大久保長安 上 (講談社文庫 ほ 14-1)

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  • 講談社
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061848108

感想・レビュー・書評

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  • 私の大久保長安のイメージは金山の採掘、東海道や中山道など主要道路の整備、幕府直轄領の代官、忠輝の後見職などこなし才能の塊だと思っていた。だがそれだけでは無く人脈を大事にし部下の能力を最大限まで引き出せる魅力ある人物として描かれて物語が進んでゆく。家康は彼を登用する事で国家経営という物を意識し始める。現代で考えると有能な経済官僚、優秀な事務次官と言った処か。一般的に俗物と認識されている長安だが本編ではそういう箇所は無く清廉潔白、品行方正で描かれているのでとても新鮮な気持ちで読める。下巻が楽しみです

  • あんま……金のやらしさがないなぁ。おかしいなぁ?
    金山奉行として家康の懐を温めてきた男:大久保長安の物語

    史実では、長安は豪奢を好む野心家と伝えられていて、まぁこの物語でも野心家ではあるんだけど、すごくすごく謙虚な篤実家なんですよね。
    もっと黄金の輝きに心を狂わされた悪いやつってイメージだったんだけどなぁ。


    家康のファイナンシャル・プランナーである後藤庄三郎の物語『黄金の華』を読んで、そのライバルに挙げられていたこの大久保長安に興味をもったんだけど、その時のイメージと結構違くて少し戸惑い。
    けれど、史実通り傲慢な野心家だったら、もっと早くに出る杭打たれていただろうなと思いました。あながちこの小説にあらわれた長安の人間性は的を得ているのかと思いました。

    実際、長安の死後に施された処罰は不可解なところが多いし、史実も曲げられている可能性が高いと思いました。
    いやぁ~、陰謀の臭いがプンプンするね。

    「能匠(よくするたくみ)」という言葉はしっかりと覚えておきたいと思いました。

  • 徳川幕府創成期に数々の要職を兼務し、家康のナンバー2と言われた大久保長安。しかし彼は死後に遺体の首を打たれ、遺児七人は切腹、長安と深い関係にあった大名の改易・配流という処分が下った。著者は長安がナンバー2までになったプロセスを解明し、何故に死後に大久保一党の静粛が行われたのかを探りながら長安の一生を描いた長篇。

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