ただの私 (講談社文庫)

制作 : 飯村 隆彦 
  • 講談社
3.63
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本棚登録 : 475
感想 : 60
  • Amazon.co.jp ・本 (244ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061847507

作品紹介・あらすじ

私はただ私でありたい、と思って暮らしてきただけ。私のアートは、嵐の中を歩いた足跡みたいなもの、そのときそういう歩きかたをしなくてはならなかったから-。自分自身をこんなに率直に語れるなんて素敵!日本語で書かれた文章を中心にまとめたこの1冊、世界で1番多忙で有名な未亡人オノ・ヨーコの100パーセントをお伝えします。

感想・レビュー・書評

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  • うちの娘の名前はよーこです。生まれた時、元夫と「古今東西、誰からでも呼ばれやすい名前にしたいね」と話して、日本人で一番有名な女性の名前と考え、オノ・ヨーコさんからよーこと名付けました。

    それまで特にオノ・ヨーコさんの活動を追っていたわけではありませんが、やはり一人娘の名前の(勝手に)由来の方なので、お名前を見かけると手が伸びるようになりました。昨年、六本木で行われたダブル・ファンタジーにも行きました。

    この本を読んで、前衛的な女性なのだとつくづく感じました。ここ数年日本ではフェミニズムの盛り上がりが見えますが、オノ・ヨーコさんは一体何歩先を歩いていたのだろうと果てしない気持ちになります。ダブル・ファンタジーのヌード撮影の時は、緊張して、スタッフは誰もいない中ジョンと二人だけでシャッターを押したというのは意外でした。

  • なぜジョンレノンはオノ・ヨーコを選んだのか?
    子供の頃の私でさえぼんやり感じたことがあります。それはこの本を読んで初めて納得しました。
    かっこよすぎて全くの反対にいると感じる女性ですが、誰もが共感出来る弱い心の内も正直に書いてあります。当たり前なのかもしれないですが、自分と同じどこにでもいる1人の女性なのだと親近感を感じました。
    自分の弱さも受け止めながら強く生きようとする美しさ。全世界を敵に回しても自分を信じることの出来る力を持っていて、女性として尊敬してしまいます。

    「この社会における女の強さは、ほんとうに、男の許しのなかで生長しているだけの強さなのだろうか。」という一文が印象的でした。
    正直私自身はオノ・ヨーコさんのように達観した考え方にはなれず、結局男性がいてこそ女性が美しく輝ける世界だと思っています。
    でも男の許しさえも超えたところに女性の強さがあるとしたら、いったいどんなものなんだろう。
    読み終えてからも考えさせられる一冊でした。


  • 15年ぶりぐらいの再読。ハンス・ウルリッヒ・オブリスト「ミュージック」を読んで再び読んでみたくなる。/ジョンは、自分がしたいのに勇気がなくてできないことを平気でやってる女、というので、私に惹かれたのだと思う、という言葉にあるように、一読、アバンギャルドなアートも音楽もうウーマンリブ運動も、誰と生き、何を発言するか、自分のやりたいことを我慢せずにやってきた女性、という印象。今よりもはるかに女性が抑圧されていた世界にあって、ジョンとのことで世界中から誹謗中傷を受け、傷つかないわけはないけれど、それでもまっすぐ立っているといった感。世界にバカヤローと言ってやりたい気持ちを秘めながらも。嵐の中を歩いた足跡のようなもの、と本人は語るけれども、もっとオノ・ヨーコのアートに触れてみたいと思った。

  • まさかオノヨーコと(気が全く合わないどころかちょっと意味わかりませんなところもあるけど)
    わかるわかるそうだよね!!そう思っていた人いたんだ!(世の中に)
    となるとは・・
    崇拝しちゃうね。すごい、賢い、この人。

  • それまでは「オノ・ヨーコ」をジョン・レノンと一緒に、ジョン・レノンを通してしか見ていなかったのだが、ヨーコの対談、独白を読んでずいぶんとヨーコの見方が深くなった。
    ヨーコさんは実に表現の正直なアーティストであり、「女性上位万歳」を堂々と言える人間であり、「お尻の映画」や「トゥー・バージンズ」のジャケットに二人のヌードを載せるなど、実に前衛的なアーティストであり相当「強気な女性」であることが分かった。ジョンとの関係で言うと「なぜ、こんな女性にジョンが惹かれたのか。」という想いと、「だからこそジョンは惹かれたのかもしれない」という微妙な感想を抱く。
    ビートルズを解散に追いやった女、ジョンをダメにした女、世界一有名な未亡人として世界中のマスコミから叩かれてきた彼女であるが、本当にその前に一人のアーティストとして様々な自己表現を続けた女性なのかもしれない。

