そして扉が閉ざされた (講談社文庫 お 35-12)

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  • Amazon.co.jp ・本 (335ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061848160

作品紹介・あらすじ

富豪の若き1人娘が不審な事故で死亡して3カ月、彼女の遊び仲間だった男女4人が、遺族の手で地下シェルターに閉じ込められた!なぜ?そもそもあの事故の真相は何だったのか?4人が死にものぐるいで脱出を試みながら推理した意外極まる結末は?極限状況の密室で謎を解明する異色傑作推理長編。

感想・レビュー・書評

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  • 岡嶋二人とは、ちょっとばかしインパクトのある作者名。映画『おかしな二人』をもじった井上夢人と田奈純一の合作名だそう。
    1982年、『焦げ茶色のパステル』(第28回江戸川乱歩賞受賞)でデビューした岡嶋二人は解散する最後の3年間で代表作を3作立て続けに発表した。その1番手が本書『そして扉が閉ざされた』である。

    富豪の若き一人娘が不審な事故で死亡して3ヶ月。娘の事故死に疑念を抱く母親によって、死の直前まで一緒にいた彼女の遊び仲間、男女4人が地下核シェルターに閉じ込められる。
    なぜ母親はそのような行動に出たのか。復讐か、それとも死の真相を語らせるためか。
    パニックに陥いった4人は、死にものぐるいで脱出を試みるがうまくいかない。
    核シェルターという極限の密室で、精神的に追い詰められていく彼らは、お互いの記憶を突きつけ合いながら推理をはじめる。その結果、浮かび上がってきた真相は……

    閉じ込められた4人は、事故死した咲子の恋人である雄一。咲子の友だちである鮎美と千鶴。そして、鮎美の婚約者正志。
    とにかく生前は、わがままなお嬢様であった咲子。当時、雄一をはじめ、みんなが彼女に振り回されるうちに彼らの関係も拗れていた。
    そんな状況のまま、核シェルターという逃げ場のない密室に閉じ込められたせいで、前半は揉めるばかり。真相へとは遅々として進まない。
    とはいえ、なにかしらの違和感が彼らの記憶や言葉の端々にふっと浮かんでくる。
    誰もが自分は咲子の死に関係がないと主張するものの、ちょっとした綻びを他の者に突かれては立場が危うくなる。
    彼らが追い込まれた心理的な圧迫は相当なものであろう。そもそも咲子の死は事故として処理されたものであり、本当に彼女の死に関わった人物がいるのだろうか。

    彼らの推理した結末はあっと驚くものだった。
    わたしの頭のなかでは、様々な場面が映像となりながらどんどん巻き戻っていく。喉に刺さった小骨のような違和感が消え去ったあと、残ったのは驚愕とも嘆きともいえる、なんとも言えない感情だった。あぁ……

    岡嶋二人の代表作『そして扉が閉ざされた』は、他の代表作『99%の誘拐』『クラインの壺』にも、ぜひとも手を伸ばしたくなる面白さであった。

    • 地球っこさん
      マリモさん、確かに!
      時代の流れとミステリの関係って難しいですね。

      刑事さんでも、昔は靴をなん足もダメにしながら、聞き込みやら現場に...
      マリモさん、確かに!
      時代の流れとミステリの関係って難しいですね。

      刑事さんでも、昔は靴をなん足もダメにしながら、聞き込みやら現場に行ってましたもの(たぶん)
      今では、「プラチナデータ」ではないですけど、DNAやら監視カメラやらで、情報を足で稼ぐことは少なくなったかもしれませんね(知らんけど 笑)

      まだまだ進化していくだろうミステリと、懐かしい時代のミステリ。どちらも楽しみたいと思います。
      こちらこそ、マリモさんのレビューでチェックさせていただきます(*>∀<*)ノ

      そうそう、『養老院より大学院』も興味深かったです。
      わたしも勉強したいと最近とみに思います。
      でも、何をと言われるとまだハッキリ自分でもわからないのですが(どういうこっちゃ!)


      2020/12/10
    • マリモさん
      昔のミステリーの刑事さんは、本当にあっちこっち駆けずり回りますよね!新たな事実が少しずつ出てきて、点と点がつながっていく面白さがあると思いま...
      昔のミステリーの刑事さんは、本当にあっちこっち駆けずり回りますよね!新たな事実が少しずつ出てきて、点と点がつながっていく面白さがあると思います。

      プラチナデータは、捜査方法の大転換があった近未来なので、遺留物がありながら、DNA捜査システムに引っかからない事案を最初から洗い直そうとすると、初歩的な初動捜査もされておらず、被害者の足取りもわからないという問題に直面するのですよ。足で稼がなくなる弊害ですかね。

      地球っこさんも勉強したい仲間なのですね!養老院より大学院読むと、何だかやる気だけはゴーゴー湧いてきますよ。
      でも何を具体的にやるのかは、私もまだ考え中です。高校生のときみたいに、考える期限はないので、ゆっくりあっためましょう(笑)
      2020/12/10
    • 地球っこさん
      マリモさん、どんなに完璧だと思っても
      落とし穴や抜け道はあるもんですね~

      そしてそして、勉強したい仲間のマリモさんも、
      考え中だと...
      マリモさん、どんなに完璧だと思っても
      落とし穴や抜け道はあるもんですね~

