ノルウェイの森 (上) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
3.56
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本棚登録 : 3220
レビュー : 331
  • Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061848924

作品紹介・あらすじ

暗く重たい雨雲をくぐり抜け、飛行機がハンブルク空港に着陸すると、天井のスピーカーから小さな音でビートルズの『ノルウェイの森』が流れ出した。僕は1969年、もうすぐ20歳になろうとする秋のできごとを思い出し、激しく混乱していた。-限りない喪失と再成を描き新境地を拓いた最編小説。

感想・レビュー・書評

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  • 「多崎つくる」読んで、さらにはその感想に「村上春樹のマンネリ感がいい」とか、「部屋の掃除をしたくなる」とか書いて、以前にも全く同じようなことを書いた気がする、絶対書いてると思い探してみたら、やっぱりありました。
    笑える。
    ちょっと恥ずかしいけど、いちおうベスト3で、なんとなくこの作品を1位に選んでいるし、あげておこう。


    (以下、2005年5月のブログより転記)


    昨日、ちょっとした切っ掛けがあって、何年かぶりに村上春樹の「ノルウェイの森」を読みました。
    前に読んだのは、まだ20世紀の時代だったし、今回で3、4回目くらいなんだけど、一晩で一気に読んでしまって、今さらながらにぼろぼろ泣きました。
    この本で泣けたの初めてですよ。
    今のこのタイミングで読んだのは、まさにこの本が読まれたがっていたのだ、としか思えないほど、すごく強く深い揺さぶりがあって、こんな話だったの?って思っちゃったくらいです。
    やっぱりすごいよ、村上春樹って。

    何年か経ってから、もう一度読み返したいと思う本て、実はそんなに多くない。
    どんどん新しい本が出版されるし、世の中は娯楽で溢れているもの。
    でも、村上春樹の本はまた読みたくなるときがあって、しかも読むたびに初めて読んだような気持ちになるんですよね。

    正直な話、10代の頃とかよく理解できなくて、特別に好きだったわけでもないし、はじめて「ノルウェイの森」を読んだときなんて、「結局、人が死んで、セックスしなけりゃ、小説にならないのよね」とかなんとか、思ったもん。若かったねえ、ほんと。

    改めて読み返すと、「ノルウェイの森」には「ノルウェイの森」以後の村上春樹の要素がいっぱい詰まっていて、いろいろな本を読み返したくなってしまいました。
    「国境の南」とか「ねじまき鳥」とか「スプートニク」とか「カフカ」とか。つながっていくんですよ。
    村上春樹のよさって、この村上春樹という普遍性にあると思うんですよね。

    人生や世の中って、厄介なこととか上手くいかないことがいっぱいあって苦労するけどさ、でもすごく小さいことから日々の生活って変えられるし、そういう小さなことで人は少しずつ幸せになれるんだ、って気持ちにさせてくれる。(小確幸ですね)

    これがここ数年の、わたしの村上春樹論なのですけど、そうですね、とりあえず部屋の掃除でもして空気を入れ替えることにします。

  • ノルウェイの森 (上) (講談社文庫)

  • 後半も楽しみです
    深い話ですね

  • 物凄く読みやすくて久しぶりに時間を忘れて読み耽ることが出来た。
    誰もが持つ人間の不完全性を受け入れ、互いを尊重し助け合うといった、人間関係を良い物へと構築する為によく強調されるテーマだった。しかし、主人公達と同年代の私にとっては自分の感情をコントロールすることや、将来への不安、性における考え方など多くのシーンから感じるものがあった。
    特に関心した言葉は、永沢さんの「自分がやりたいことをやるのではなく、やるべきことをやるのが紳士だ」という言葉だった。
    直子は最愛の二人を自殺により失ったが、この二人の死が彼女にどう影響を与えたのか、ぴんと来なかったので下巻に期待。
    話題になってもうかなり経つが、この年になって読んでみて良かったと思う。

