十角館の殺人 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 5826
感想 : 842
  • Amazon.co.jp ・本 (375ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061849792

作品紹介・あらすじ

半年前、凄惨な四重殺人の起きた九州の孤島に、大学ミステリ研究会の七人が訪れる。島に建つ奇妙な建物「十角館」で彼らを待ち受けていた、恐るべき連続殺人の罠。生き残るのは誰か?犯人は誰なのか?鮮烈なトリックとどんでん返しで推理ファンを唸らせた新鋭のデビュー作品。

感想・レビュー・書評

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  • どんでん返し、クローズドサークルとしても有名だったが今回初めて読んでみた。

    量の割にさくさく読めてしまう、先が気になる展開だった。

    ただ、あだ名がカタカナで途中わからなくなり少し戻ったりもした。

    島と本土で章がわかれているのも読み切って納得。
    わかった上でもう一度読み直したい作品。

  • どこでも評価の高い十角館。

    何がそこまで・・・
    と読み進め、
    あの一文で

    そりゃ評価高くなるわ!

    っていう作品でしたね!笑

  • さて島田氏の御手洗シリーズで本格ミステリに開眼した私は同傾向の作品を読もうと各ガイドブックなどに手を伸ばすようになったり、『このミス』などランキング本を読み漁ったりするのだが、その中で「新本格」という単語に行き当たった。
    色々調べてみると、松本清張以後、本格冬の時代と云われていた日本ミステリシーンにかつてのガチガチの本格ミステリを復興させようという動きを新本格といい、なにも今までにない斬新な本格という意味ではなかった。そしてそのムーヴメントの中心にいる人物こそがなんと島田氏その人だというのだから、これは何がなんでも読まなければならぬとそこに名を挙げられていた綾辻氏、歌野氏、法月氏、我孫子氏4氏の諸作を本屋で探し、一気に買い込んだ。
    そしてまずは綾辻氏の本書から手を付けることになった。既に私が本作を買ったときには既に『迷路館の殺人』まで文庫は出ており、しかも「綾辻以前綾辻以後」なる形容詞まで付いているのにはびっくりした。

    で、そんな前情報が期待を膨らましつつ、開巻したところ、実はお互いをあだ名で呼び合う登場人物たちにドン引き・・・。しかも彼らのあだ名が全て海外古典本格ミステリの大家のファーストネームで、いかにもミステリマニアが書きましたというテイストに、うわぁ、これ読めるのかなぁとすごく心配したが、物語が進むにつれて慣れてきた。
    探偵役として現れた島田潔の名前にニヤリとしつつ、奇想の建築家中村青司が設計したというわりには十角館って普通の建物だよなぁなどと思いつつ、読み進めていった。

    そして私も驚きましたよ、あの一行に。まさに時間が止まり、「えっ!?」という思いと共に足元が崩れる思いがした。しかもあの一行が目に飛び込んでくる絶妙なページ構成にも唸った。一行に唸ったのは星新一の「鍵」以来だった。
    実は犯人はすぐに解った。だから答え合せしたくて早く解決シーンに進みたくて、忸怩しながら読んでいたが、この一行で自分の甘さに気づかされた。というよりも犯人が解ってなお、これほどの驚嘆を読者に与える作品というのがあるのかと心底感心したのだ。そしてまだまだミステリの奥は深い、確かにこれは「新」本格だ、などとミステリをさほど読んでいないのに一人悦に浸っていた。

    今でも読み継がれ、新しい読者に驚きをもたらしている本書は歴史に残る傑作といえよう。こうして綾辻氏の名はこの1作で私の脳裏に深く刻まれることになった。

  • 今さらながらに綾辻行人さん初読
    いやあ当時読んでいたら絶対に★5じゃ足りなかったろうな

    生来天邪鬼でへそ曲がりな自分は当時本格ミステリ好きなら絶対読むべき!という触れ込みで登場した稀代の天才作家をふふんという鼻息ひとつで遠ざけてしまった。バカ!あの頃の俺バカ!
    最近はブクログのおかげでみんながいい!というものを素直に手に取れるようになりやっと読むことができました、ありがとう!
    そしてやっぱり面白かったよ
    読まずに死なんでよかった
    ミステリのブックリストに『十角館の殺人』をあげてくれた方全員にいいねしたい!けどしないめんどくさいから
    ただなんて言うんだろプレステ4をやったあとにプレステ2をやったようなこの感覚
    お手本感や既視感もすごいんだよね
    あーもったいない
    もっともっと早く読んでれば不朽の名作として脳に刻まれたはずなのに!
    でも超々遅ればせながら綾辻行人さんの他の作品も読んでいくぜ