      そしてそして、勉強したい仲間のマリモさんも、
      考え中だということで安心しました 笑
      ゆっくりあっためまーす♪



      2020/12/10
  • 岡嶋二人作品は、初めて読むが、この作品に関して言えば、登場する人物に、一人として、魅力を感じないのは、何故か。

  • まず、とても読みやすかった。

    斬新なクローズドサークルでした。結構強引に作られていました。

    氷のストッパーのトリックは途中で気付いてしまった。

    少し最後の方は呆気ない感じがしたが、読んで良かったなと思えたので未読の方は是非読んでみてください。

  • 再読。基本的に、1つの舞台で登場人物4人だけ。おそろしく完成度が高い傑作だなーとあらためて。

    今は新版の文庫がでているようなので入手もしやすいみたいです

  • クローズ・ド・サークルもののミステリー。
    推理小説が好きでいろいろと読んでいる人は、かなり面白く読める物語だと思う。
    閉じ込められた空間には四人の男女。
    彼らはみんなある女性の事故死に関わっているのでは?と疑われた人たち。
    自分が犯人ではないことは自分だけが知っている。
    だが、状況的には四人の中に犯人がいるとしか考えられない。
    自分たちはなぜ拉致されたのか?
    事故について自分たちは何を知っているのか?
    たどり着いた真相には驚かされた。
    構成、伏線の張り方、そして結末。
    どれも素晴らしく楽しめた。

    舞台向きに書かれたのでは?と思ってしまいそうな展開だった。
    回想シーンや冒頭部分に工夫をこらせば、そのまま舞台として演じることも可能な気がした。
    推理小説の基本的なルールというものがある。
    謎解きに必要なものはすべて読者に提示されなければならない。
    いきなりラスト近くに登場した人物が実は真犯人だった・・・などということはルール違反だと言えよう。
    この物語はそれらを含め、推理小説の王道をいく物語だと思う。
    かなり昔に書かれた物語だけれど、面白さは少しも目減りしていないと感じた物語だった。

  • 面白かったんだけど、シェルターの中の物の配置とか情景がちょっと私には分かりづらくて、想像しにくかった

    まあそれはストーリーとはあまり関係ないので、シェルターの中と、事件のあった時の回想が交互に記されているのは面白いと思った

  • 「岡嶋二人」という名前は、徳山諄一と井上泉による共作筆名。こんな創作の仕方もあるんやなぁ

    クローズドサークル。犯人の推理やその結末に驚きの連続。ただ、登場人物が心がちょっと幼いかな笑
    かなり我が強い人が集まってました笑

    最後のミステリーと推理の違いに関する島田荘司の解説は興味深い

  • 密室を解くのではなく、密室に監禁された中で過去の出来事を紐解く。物語の中へ読者を引っ張っていくのが上手いと思います。徐々に徐々に引き込まれ、一緒になって謎を追いました。アイスピックの件は途中で想像できたのですが、それがなぜあんな結末になったのかは全員が本当のことを言わないと解明できない。すごくインパクトのある作品と言うわけではないけれど、ちゃんと本格で、とてもきれいにまとまっていて、これからどうなるかという想像をさせてくれるエンディングも私は好きでした。

  • 地下施設に閉じ込められた男女4人、どうやら数か月前の事故について解かねばならないらしい。 再び光を見るときは・・?

    氷を使えば色々となんとかなりそうだし、共犯あるいは庇い合いが有ればアリバイの問題も瓦解するというのはおそらく多くの方が想像し得る部分だと思います。 問題は誰が殺して、誰が隠したかですがここについては厳しめの採点。 自覚無しの殺人のオチを納得させるにはそれ以外の要素についてかなり力を入れないといけないと思うのですが、正志君はともかく鮎美が庇うような動機描かれてないしなぁ。 
     自分は4人の誰かが遺族の母と共謀して証拠やヒントを小出ししているのかと思っていたのですが、まったくの外れ。 つまり母親はあそこにヒントがあったり、殺害現場と知らずに閉じ込め、特に真相が暴かれる勝算なしに行動に移していたのか・・・、狂人の母親もまた狂人なりということか。

  • クローズドサークルの作品。
    内容通りだが、途中から引き込まれる。
    4人しかいないから大体の想像はついているのだが、流れがとても良い。

    内容
    富豪の若きひとり娘が自動車事故で不審死して3ヵ月、彼女の遊び仲間だった男女4人が、遺族の手で地下シェルターに閉じ込められた! あの事故の真相は何だったのか? 4人が死にものぐるいで脱出を試みながら推理した意外極まる結末。極限状況の密室で謎を解明する異色傑作推理長編。

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著者プロフィール

岡嶋 二人(おかじま・ふたり)
徳山諄一(とくやま・じゅんいち 1943年生まれ)と井上泉(いのうえ・いずみ 1950年生まれ。現在は井上夢人)の共作ペンネーム。
1982年『焦茶色のパステル』で江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。86年『チョコレートゲーム』で日本推理作家協会賞を受賞。89年『99%の誘拐』で吉川英治文学新人賞を受賞。同年『クラインの壺』が刊行された際、共作を解消する。井上夢人氏の著作に『魔法使いの弟子たち(上・下)』『ラバー・ソウル』などがある。

「2021年 『そして扉が閉ざされた  新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

岡嶋二人の作品

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