  • この小説は、同氏の超有名な作品で後に映画化された作品です。(下記、ウィキベティアから引用)
    学生時代のことを回想した。

    直子とはじめて会ったのは神戸にいた高校2年のときで、直子は僕の友人キズキの恋人だった。3人でよく遊んだが、キズキは高校3年の5月に自殺してしまった。その後、僕はある女の子と付き合ったが、彼女を置いて東京の私立大学に入学し、右翼的な団体が運営する学生寮に入った。

    1968年5月、中央線の電車の中で偶然、直子と1年ぶりの再会をした。直子は武蔵野の女子大に通っており、国分寺のアパートでひとり暮らしをしていた。二人は休みの日に会うようになり、デートを重ねた。

    10月、同じ寮の永沢さんと友だちになった。永沢さんは外務省入りを目指す2学年上の東大生だった。ハツミという恋人がいたが、女漁りを繰り返していた。

    翌年の4月、直子の20歳の誕生日に彼女と寝た。その直後、直子は部屋を引き払い僕の前から姿を消した。7月になって直子からの手紙が届いた。今は京都にある(精神病の)療養所に入っているという。その月の末、同室の学生が僕に、庭でつかまえた螢をくれた。

    夏休みの間に、大学に機動隊が入りバリケードが破壊された。僕は大学教育の無意味さを悟るが、退屈さに耐える訓練期間として大学に通い続けた。ある日、小さなレストランで同じ大学の緑から声をかけられる。演劇史のノートを貸したことがきっかけで、それから緑とときどき会うようになった。

    直子から手紙が来て、僕は京都の山奥にある療養所まで彼女を訪ねた。そして同室のレイコさんに泊まっていくよう勧められる。レイコさんはギターで「ミシェル」や「ノーホエア・マン」、「ジュリア」などを弾いた。そして直子のリクエストで「ノルウェイの森」を弾いた。

  • 村上春樹の文章は少し回りくどい。
    でも読むのが苦しいというわけではない。
    内容も劇的なことがあるわけではないがどんどん先が読みたくなってしまう。
    ノルウェイの森もワタナベと直子、キズキという複雑で難しい人と人との関係性の話だと思う。
    精神が少し難しいことになっている人の心情がよく描写されていて勉強にもなる。
    下巻を読むのが非常に楽しみである。

  • 2016.6.18
    下巻に記載。

  • 2016.2.13
    暗く重たい雨雲をくぐり抜け、飛行機がハンブルク空港に着陸すると、天井のスピーカーから小さな音でビートルズの『ノルウェイの森』が流れ出した。僕は1969年、もうすぐ20歳になろうとする秋のできごとを思い出し、激しく混乱していた。ーー限りない喪失と再生を描き新境地を拓いた長編小説。(裏表紙より)

