ダンス・ダンス・ダンス 上 (講談社文庫 む 6-11)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 71
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  • Amazon.co.jp ・本 (373ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061850057

作品紹介・あらすじ

『羊をめぐる冒険』から4年、激しく雪の降りしきる札幌の街から「僕」の新しい冒険が始まる。奇妙で複雑なダンス・ステップを踏みながら「僕」はその暗く危険な運命の迷路をすり抜けていく。70年代の魂の遍歴を辿った著者が80年代を舞台に、新たな価値を求めて闇と光の交錯を鮮やかに描きあげた話題作。

感想・レビュー・書評

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  • 各イベントは目的性や繋がりを欠いたように繰り広げられ、"僕"は、言ってしまえば"無駄な"動きであるダンスを踊ってるみたい


    ー「踊るんだよ」羊男は言った。「音楽の鳴っている間はとにかく踊り続けるんだ。ー


    目的がキレイに決まってて、一貫性のある人生なんてつまんないですよね


  • 20140122

    春樹の羊シリーズの中で一番面白いと思う
    ピンボールなんかはまさにただすり減らしているだけという印象が強かったが
    このダンスダンスダンスは、自分の内面と真摯に向き合おうとしている印象を受ける

    今まで僕の宇宙に浮かぶ部屋の中をただ通り過ぎて行った人々
    その度に自分をすり減らしていった僕
    通り過ぎて行った女の子の中の一人、キキ
    部屋を出て行った人の中で、再び戻ってきた人は一人もいない
    しかし、今回はキキに会おうとする
    いるかホテルのメガネの女の子とは寝なかった

    僕は無意味に自分のをすり減らすのをやめて、今まで固めてしまったものを少しでも元に戻そうとしているのが感じられる

    このシリーズを今まで読んでいて、僕が何かを失うと、読者である私自身も同じように傷ついたし傷つくのに慣れたと言っても喪失感を蓄積せざるを得なかった
    自己の修復作業にかかろうとしている僕を見るのは私としても嬉しいことなのだ

    下巻がたのしみ!
    音楽がなっている間は踊り続けよう!

  • 上下巻セットで、6.00

  • 踊り続けるんだ、とにかくステップを踏み続けるんだ。最初に読んだときは高校生のころで、そのときは何を示唆しているのかよく分からなかったけど、何度目か読んだときに腑に落ちた。それはきっと、どんなにつらくても生きて踊り続けること、なんだと思う。村上春樹の小説の主人公は皮肉が得意で悲観的で、生きることを諦めているような気配があるが、だけどその奥には生へのかすかな希望がある。生きればいい、そう言われてるような気がしたとき、この本は自分の中の記念碑的なものになった。

  • 羊を巡る冒険を読んでから読むのに時間が空いてしまい記憶が薄れていたのが惜しかったが、そこまで不可思議要素は少なくかなり読みやすかった。前3部作と比べてページ量があったがあまりそれを感じなかった。

  • 札幌、東京が舞台なのに、なぜか外国の小説のような雰囲気があります。

  • 2003.1.2 ~ 16 読了

  • 自分のリズム、自分のステップをきちんと踏む。
    案外難しいものです。
    ただ、それしか出来ないだろうけど。

  • 何度か読んでいるので、筋はだいたい覚えている。
    ただ、読むたびに、私が着目する点が変わっている気がする。
    羊男の世界には戦争がない。
    人と争はなくてもいい、自分だけの世界なのだ。
    しかし、そこは、広くはあるが暗く、寒く、食べ物もない。
    羊男は「踊らされる」のではなく、自発的に「踊れ」と言っている。
    頭の中、自分の世界に閉じこもるのではなく、体を動かせ、自分を見せろ、世界に首を突っ込んで行け、関われ、と言っているように聞こえる。
    動いた結果、やはり誰とも繋がれないのかもしれない。
    どこにも居場所はないのかもしれない。
    でも、やれる限りのことはしてみよう。
    何かが足りないのであれば。
    何かを求めるのであれば。
    時には傷つき、理不尽に巻き込まれながら。
    そういった姿が、今回は印象に残った。





    2016.4.3
    学生のころに読んだきりだったので、内容もだいぶ忘れていた。
    昔は、主人公がちょっとくせのある人間のような印象を持った。
    でも、今回は、とても誠実な人物であるという印象のほうが強かった。
    前作ですべてをなくした人が、4年を経てひととおり人生を回復していることに、ある意味での安心を感じた。
    人は生きていけるのだ、と。

  • 11/90

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著者プロフィール

1949年京都府生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。79年『風の歌を聴け』で「群像新人文学賞」を受賞し、デビュー。82年『羊をめぐる冒険』で、「野間文芸新人賞」受賞する。87年に刊行した『ノルウェイの森』が、累計1000万部超えのベストセラーとなる。海外でも高く評価され、06年「フランツ・カフカ賞」、09年「エルサレム賞」、11年「カタルーニャ国際賞」等を受賞する。その他長編作に、『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』『街とその不確かな壁』、短編小説集に、『神の子どもたちはみな踊る』『東京奇譚集』『一人称単数』、訳書に、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』『フラニーとズーイ』『ティファニーで朝食を』『バット・ビューティフル』等がある。

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