十角館の殺人 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 4906
レビュー : 773
  • Amazon.co.jp ・本 (375ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061849792

作品紹介・あらすじ

半年前、凄惨な四重殺人の起きた九州の孤島に、大学ミステリ研究会の七人が訪れる。島に建つ奇妙な建物「十角館」で彼らを待ち受けていた、恐るべき連続殺人の罠。生き残るのは誰か?犯人は誰なのか?鮮烈なトリックとどんでん返しで推理ファンを唸らせた新鋭のデビュー作品。

感想・レビュー・書評

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  • さて島田氏の御手洗シリーズで本格ミステリに開眼した私は同傾向の作品を読もうと各ガイドブックなどに手を伸ばすようになったり、『このミス』などランキング本を読み漁ったりするのだが、その中で「新本格」という単語に行き当たった。
    色々調べてみると、松本清張以後、本格冬の時代と云われていた日本ミステリシーンにかつてのガチガチの本格ミステリを復興させようという動きを新本格といい、なにも今までにない斬新な本格という意味ではなかった。そしてそのムーヴメントの中心にいる人物こそがなんと島田氏その人だというのだから、これは何がなんでも読まなければならぬとそこに名を挙げられていた綾辻氏、歌野氏、法月氏、我孫子氏4氏の諸作を本屋で探し、一気に買い込んだ。
    そしてまずは綾辻氏の本書から手を付けることになった。既に私が本作を買ったときには既に『迷路館の殺人』まで文庫は出ており、しかも「綾辻以前綾辻以後」なる形容詞まで付いているのにはびっくりした。

    で、そんな前情報が期待を膨らましつつ、開巻したところ、実はお互いをあだ名で呼び合う登場人物たちにドン引き・・・。しかも彼らのあだ名が全て海外古典本格ミステリの大家のファーストネームで、いかにもミステリマニアが書きましたというテイストに、うわぁ、これ読めるのかなぁとすごく心配したが、物語が進むにつれて慣れてきた。
    探偵役として現れた島田潔の名前にニヤリとしつつ、奇想の建築家中村青司が設計したというわりには十角館って普通の建物だよなぁなどと思いつつ、読み進めていった。

    そして私も驚きましたよ、あの一行に。まさに時間が止まり、「えっ!?」という思いと共に足元が崩れる思いがした。しかもあの一行が目に飛び込んでくる絶妙なページ構成にも唸った。一行に唸ったのは星新一の「鍵」以来だった。
    実は犯人はすぐに解った。だから答え合せしたくて早く解決シーンに進みたくて、忸怩しながら読んでいたが、この一行で自分の甘さに気づかされた。というよりも犯人が解ってなお、これほどの驚嘆を読者に与える作品というのがあるのかと心底感心したのだ。そしてまだまだミステリの奥は深い、確かにこれは「新」本格だ、などとミステリをさほど読んでいないのに一人悦に浸っていた。

    今でも読み継がれ、新しい読者に驚きをもたらしている本書は歴史に残る傑作といえよう。こうして綾辻氏の名はこの1作で私の脳裏に深く刻まれることになった。

  • 約15年前、私に読書の面白さを教えてくれた本。あれから推理小説を貪るように読んだ。
    だけど、十角館を越える作品には未だ出会っていない。

    合宿に来た孤島で殺人が起こる。助けを求めたくても本土に連絡を取る術もなく、犠牲者は増えていく。自分以外はもう誰も信じられず…
    島で起こった過去の事件、送られてきた告発文、十角形の妖しい館が舞台を盛り上げる。
    やはり面白い。

    • 杜のうさこさん
      けいたんさん、こんばんは~♪

      このあいだ本格のお話をしてから、頭の中が本格(笑)
      綾辻行人さん、前に一冊だけチャレンジして
      残念な...
      けいたんさん、こんばんは~♪

      このあいだ本格のお話をしてから、頭の中が本格(笑)
      綾辻行人さん、前に一冊だけチャレンジして
      残念ながらリタイアしちゃってたの。
      もうだいぶ昔のことで、作品は覚えてないんだけど・・・
      殺人の場面の描写がすごく怖かった~。
      でもけいたんさんが好きな作家さんなら読んでみたいな~。
      おススメあったら教えてね!

      私はね、本格なのかどうか自信ないんだけど、
      岡島二人さん、折原一さん、石持浅海さんはほとんど読んでる。
      有栖川有栖さんはアリスシリーズってあったよね。
      赤川次郎さんは本格?
      三毛猫ホームズシリーズ大好き♪

      米沢穂信さんもそう?
      『満願』けいたんさんの本棚からマイリストに追加したよ。

      あっ、そうそう大切なお知らせがあったんだ。
      私の『本からはじまる物語』のコメント欄に
      素敵な方からけいたんさんあてにメッセージ届いてるよ♪

      また覗いてみてね(*^-^*)
      2016/01/13
    • けいたんさん
      杜のうさこさんへ

      こんにちは(^-^)/
      コメントありがとう♪
      私の大好きな作品に嬉しいよヾ(≧∪≦*)ノ〃
      しかも頭の中が本...
      杜のうさこさんへ

      こんにちは(^-^)/
      コメントありがとう♪
      私の大好きな作品に嬉しいよヾ(≧∪≦*)ノ〃
      しかも頭の中が本格だなんて(笑)

