で思いながら読む。良き時代とは言わないが。あと簡単にセックスしすぎよね光平君。恋人が死んでも同僚とセックス。さらに恋人の妹とも寝ちゃう。淡々と。このモラトリアム。ミステリ的には面白かった。まだページが残っているのに真相と犯人に迫ってどうなるのかと思ったらラストまで退屈しない展開。広美と彼女の育ちと性格の違いが、なんとも切ない。

  • 東野圭吾さんは、中学校の時に凄くハマっていて片っ端から読んでいました。今思えば、ちょっと背伸びしてたかなぁ。高校からは女の人の作家さんばっかり読むようになって、男の人は村上春樹さんとかしか読まなくなったので、久しぶりに読むと凄く新鮮な感じでした。東野圭吾さんが書く男の人、好きだなぁ。いい意味で男臭い。頑固だったりプライドが高かったり。頭はいいんだけど、男の人独特の愚かさっていうか、女の人には頭が上がらない感じとか。そこが凄く愛らしいというか。東野圭吾さんが書く男の人は、女の人には優しいよね。

    主人公の光平は大学卒業後、就職もせずにふらふらとバイト生活を送ってる元学生。特に就職先を探すでもなく、なんとなく日々を過ごしてるだけで、親にも院に行ってると誤魔化しているどうしようもない人間です。ちょうど就活真っ最中の私には、何だか他人事に思えなくて何とも言えない気持ちになりました。にしても、彼女の妹の悦子ちゃんも同じ立場なんですが、なぜそんなに余裕たっぷりなのかが不思議でした。光平も驚いてましたが、私もびっくりしたよ……。いつでも前向きで明るい悦子ちゃんは、素敵だけどね。

    ミステリー的には、東野圭吾さんらしい感じ。後半で一気に解決していく感じと、謎が一回解けたけど、更にそれを巻き返す謎が出てくる感じと。思い返せば至るところに伏線がしいてあって、さすがでした。ただ、今回はちょっと伏線が分かりやすかったかなぁ。なんだか意味深な台詞を言っていたり、怪しすぎる行動とか。
    まあ、なんだかんだ言って、後半は目が離せない展開ばかりでかじりつくように読んでましたが。

  • 読了。わたしも思ったが、何となく村上春樹風。

    • まさっとさん
      同感して頂いた人がいて、何となく嬉しく思いました(^-^)
      同感して頂いた人がいて、何となく嬉しく思いました(^-^)
      2012/09/17
  • 何となく村上春樹風。
    勝手な思い込みだけど。

  • 寂れた学生街にあるビリヤード場でアルバイトをしてる光平の知人の松木が殺された。そこで判明したのは、松木という名は偽名で脱サラしていたという。犯人がわからないままでいた頃、光平の彼女の広美も自身のマンション内で殺されていたのを発見された。密室状態のそれは不可解なことが多く、光平を悩ませた。


    んー地方都市ってある意味こんな感じよねと思った。寂れて行く商店街。逃げてしまった若者。逃げても行くところがない人たちがあの手この手を使って生き残る。光平は自分探し中でバイトをなんとなくしてるけど、親は大学院に行ってると思ってる。仲が良かったはずの松木の正体も恋人だった広美の過去も何も知らなかった。


    ちょっと長かったけど面白かったなぁ。


    2020.10.24 読了

  • 学生街のビリヤード場で働く津村光平の知人で、脱サラした松木が何者かに殺された。
    「俺はこの街が嫌いなんだ」と数日前に不思議なメッセージを光平に残して…。
    第ニの殺人は密室状態で起こり、恐るべき事件は思いがけない方向に展開してゆく。
    奇怪な連続殺人と密室トリックの陰に潜む人間心理の真実。

    「(中略)こんな所でいくらじたばたしても駄目だってことぐらいね。この街はもう呼吸をしていないんだ。みんな、出ていかないのは勇気がないだけなんだ」

    登場人物の一人がこんな風に形容した学生街で、いくつもの殺人が起こる。
    小説自体がこの呼吸をしていない街のようにとても寂しく、荒涼感の漂うものになっている。
    一言で言えば暗い。
    登場人物の誰もが何かしらの過去や秘密を引きずっていたり、先が見えずに迷走していたりするようだ。
    人が死んでも誰も逆上したりしない。
    辛そうな顔はするし、哀しそうな顔もする。
    だけど、どこかに諦観があるような気がするのは気のせいだろうか。
    まるでこの街で人が死ぬのは仕方ないことだよ、と言わんばかりに肩を落とすだけで、誰も泣き叫んだりはしない。
    泣き叫ぶことが一番の感情表現だとは思わないが、街が死ぬのは、人の心が死んでいるからではないかと、そう思った。

    はっきり言うと、呼吸をしていないのは街ではなくて、そこに住む人のほうではないかと僕は思う。
    だから、すべての真相がはっきりしても、何となくすっきりしない。
    晴れることのない霧が物語全体を蔽っているような気分がどうしても晴れない。
    「何でもかんでも知ろうとしないこと」と語る純子が一番隠したいことをもっていたというのは皮肉以外の何ものでもない。
    広美のために真実を暴きたてずにはいられなかった光平と悦子の心だけが唯一、呼吸をしていたのではないだろうか。

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著者プロフィール

東野圭吾(ひがしの けいご)
1958年大阪市生野区生まれ。大阪府立大学工学部電気工学科卒。大学在学中はアーチェリー部主将を務める。1981年に日本電装株式会社(現デンソー)にエンジニアとして入社し、勤務の傍ら推理小説を執筆する。1985年『放課後』で第31回江戸川乱歩賞を受賞し、小説家としてのキャリアをスタート。2006年『容疑者Xの献身』で第134回直木三十五賞を受賞。2013年『夢幻花』では第26回柴田錬三郎賞を受賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞受賞。現在、直木三十五賞選考委員を務めている。代表作としてガリレオ・新参者シリーズに加え、映画化された『手紙』『ラプラスの魔女』。ほかにもテレビドラマ・映画化された作品が多い。2018-19年の作品では、『人魚の眠る家』、『マスカレード・ホテル』、『ダイイング・アイ』、そして今後の映画化作として玉森裕太、吉岡里帆、染谷将太らの共演作『パラレルワールド・ラブストーリー』(2019年5月31日映画公開)がある。なお、中国で『ナミヤ雑貨店の奇蹟-再生-』が舞台化・映画化され、映画はジャッキー・チェンが西田敏行と同じ雑貨店店主役で出演する。2019年7月5日、「令和」初の最新書き下ろし長編ミステリー『希望の糸』を刊行。

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