国語入試問題必勝法 (講談社文庫 し 31-3)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (250ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061847743

作品紹介・あらすじ

ピントが外れている文章こそ正解!問題を読まないでも答はわかる。国語が苦手な受験生に家庭教師が伝授する解答術は意表を突く秘技。国語教育と受験技術に対する鋭い諷刺を優しい心で包み、知的な爆笑を引き起こすアイデアにあふれたとてつもない小説集。吉川英治文学新人賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • 阿津川さんの本で紹介され読みたくて。新装版ではない。清水義範氏はまさにパロディの名手。表題作の他『猿蟹合戦とは何か』の段々おかしくなってく感や『いわゆるひとつのトータル的な長嶋節』の文体モノマネ、素人合作小説『人間の風景』が好き。

  • 風刺とユーモアのスパイスが散りばめられた短編集。
    著者のアイディアとアソビゴコロにやられました。

    どの短編も好みで、表題作の結末には口元がにやけるのをおさえられなかったし、「いわゆるひとつのトータル的な長嶋節」も完全にツボに入ってしまい、図書館内で必死で笑いをこらえるハメになりました。
    ボケてしまった老人の視点で進む「靄の中の終章」の、おもしろく読ませつつも後引く怖さが残る感じが癖になります。
    その中でも個人的ベストは「人間の風景」。
    ああもう、こんなのずるい!…と読了後に思わずつぶやいてしまいました。

  • ブクログのツイートで知った本。面白そうだったので、図書館で。
    意外と古い本でびっくり。


    1作目の猿蟹合戦に関してが読みにくい&笑いのツボが違うでなかなか読み進められなかったけど、2作目の表題作からはスルスル読める。
    もう、まず六文字でまとめよで爆笑。あかん、笑うこれ。
    「時代食堂」はしんみり不思議系。ほっこりしあわせな読後感。
    からの「靄の中の終章」でかなりぞくぞく。これ、笑えるとこと笑えないとこある……結構怖い。
    「ブガロンチョ」はとにかく美味しそう。嘘八百やけど、ちょっと食べてみたい。サラダはいらんけど(笑)
    「長島節」は、野球がさっぱりなんで……まぁ、なんとなく読む。
    で、ラスト!「人間の風景」これやばい。めちゃくちゃ面白い。お腹抱えて笑ったわ(笑)

    初めましての作家さんやったけど、気楽に読める文体で楽しかった。星新一氏を思い出す。

  • 国語が好きで、国語が得意でよかった。おかげで本当に楽しく読めた。つか、ばくしょう。
    当時中学生(くらい)やったわたしは、これを読んで「勉強する理由」を見出した。それは、
    こういう話を楽しむため、や!!勉強せんと、オモロイもんもなんも分からんのや!世界を広げるために勉強するんやー!
    っていう当時の感想。久々にもっかい読もうかな。

  • 猿蟹合戦があまりにもきつすぎた。
    自分でも良く読めたなぁという感じからスタート。

    そのほかはどれも読みやすく、
    表題作はじめ、時代食堂の不思議な感じや、
    靄の中の終章のバカさ、人間の風景などが面白くてお気に入り。

  • 「朝ごはんはまだか」
    「おじいちゃん朝ごはんはさっき食べたでしょ」
    このとき''おじいちゃん''は頭のなかで何を考えているのだろうか。

    本書の中の一遍、『霞の中の終章』は痴呆の進んだ老人の一人称視点である。
    朝ごはんを食べたことだけでなく、次第に考えたことや忘れたことを忘れていく様が描写されている。
    認知症の症状を疑似体験しているかのような文章に、認知症は自覚出来ないところが恐ろしいなと思った。

    この終末期の記憶が失われては蘇り、再び消えていく様子が、切れかけた蛍光灯と重ねられているのが好きな表現だ。

  • 面白かったです。本当に信じてしまいましたもの、国語入試問題必勝法(笑)。説得力があり過ぎるので、皆さん実践しないように気を付けてください^^
    『時代食堂の特別料理』『靄の中の終章』も良かったです。ホロリとさせられたり、“物忘れ”の思考の段階が螺旋のようにめぐっていくのも興味深かったです。そんなに厚くない本なのに、いろいろなものが詰まっている福袋のようでした。楽しませていただきました。

  • この本を買ったのは大学受験の年。見事、題名に騙されました(笑)  「パスティーシュ(Pastiche)とは特定の作家の文体を模倣する文学技法、および特定作品に属するキャラクターや世界観、設定を他の作品に使用した作品を指す。パロディの一形式。」 分かりやすく言うと「パクリ」になるのかもしれません。ですが著者は「決してその、悪ふざけではなく、むしろ憧れの人であるからこそ真似をした」とあとがきで述べています。「そこに笑いが生まれればアリ」と思っている僕には楽しい限り。真似をされた方々は、心中複雑だろう、とは思いますが……(笑)

  • 猿蟹合戦とは何かといわゆるひとつのトータル的な長嶋節は元ネタがわからなかったけど、それなりに楽しめた。

    時代食堂の特別料理は今はなき、週刊ストーリーランドにありそうな話でなかなか良かった。
    靄の中の終章は変にリアルで将来が不安になった。。。こうなるのはやだなぁ…。
    ブガロンチョのルノワール風マルケロ酒煮は食べてみたい!w

    後、ずっきん少女のすっぽんぽんが読みたいw

  • 文庫版は丸谷才一さんが解説を書かれていると改めて知って。
    表題作が一番インパクトが大きいです。「いろいろあった。」は一生忘れない回答だと思います。
    霧の中の終章は、本作に収録されていましたっけ?もう10年前なので、うろ覚えです。一昼夜で痴呆の最果てまでいってしまうおじいさんの話です。
    清水義範さんの作品は、「日本文学全集」を一番最初に読んで、他にも「偽日本史」「虚構市立不条理中学校」を読んだけど、本作が一番衝撃的であり、アイロニーが効いていて好きでした。
    当時自分がちょうどそのおかしな入試システムに身を置いたからかもしれません。
    今は、昨日訃報のあった丸谷さんの解説を読みたいところですが、猿蟹合戦も忠臣蔵を読んでからまた読み直してみたいです。
    かしこ。

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著者プロフィール

1947年愛知県生まれ。愛知教育大学教育学部国語学科卒業。1981年『昭和御前試合』でデビュー。1986年『蕎麦ときしめん』が話題となり、独自のパスティーシュ文学を確立する。1988年『国語入試問題必勝法』で第9回吉川英治文学新人賞を受賞。2009年、名古屋文化の神髄紹介とユーモアあふれる作風により第62回中日文化賞受賞。『永遠のジャック&ベティ』『金鯱の夢』『虚構市立不条理中学校』『朦朧戦記』等著書多数。また西原理恵子との共著として『おもしろくても理科』『どうころんでも社会科』『いやでも楽しめる算数』『はじめてわかる国語』などがある。

「2021年 『MONEY 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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