  • 子供が生まれなければ人類なんて滅びちゃう、産むのは女、男はそれに羨望と脅威を感じ社会的地位で対抗、、、「日本男性沈没」は脳ミソかき回されます。他にも、愛することはつながっている、愛憎というのは他人の勝手、ハッとする言葉がたくさん。さらっとね。

    ・・・5年後ふと再読、サイコー、最後の短いエッセイに号泣。社会経験を重ね読むごとにパワーをもらえる本。まっすぐ生きて来た、自分を愛して来た、ただあたしとして。男も女も愛おしい。優しくて強い女が最強だと思ってたら、それオノ・ヨーコだわ!!

  • オノヨーコ、かっこいい!女なら読むべきやし、ビートルズファンにも面白いと思う。20年も昔に出された本なのに、男女平等、女性上位を主張してる。すごいなぁすごいなぁかっこいいなぁ

  • 夜分遅くにすみません。

    第十九回ブックレビュー


    講談社文庫
    ただの私 オノ・ヨーコ / 飯村隆彦[編]

    ○本について
    裏表紙とサイトには、
    「私はただ私でありたい、と思って生きてきただけ――。世界で1番多忙で有名な未亡人オノ・ヨーコが日本語で書き、語った正真正銘の1冊。亡き夫ジョンの思い出、愛息ショーン、そして世界中の子供たちへの熱いメッセージでもある。」
    と、書いてありました。
    今からおよそ40年ほど前、1970〜80年代のオノヨーコのエッセイやインタビューをまとめたものです
    収録されているものは、
    ・わが愛、わが闘争
    ・日本男性沈没
    ・母性社会の必然性
    ・女性上位万歳
    ・家も政治も女と交代したら
    ・未来…は未知数
    ・先ず母親、次にアーティスト
    ・“女”
    ・明日また行くんだ
    の8章構成になります。

    ○あらすじ
    名前の通り、彼女自身の人生の記録です。彼女の感性、感情、生き方そのもの率直に、感性豊かに記録された一冊です。

    ○選んだ理由
    私はジェンダー問題・フェミニズムなど社会的問題に興味があり、独学で人や本から学んでいます。この本はその中で最近出会った一冊です。さまざまな捉え方が出来る一冊なので興味がない人でも比較的読み易いものだと感じ、選びました。
    大学三年の秋。就職活動も本格的に始まっていく季節が近づき、「自分って将来何がしたいんだろう。」などと、人生においての在り方がわからなくなってきませんか?
    そんな時にぴったりな一冊だと思います。
    ※ブックレビューになった日から読もうと思い、取っておいた本なので、今まで読んだ中で一番良かったブックレビューではなく直近のおすすめになります。すみません‼︎(中盤の日本男性沈没辺りは過激で皮肉な文章が綴られていたので紹介するか少し迷いました)

    ○感想
    ここまでストレートで力強い文章を読むのは初めてでした。沢山の刺激を受け、考えさせられました。彼女ならではの感性豊かな言葉ばかりで、心に刺さりました。幾つかメモするほどでした。語彙力に乏しいので活用したいです。
    読む前まで、オノヨーコは強い女という印象がどうしても抜けませんでしたが、彼女の弱い部分が曝け出されていて、新たな一面と多くの魅力を知ることが出来ました。また、フェミニズムに関して女性優位の思想という誤解が生じないような言葉遣いが上手くされているのも魅力的でした。

    40年前の本が、こうやって今でも人に影響を与えられるってやっぱり彼女は凄く面白く偉大な方なんだなぁ、と思いました。ただ、わたしは、何であろうと浮気は反対です‼︎

  • 読んでよかった。
    オノヨーコの生き方、考え方、アーティストとして、フェミニストとして、母親として、ジョンとの活動、など。
    感覚的に生きてる、必要だからやってる、責任。

  • 人間と人間のコミュニケーションを復活させる事、これが私が1番強く念願している事。

    男性社会では、自分たちがつくった箱の方を大切にしてきたが、女性たちは体につながりのある社会、つまり人間を大切にする社会をつくりあげるはずだ。

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著者プロフィール

アーティスト、政治活動家。数々のアヴァンギャルド・アート、音楽、映画の作品で知られる。著作には『グレープフルーツ』、『見えない花』などがある。

「2015年 『どんぐり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

オノ・ヨーコの作品

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