中国の歴史(二) (講談社文庫)

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感想 : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (586ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061847835

感想・レビュー・書評

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  • 春秋戦国時代の末期、戦国七雄が生き残り覇権を争う。その中で、一際強国となった秦がとうとう、中華統一を果たす。完全な法治国家を目指し、それを実行する秦は、法執行の苛烈さから国民の反感を買い、始皇帝と二世皇帝の2代で崩壊。
    また、戦乱の世となるかと思われたときに覇権を争うのが、項羽と劉邦であった。秦の制度ではエリート家系の項羽と、小役人にすぎない劉邦の争いは、劉邦に軍配があがり、漢の建国となる。
    数代の間、平和は訪れるが、やがて外戚が権力を持つようになり、王莽の出現により、漢は倒れる。その後、王莽を排斥し、後漢が新たに建てられる。

  • [評価]
    ★★★★★ 星5つ

    [感想]
    戦国時代から秦を経て、漢代についてが主な記述で最後は新が誕生するまでが書かれている。
    戦国時代と秦による統一は法治主義を推し進めることで国力を向上させ、中華世界を統一することができた。
    しかし、厳格な法治主義は民に不満を抱かせることとなり、結果的には始皇帝の死後に反乱が発生し、秦の時代は短期間で終わってしまった。
    楚漢戦争に勝利した劉邦は秦よりも緩やかな統治方法を選択し、政府内でのいざこざはあったものの全体的には穏やかな時代が続いたと言えるだろう。
    国力が充実した武帝の時代は北の匈奴や南の越などを討伐し、前漢の最大版図を築いた時代と言えるだろう。
    しかしながら武帝による長い治世の終了後から短命の皇帝が連続し、徐々に外戚などによる専制が進み、最後は王莽による簒奪ということになった。
    しかし、この本では中華の中心と地方の対比が書かれており、地方に関する記述は中々に面白かった。

  • 中国の歴史の概観を知りたいと思ったのだが、予想外に細かい「点」にこだわった記述になっていて、ついていくのが難しかった。

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著者プロフィール

1924年-2015年。神戸市生まれ。大阪外国語大学印度語部を卒業し、終戦まで同校西南亜細亜語研究所助手を務める。61年、『枯草の根』によって江戸川乱歩賞を受賞し、作家活動に入る。その後、93年、朝日賞、95年には日本芸術院賞を受賞する。主な著書に『青玉獅子香炉』(直木賞)、『玉嶺よふたたび』『孔雀の道』(日本推理作家協会賞)、『実録アヘン戦争』(毎日出版文化賞)、『敦煌の旅』(大佛次郎賞)、『茶事遍路』(読売文学賞)、『諸葛孔明』(吉川英治文学賞)、『中国の歴史』(全15巻)などがある。

「2018年 『方壺園 ミステリ短篇傑作選』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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