  • あまりにも有名な本格ミステリーをまだ読んでいなかったので、新年一発目にと思い読みました。
    いかにも殺人が起きそうな設定をここまで作り込んである作品は初めてです。
    1行で全てがひっくり返るという話をよく聞きますが、この1行だろうということには気づいたものの、色んな可能性を考えてしまい、衝撃というよりは「え?え?どゆこと?」という感じになってしまいました。
    ただその後語られる真相には、じわじわと驚かされました。
    思い返すと確かに違和感はありましたが、想像できないような仕掛けで面白かったです。
    また、海外ミステリーへの愛を強く感じました。この作品のオマージュ元の作品はそのうち読みたいと思います。

    • マメムさん
      初コメです。
      今年もよろしくお願いします。

      今の新装版だと(ページ構成が見直されているので)衝撃の一行が分かりやすくなってますが、「え?え...
      初コメです。
      今年もよろしくお願いします。

      今の新装版だと(ページ構成が見直されているので)衝撃の一行が分かりやすくなってますが、「え?え?どゆこと?」と混乱しちゃったのが、それだと思います。

      私もオマージュ元の作品は未読なので、そのうち読もうと思ってます。
      2023/01/04
    • ふぅさん
      マメムさん、コメントありがとうございます!
      今年もよろしくお願いします。
      なるほど…新装版分かりやすくなってるんですね。
      これを機会に名作ミ...
      マメムさん、コメントありがとうございます!
      今年もよろしくお願いします。
      なるほど…新装版分かりやすくなってるんですね。
      これを機会に名作ミステリーやどんでん返しをもっと読んでみようと思います。
      2023/01/05
    • マメムさん
      ふぅさん、お返事ありがとうございます。
      これを読んだ上なら、知念実希人さんの『硝子の塔の殺人』がオススメですよ。何故かは読んでからのお楽しみ...
      ふぅさん、お返事ありがとうございます。
      これを読んだ上なら、知念実希人さんの『硝子の塔の殺人』がオススメですよ。何故かは読んでからのお楽しみで。
      2023/01/05
  • 自宅本。勿論再読だが、これを読まずして新本格は語れない。屍人荘の殺人が少し前にかなりバズりましたが、この十角館読んでなかったら是非読んで沼にハマってほしい。数々のフォロワーはここから始まっているのです。

    異彩の建築家、中村青司が孤島に建てていた十角形の館。過去に青司自身も含め4人が惨殺された島で推理小説研究会のメンバーが、急性アルコール中毒で死んだ青司の娘の復讐に合う。

    本家のクリスティのそして誰もいなくなったと同じぐらい有名な孤島ものの傑作。「人間が描けていない」という批判が過去あったと記憶しているが、登場人物も探偵役も記号的であるのは間違いない。島田潔なんて名前自体ひどいのだが、キャラクター至上主義の小説よりもミステリの雰囲気に没頭できる。

    作中に有名なセリフがあって、その一行からスルっと解決編に入るのは見事。

  • 私の周りのミステリ好きがこぞって勧めてくるこの作品、ようやく手に取ることができた。さすが前評判通りの内容で、久々のミステリで感覚が鈍っていてもかなり楽しめた。とはいえ文学嗜好人間にとっては、犯人の動機が浅いのがちょいと惜しい……

    • 毛利蘭さん
      ザ・ミステリーってかんじよね
      ザ・ミステリーってかんじよね
      2020/04/23
    • にぐちさん
      王道ですね
      王道ですね
      2020/04/25
  • 綾辻行人にはこれでハマりました。
    騙された感に病みつきになってしまった一冊。
    「そして誰もいなくなった」のように次々と登場人物がいなくなっていくのに結局騙されてしまった。
    館シリーズではやっぱりこれが一番好き。

  • 綾辻さんの館シリーズといわれるモノ、ほとんど触れずじまいでした。

    で、どうしてこれまでであっては来なかったのか!
    この本に一番にめぐり合っていたら、諸先輩方同様に
    本格ミステリーを語れたのに・・・

    遅ればせながら、館シリーズ挑戦してみようと思います。

  • 10代最後の夏…コンビニにあった本をなにげに手をとり、なんの予備知識ゼロで読んだ
    幸せを忘れません!ここから新本格とのお付き合いが始まり、幸せな読書時代にはいった私!

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著者プロフィール

1960年京都市生まれ。京都大学教育学部卒業、同大学院博士後期課程修了。87年、大学院在学中に『十角館の殺人』でデビュー、新本格ミステリ・ムーヴメントの契機となる。92年、『時計館の殺人』で第45回日本推理作家協会賞を受賞。2009年発表の『Another』は本格ミステリとホラーを融合した傑作として絶賛を浴び、TVアニメーション、実写映画のW映像化も好評を博した。他に『Another エピソードS』『霧越邸殺人事件』『深泥丘奇談』など著書多数。18年度、第22回日本ミステリー文学大賞を受賞。

「2023年 『Another 2001(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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