気まぐれにフリースロウ (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
3.50
  • (0)
  • (1)
  • (1)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 10
感想 : 1
  • Amazon.co.jp ・本 (257ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061849358

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ボクシング、バスケット、アーチェリー、トライアスロン、ゴルフ、ウィンドサーフィン、社交ダンス、マラソン。さまざまなスポーツを題材に、都会に生きる人々の行き交いを描く短編集。/「とにかく、勝ちましょう」「なにごとによらず、負けるというのはいやなことなんだから」(ランドーさん)(「シティ・サーモンズ」)/今それをやっておかないとダメだという瞬間がある。そのときにね、突っ込めるか、否か。不安を捨てきって前に行かれるか、否か。すべてはそれで決まる。勝つっていうのは、そういうことですよ」(ランドーさん)(「シティ・サーモンズ」)/風をつかまえて、マウイの海を走っているときだった。ふと彼は考えてしまったのだ。おれは一体、何をやっているのか、と。(「ゲルベゾルテ」)/音楽を聞くより、人間がしゃべっている声を聞き流すように耳に入れていたほうが、かえってラクだと、最近の隆一は思うようになっている。(「ラジオ」)。/独特の味わいだなあ。フィリピンからやってきたボクサーの屈折。都心のマンションにつどうバスケサークルのメンバーたちの距離感。ファッションマッサージ店長にして、トライアスロンに挑むというところにどこかバランスと可笑し味をかんじる男。甘えきった考えで実家の土地を売りたい男とアーチェリーと実家の事故と女。つねに片耳でラジオをききながら人と話す男。

全1件中 1 - 1件を表示

著者プロフィール

作家。1948年神奈川県生まれ。中央大学法学部卒業後、ライターとして活動。80年「Sports Graphic Number」(文藝春秋)創刊号に掲載された短編ノンフィクション「江夏の21球」で注目を集める。81年同作が収録された『スローカーブを、もう一球』(角川書店)で第8回日本ノンフィクション賞を受賞。NHKのスポーツキャスターとしても活躍。95年5月29日没。著書多数。傑作選に『江夏の21球』『衣笠祥男 最後のシーズン』(いずれも角川新書)。

「2020年 『たった一人のオリンピック』 で使われていた紹介文から引用しています。」

山際淳司の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×