- Amazon.co.jp ・本 (375ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061849792
作品紹介・あらすじ
半年前、凄惨な四重殺人の起きた九州の孤島に、大学ミステリ研究会の七人が訪れる。島に建つ奇妙な建物「十角館」で彼らを待ち受けていた、恐るべき連続殺人の罠。生き残るのは誰か?犯人は誰なのか?鮮烈なトリックとどんでん返しで推理ファンを唸らせた新鋭のデビュー作品。
感想・レビュー・書評
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さて島田氏の御手洗シリーズで本格ミステリに開眼した私は同傾向の作品を読もうと各ガイドブックなどに手を伸ばすようになったり、『このミス』などランキング本を読み漁ったりするのだが、その中で「新本格」という単語に行き当たった。
色々調べてみると、松本清張以後、本格冬の時代と云われていた日本ミステリシーンにかつてのガチガチの本格ミステリを復興させようという動きを新本格といい、なにも今までにない斬新な本格という意味ではなかった。そしてそのムーヴメントの中心にいる人物こそがなんと島田氏その人だというのだから、これは何がなんでも読まなければならぬとそこに名を挙げられていた綾辻氏、歌野氏、法月氏、我孫子氏4氏の諸作を本屋で探し、一気に買い込んだ。
そしてまずは綾辻氏の本書から手を付けることになった。既に私が本作を買ったときには既に『迷路館の殺人』まで文庫は出ており、しかも「綾辻以前綾辻以後」なる形容詞まで付いているのにはびっくりした。
で、そんな前情報が期待を膨らましつつ、開巻したところ、実はお互いをあだ名で呼び合う登場人物たちにドン引き・・・。しかも彼らのあだ名が全て海外古典本格ミステリの大家のファーストネームで、いかにもミステリマニアが書きましたというテイストに、うわぁ、これ読めるのかなぁとすごく心配したが、物語が進むにつれて慣れてきた。
探偵役として現れた島田潔の名前にニヤリとしつつ、奇想の建築家中村青司が設計したというわりには十角館って普通の建物だよなぁなどと思いつつ、読み進めていった。
そして私も驚きましたよ、あの一行に。まさに時間が止まり、「えっ!?」という思いと共に足元が崩れる思いがした。しかもあの一行が目に飛び込んでくる絶妙なページ構成にも唸った。一行に唸ったのは星新一の「鍵」以来だった。
実は犯人はすぐに解った。だから答え合せしたくて早く解決シーンに進みたくて、忸怩しながら読んでいたが、この一行で自分の甘さに気づかされた。というよりも犯人が解ってなお、これほどの驚嘆を読者に与える作品というのがあるのかと心底感心したのだ。そしてまだまだミステリの奥は深い、確かにこれは「新」本格だ、などとミステリをさほど読んでいないのに一人悦に浸っていた。
今でも読み継がれ、新しい読者に驚きをもたらしている本書は歴史に残る傑作といえよう。こうして綾辻氏の名はこの1作で私の脳裏に深く刻まれることになった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
今さらながらに綾辻行人さん初読
いやあ当時読んでいたら絶対に★5じゃ足りなかったろうな
生来天邪鬼でへそ曲がりな自分は当時本格ミステリ好きなら絶対読むべき!という触れ込みで登場した稀代の天才作家をふふんという鼻息ひとつで遠ざけてしまった。バカ!あの頃の俺バカ!
最近はブクログのおかげでみんながいい!というものを素直に手に取れるようになりやっと読むことができました、ありがとう!
そしてやっぱり面白かったよ
読まずに死なんでよかった
ミステリのブックリストに『十角館の殺人』をあげてくれた方全員にいいねしたい!けどしないめんどくさいから
ただなんて言うんだろプレステ4をやったあとにプレステ2をやったようなこの感覚
お手本感や既視感もすごいんだよね
あーもったいない
もっともっと早く読んでれば不朽の名作として脳に刻まれたはずなのに!
でも超々遅ればせながら綾辻行人さんの他の作品も読んでいくぜ
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どこでも評価の高い十角館。
何がそこまで・・・
と読み進め、
あの一文で
そりゃ評価高くなるわ!
っていう作品でしたね!笑 -
綾辻行人にはこれでハマりました。
騙された感に病みつきになってしまった一冊。
「そして誰もいなくなった」のように次々と登場人物がいなくなっていくのに結局騙されてしまった。
館シリーズではやっぱりこれが一番好き。 -
綾辻さんの館シリーズといわれるモノ、ほとんど触れずじまいでした。
で、どうしてこれまでであっては来なかったのか!
この本に一番にめぐり合っていたら、諸先輩方同様に
本格ミステリーを語れたのに・・・
遅ればせながら、館シリーズ挑戦してみようと思います。 -
なるほどなあ~と唸るトリックではあったものの、「この作品が凄い」と聞きすぎていて期待が大きすぎた割には、そこまでの驚きが感じられなかった。残念。
でも本当に面白かった。 -
様々なところで評価されている本作、いつか読まなければと思いつつようやく読了。読み始めたらあっという間だった。
本格ミステリーの衰退?が叫ばれて久しいが、本作に本格ミステリーの未来を感じた人が多いのは納得。いくつかのミスリードが最終的に合致していく様は、少年時代にワクワクしながら読んでいた「推理小説」を思い出させてくれた。小説ならではのミスリードが見事! -
悔しいな。見事に騙された。友達に是非読んで欲しいと言われたミステリ小説。初綾辻行人です。叙述トリックらしいと聞いていたから、騙されないように慎重に読んでいたはずなのに、それでもネタ明かしで「えええ!お前?!」と声を上げてしまった。ミステリの醍醐味とはいえ、こう綺麗にダマされると悔しい。差書は、キャラクタが捉えられなくて苦労したけれど、すぐに馴染みました。
十角形の奇妙な館が建つ孤島・角島。その館を建てた建築家・中村青司は、半年前に炎上したその島の青屋敷で焼死したという。1年後、大学ミステリ研の七人が1周間の旅行に十角館を訪れた。恐ろしい罠が待っているとも知らず…。
著者プロフィール
綾辻行人の作品






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