    村上春樹さん、すごく有名な現代の小説家だけど、なんだかんだ読むのは初めて。キズキの自殺をきっかけに、世界との関係をうまく持てずどこか厭世的になった主人公ワタナベ、キズキの幼馴染であり彼女だった直子がメインで、他にも永沢とかレイコとか。全体的にとても面白いんだけど、なんというか、フィクション性とノンフィクション性の距離感が面白いなと感じたというか。小説って現実にあり得るけどあり得ないような出来事、キャラが出てきて、その強調によって人間とか人生とはということを濃く浮かび上がらせる気がするんだけど、この小説はそんな感じがあまりなく、その意味ではとてもリアルでかつ小説っぽくない印象を受けた。死について。キズキの自殺、直子の姉の自殺、緑の母の死など、死から受ける影響力、生きる我々という側からみた死がひとつテーマであるように思う。本著書中唯一太文字だった、「死は生の対極としてではなく、その一部として存在している」(p.48)という一文は、中々考えさせられる。つまり、生か死か、白か黒かではなく、仮に生まれた瞬間が真っ白であっても我々は徐々にそこに黒が混じり、白っぽい灰色から黒っぽい灰色になり、そして最後に真っ黒になる、ということである。どれだけ黒っぽくても灰色は灰色という点で、死にかけることと死はまったく違うけど、確かにこのようなグラデーションとして捉えることは真実のように思われる。我々は、いま生きていて、最後の日に死ぬのではなく、いまこの瞬間にも生きながら死んでいて、徐々に死の割合が増えている、我々は最初から最後まで生と死が混ざった存在なのだろう。んー、やっぱ、面白いけど、面白く普通のことを書いた小説だなーと感じてしまう。ワタナベの厭世的さは、キズキの自殺をきっかけとして、緑との会話での「孤独が好きな人間なんていない。失望するのが嫌なだけだ」(p.99)という価値観ができたことによるのではないか。直子の複雑さや、緑の複雑さは、家庭環境、身近なものの喪失を契機としている。永沢は私は最も苦手とする、極端にアンビバレントな人間でありながら、しかし必要なのは理想よりも行動規範である、とか、30年経った本じゃないと読まないとか、面白い価値観を持った人でもある。現実に出会ったら好奇心は感じるけど多分友達にはなれないだろうなー。こういうどう捉えていいかわかんない人間、苦手なんです。でもこの小説の中で個人的に印象深い人だった。私は、彼らのような複雑さを抱えた人間が小説に限らず現実にもたくさんいることを経験してきたし(逆に私の周りにはこの手の歪んだ?というか複雑な人が多いから、あまり小説らしさを感じなかったのかもしれない)、そしてまたこの複雑さを抱えながら、頭のネジが吹き飛びながら、やり過ごすこともできず、圧力鍋のように感情をごった煮状態にしている人らが、どうすればもっと楽に生きていけるのかに興味がある。だから、彼らが、下巻でどうなるのか、この彼らが持つ彼らの複雑さと傷をどう抱えて、どう受け入れて、どう生きていくのか、ぜひ下巻を読んで確かめたいなと思った。何か激しい感動、思わず手を止める衝撃、好奇心揺さぶる発見とかはないんだけど、でも寄り添ってくれてるような安心感というか、そういうものを感じた一冊。下巻も読む。

  • よくわからないけど、高校、大学、その後というふうに読み返してみるのがいいじゃないかと思う。

  • 【232】

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著者プロフィール

村上春樹(むらかみ はるき)
1949年、京都府京都市伏見区生まれ、兵庫県西宮市芦屋市育ち。早稲田大学第一文学部映画演劇科卒。大学在学中にジャズ喫茶「ピーター・キャット」を国分寺・千駄ヶ谷に開店していた(1981年、店を人に譲渡)。1979年にデビュー作の「風の歌を聴け」で群像新人文学賞を受賞。谷崎潤一郎賞、読売文学賞、朝日賞など数々の受賞歴がある。2006年にフランツ・カフカ賞、2009年にイスラエルのエルサレム賞受賞。ノーベル文学賞に最も近い作家の一人と言われており、毎年発表時期に日本国内でニュースになる。事実、村上春樹作品は全世界で翻訳されており、アメリカ・アジアでの評価がとりわけ高い。フィッツジェラルドやレイモンド・カーヴァーなどの作品の翻訳も手がけ、翻訳家としての仕事も高い評価を受ける。翻訳と創作活動を交互に行うことで、作風を変化させ、作家としての成長を続けている。新作が発表されるたび大きな話題となるが、近年は特別番組「村上RADIO」にてラジオDJも務め(不定期放映)、数々の名言も注目を集める。代表作に『風の歌を聴け』『羊をめぐる冒険』『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』『ノルウェイの森』『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』。2019年7月31日に『神の子どもたちはみな踊る』が舞台化。2019年8月7日発売の『文学界』でロングインタビュー「暗闇の中のランタンのように」掲載。アメリカのサックス奏者スタン・ゲッツの伝記翻訳を2019年8月末に刊行予定。

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