撃墜―大韓航空機事件〈上〉 (講談社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (404ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061849761

作品紹介・あらすじ

大韓航空007便は1983年9月1日未明、ソ連のミサイルによって撃墜され、269人の生命がサハリン沖に消えた。ショッキングな事態の中で、決め手となる情報を手にした日本政府は、かつてない情報コントロールによって、対ソ戦略のシナリオを固めていく。国際舞台の凄絶な情報戦争のドラマを描く。

感想・レビュー・書評

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  • 本書は、大韓航空機撃墜事件をテーマに、日米とソ連との攻防を中心に、書かれたノンフィクションである。
    当時は、米ソ冷戦時代で、米ソの激しい応酬がなかなか面白い。
    また、日本の対応が思ったより適格かつ適切で、政府が覚悟さえ決めてしまえばなんとかなるものだなと感心した。最近多い野党の非建設的な邪魔もないようでそういう点もあるのだろう。
    ただ、対象が大韓航空機のはずなのに韓国の影があまりに薄い。たしかに当時国連非加盟、韓ソ間の国交はないという状態ではあるのだが。
    また、反ソ集会が動員をかけられなければ行われないという薄情さや大韓航空機だけが2回もソ連の領空侵犯をしているというレベルの低さに驚かされるばかりである。

  • (1994.06.03読了)(1991.08.21購入)
    大韓航空機事件
    (「BOOK」データベースより)amazon
    大韓航空007便は1983年9月1日未明、ソ連のミサイルによって撃墜され、269人の生命がサハリン沖に消えた。ショッキングな事態の中で、決め手となる情報を手にした日本政府は、かつてない情報コントロールによって、対ソ戦略のシナリオを固めていく。国際舞台の凄絶な情報戦争のドラマを描く。

  • 後藤田は警察畑出身だから物事の確認には裏付けを欠いてはならないという発想が体に染みついている。国際的事件について裏付けのないまま騒いだら国家の威信にかかわるばかりか相手国との外交関係にとんでもないヒビが入る。
    「情報の扱い方、出し方はタイミングが大事」
    情報処理の巧みさ、それが後藤田をして「田中派の知恵袋」にのし上げ、政治家としての地歩を築かしめた大きな要素になっていた。
    ソ連は絶対に事件の責任を認めないだろう。謝るような国じゃない。しかしソ連が撃墜したんだという事実だけは何としてでも認めさせなければならん。こちらは証拠を持っているんだから。

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著者プロフィール

講談社ノンフィクション賞受賞作『ガン回廊の朝』(講談社文庫)

「2017年 『人の心に贈り物を残していく』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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