      綾辻行人作品は私の好きな「館シリーズ」以外は恐ろしいものばかりなので気をつけて。
      私も綾辻行人さんは好きだけど、「館シリーズ」と「another」以外は読めなくて。
      グロいよね、私グロいの絶対ダメで。
      だから、お勧めは館シリーズかanotherだよ。
      いつか時間がある時に手を取ってみてね〜♪

      本格の定義って難しいよね。
      でも、岡嶋二人さん、折原一さん、石持浅海さん有栖川有栖さんは本格だと思うよ。
      私も折原一さんと石持浅海さんはよく読んだよ(^o^)v
      有栖川有栖さんは学生アリスだけ読んでる。
      今度ドラマが始まるよね。

      赤川次郎さんは本格ではなさそうだけど、ジャンルはなんだろうね。
      社会派でもなさそうな…
      米澤さんは作品によっては本格なのかな。
      「満願」ありがとう(*^^*)♪
      杜のうさこさんの感想を楽しみにしてるね!

      koshoujiさんの事ありがとう♪
      本当にすごく勉強になるね。
      二人の会話についていけるかしら(*≧艸≦)

      今日もありがとう!
      2016/01/14
  • 様々なところで評価されている本作、いつか読まなければと思いつつようやく読了。読み始めたらあっという間だった。
    本格ミステリーの衰退?が叫ばれて久しいが、本作に本格ミステリーの未来を感じた人が多いのは納得。いくつかのミスリードが最終的に合致していく様は、少年時代にワクワクしながら読んでいた「推理小説」を思い出させてくれた。小説ならではのミスリードが見事!

  • 悔しいな。見事に騙された。友達に是非読んで欲しいと言われたミステリ小説。初綾辻行人です。叙述トリックらしいと聞いていたから、騙されないように慎重に読んでいたはずなのに、それでもネタ明かしで「えええ!お前?!」と声を上げてしまった。ミステリの醍醐味とはいえ、こう綺麗にダマされると悔しい。差書は、キャラクタが捉えられなくて苦労したけれど、すぐに馴染みました。

    十角形の奇妙な館が建つ孤島・角島。その館を建てた建築家・中村青司は、半年前に炎上したその島の青屋敷で焼死したという。1年後、大学ミステリ研の七人が1周間の旅行に十角館を訪れた。恐ろしい罠が待っているとも知らず…。

  • 特にミステリ好きというわけではないんですが、なんとなく買ったこの本はとても面白く、一気に読んでしまいました。読後、予想外の展開に「やられた!」と思いました。

  • 綾辻さんの館シリーズといわれるモノ、ほとんど触れずじまいでした。

    で、どうしてこれまでであっては来なかったのか!
    この本に一番にめぐり合っていたら、諸先輩方同様に
    本格ミステリーを語れたのに・・・

    遅ればせながら、館シリーズ挑戦してみようと思います。

  • 名作!まさに名作!!
    僕なんかよりもよっぽどミステリーに詳しい方々が精緻なレビューを書いてると思うので、僕は簡潔に。

    孤島の洋館で連続殺人という、これぞミステリーと言いたくなるような舞台!社会派ミステリー全盛時代に古典本格ミステリーを踏襲し新本格というジャンルを築いた歴史的作品!!
    圧倒的リーダビリティにより読者を飽きさせず、たった一行でどんでん返しした演出は多くの読者を衝撃へと誘った!どんでん返し!これぞどんでん返し!!素晴らしい!
    僕をミステリーへ導いた思い出深い作品でもあるこの作品、ミステリーに興味があるけど、何から手をつければいいか解らないという人はまずこれを!!

    これを読んでもいまいちミステリーの面白さが解らなかったって人はまあ、名探偵コナンっていう面白い漫画があるのでそちらをオススメします。

  • 引き込まれた。最後の種明かしが巧みである。26歳の時に執筆した作品であることを後書きで知り、これまた驚愕。
    最初に、ちょっと臭うな…と疑った人物が犯人であることが最後に分かり、ちょっと嬉しかった。(その時点ではほぼ勘に近いものであったが…笑)
    物語に散りばめられた源氏物語や古今和歌集などのエピソードが興味深かった。

  • 積読で暫く置いてあったのを、やっと読んだ。
    とても面白く、最後にズドンとやられた感が良かった。

  • 【軽いネタバレ有】この時代の本格派の分類される作品は、個人的に得意な文体ではないことが多いので、読みづらいことが多いんだけども、比較的大丈夫だった。その上でトリックそのものはしばらくわからなかった。勘違いをさせることが目的であったとしても、ピンと来ない人には意味のないものだし、場合によっては継承されたと考える(これもひとつのミスリードなのかもしれないが)こともできてしまうのが、なんとなく消化不良。ただ全貌をしった上で何が一番もっともかと言われたら、今回のやり方ということになるんだろうなぁと思う。

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プロフィール

綾辻 行人(あやつじ ゆきと)
1960年京都市生まれ。京都大学教育学部在学中、京大推理小説研究会に所属。研究会同期に、後に結婚する小野不由美がいる。1982年、同大学大学院教育学研究科に進学。1987年、大学院在学中に『十角館の殺人』で作家デビュー。講談社ノベルス編集部が「新本格ミステリー」と名付け、その肩書きが広まった。1992年大学院を卒業後、専業作家に。
1990年『霧越邸殺人事件』で「週刊文春ミステリーベスト10」1位。1992年『時計館の殺人』で日本推理作家協会賞長編部門を受賞。2011年『Another』で「ミステリが読みたい!」1位。
主な代表作として、デビュー作『十角館の殺人』以来続刊されている、長編推理小説「館シリーズ」。

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