密閉教室 (講談社文庫 の 7-1)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 955
感想 : 103
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  • Amazon.co.jp ・本 (362ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061849907

作品紹介・あらすじ

早朝の教室で、高校生中町圭介は死んでいた。コピーの遺書が残り、窓もドアも閉ざしてある。しかも異様なことに四十八組あったはずの机と椅子が、すべて消えていた。級友工藤順也がその死の謎に迫るとき次々現れた驚愕すべき真相とは?精緻な構成に支えられた本格推理の力作。

感想・レビュー・書評

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  • ラストに二転三転する傑作ミステリー。ラストに犯人がわかっても、読者に謎を叩きつけてくる名作です。

  • 自宅本。酒を飲んでいてふと読みたくなって。
    京大ミステリ研出身。新本格第一世代法月さんの処女作である。
    早朝に教室の中で死んでいた高校生。ガムテープの密室となった教室からは48人分の机と椅子が運び出されていた。
    ジャンルは青春ミステリ。+学園もの。チャンドラーのセリフを口走るような高校生が登場し、事件の真相に向けてどんでん返しが連発する。机のロジックとかは、クィーン意識しているんだろうなぁという印象。
    ほとんど話は忘れていたけれど、青春ミステリのコード(原体験は三毛猫ホームズの推理かなぁ)で考えるとこうだろうなぁという感じで、さささっと読めてしまった。
    法月さんの小説めちゃくちゃ好きかというとそうでもないが、これは自分の世代の少し前の青春の煌めきというか憧れが詰まっていて、懐かしさを感じる。勿論気恥ずかしさもね。ダイナミックで結構トンデモない小説ですね。

  • 法月さんの鮮烈なデビュー作ということで、期待して読みました。
    期待しなければよかったのかも・・という感じです。
    面白かったですが、なんか中途半端な感じでしたね。
    軽~い学園ミステリーでした。
    工藤をはじめ登場人物に魅力がなかったかな(*_*)

  • いちいち言葉の言い回しが、難しい。
    わざと難しくしているのかな?そーする理由があると思わない。

  • 『あなたは今日の事件で自分こそ主役みたいなつもりでいるんでしょうね。それが馬鹿だというのよ。あなたは最初から最後まで舞台の縁をうろつくだけの脇役にすぎなかった。狂言回しの道化なのよ。もしかしたらあなたは今日という一日から何か貴重なものを学び取ったと思い込んでいるのかもしれない。たぶんそうにちがいないわ。でもそれは大きな誤解なのよ。道化は何ひとつ学ぶことはないわ。ただ傍観するだけー』

    法月綸太郎のデビュー作。80年代ー90年代のミステリはやっぱいいなぁ(@ ̄ρ ̄@)密室、移動された机と椅子、コピーされた遺書、盗まれたカッター、繋がらない電話、消えた作文、封印された一年前の事件、ガジェットが素晴らしい!久しぶりにコテコテのミステリ読んで大満足。

  • 初読み作家さんでした。
    本格ミステリィかと思います。
    30年前の作品なので、少し戸惑う場面もありましたが、ハラハラしながら楽しめました。

  • どんどん引き込まれる。この描き方、ずるい。めっちゃ細かく分かれてて、それぞれの思惑が交錯する描き方ずるい。
    めっちゃずるいずるい。夢中にさせられる。え?こいつもこいつもこいつも怪しい。

    そんなミステリーです。伏線に引っかかる引っかかる。で、誰?誰が?誰が犯人?
    お前か!お前か!?お前だな!わかったお前だー!

    と、最後まで結局犯人分からなかったわたし。笑笑

    やるな。やるな。謎が謎を呼ぶ、よくある高校生が、最終的にはそんなーっていうオチなんだけど、どっぷりつからされるミステリー小説でした。

    犯人わかるまで手放せないょ。

  • 結末がちぐはぐで最後の主人公の推理さえ覆ってしまい、主人公は自分の無力さに打ちのめされてしまう。作者自身の本格ミステリーを書いていくことの困難さを自虐的に描き、それでも書いていくという重い決意が感じられるラストでした。デビュー作にしてここまで真剣に本格ミステリーと向き合う謙虚な姿勢が素晴らしいです。
    そういうことだったのかと二重の意味で読み返したくなりました。

  • 図書館で。
    ミステリーのために、というかこういう仕掛けと謎解きの為の事件が起きた、というお話。普通学生さんに謎解きなんて頼まないよね(笑)でもコレはそう言う仕様なんだななんて思いながら読んだので最後被害者の事なんてどうでもいいんでしょう、みたいなセリフが出てきてちょっとびっくり。だってこの作品、人間性とかそう言う話じゃ無かったんじゃないの?みたいな。
    淡々と話が進む中で被害者の元カノだけがやけにヒステリックで一人だけ温度が違うなぁと思いながら読みました。それにしても女はどうでも良い男に対しては冷たいもんだな。

  • 法月綸太郎と云えば、クイーン同様、作者と同名の名探偵が活躍(?)する法月綸太郎シリーズが有名だが、デビュー作はノンシリーズの学園ミステリである本作である。本作についてはその後ノーカット版が刊行されたようだがそちらは未読。

    まず開巻一番に驚くのは目次に書かれた章題の多さ。確か60くらいあったように思う。綾辻氏の作品を読んでから、新本格ミステリ作家はそれぞれこだわりがあるのだろうと思っていたがこんなところにこだわりがあるのかとちょっと引いた記憶がある。それらの章題もハードボイルド的でなんだかキザな感じを受けた。
    中身を読むと確かにキザだ。登場人物全てがなんだか精神年齢が少し高く、自分が高校生の時と比べると老成しているように感じた。しかしどこか青臭さ、高校生特有の全てを悟ったように物事を斜めに見るようなヒネた物の云いようは確かに高校生らしくもあるが、身近にこんな輩が居たら、かならず喧嘩を売っていたに違いない。

    さて本書では島田氏が御手洗シリーズで本家シャーロック・ホームズを非難したのと同様に、本書でも法月氏が信奉するクイーンを非難する場面が現れる。それは主人公の担任の口からクイーンの『チャイナ橙の秘密』について痛烈な感想が開陳されるのだが、後年これを読んだ私はこの件を思い出して、思わず頷いてしまった。「まさになんなんだ、あれは」の作品だったからだ。この辺について語ると脱線してしまうので、ここら辺で止めておこう。

    さて本書では教室から出された机と椅子の謎。血まみれの教室、密室の謎などが1人の高校生によって暴かれる。名探偵気取りの主人公(工藤くんだったかな?)がクラスメイトに訊き込みをし、教師と警察の睨みを交わしつつ、真相に肉薄していく(警察いたよな、確か)。
    学園ミステリは私は好きなのだが、本作はあまり好きではない。不思議にこの作品を読んで私の高校生活を思い出すことが無かったからだ。初期の東野作品に活写される高校生活、有栖川有栖氏の大学シリーズの大学サークルの描写などノスタルジーに駆られることしばしばだが、本作にはどこか別の国の高校のような気がして、いまいちのめり込めなかった。多分その理由の大半は私が全く主人公に感情移入できなかったことによるだろう。

    しかし読んだ当初はあまりこの作品から汲み取れる物は無いと思ったが、あの真相は高校生が読むと案外ショックなのかもしれない。高校生が気づく信頼関係が崩壊する衝撃があると今になって思うのだが、高校生諸君は一体どういう風に思うのだろうか。いつか意見を聞きたいものである。

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著者プロフィール

1964年島根県松江市生まれ。京都大学法学部卒業。88年『密閉教室』でデビュー。02年「都市伝説パズル」で第55回日本推理作家協会賞短編部門を受賞。05年『生首に聞いてみろ』が第5回本格ミステリ大賞を受賞し、「このミステリーがすごい! 2005年版」で国内編第1位に選ばれる。2013年『ノックス・マシン』が「このミステリーがすごい! 2014年版」「ミステリが読みたい! 2014年版」で国内編第1位に選ばれる。

「2023年 『赤い部屋異聞』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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