- Amazon.co.jp ・本 (365ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061850064
作品紹介・あらすじ
失なわれた心の震えを回復するため、「僕」は様々な喪失と絶望の世界を通り抜けていく。渋谷の雑踏からホノルルのダウンタウンまで-。そこではあらゆることが起こりうる。羊男、美少女、娼婦、片腕の詩人、映画スター、そして幾つかの殺人が-。デビュー10年、新しい成熟に向かうムラカミ・ワールド。
感想・レビュー・書評
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繋がりを欠いていた出来事が、結局すべて起こるべくして起きたように思えた。
現実と非現実の中を"僕"は精一杯踊っていた。読み終えて、独特の喪失感が残った詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
オドルンダヨ、オンガクノツヅクカギリ。
30年前に初めて手にした村上春樹さんの作品でしたが、人を失くすということがどんなに寂しいことなのか、それでも前を向いて生きていかなければいけないんだということを強く感じた作品でした。
その後、ことあるごとに読み返してはその認識を自分に対して噛みしめるようにしています。 -
ダンスを踊るかのようなリズミカルな文体
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20140131
別れた妻だってコールセンターの女の子だって、僕は本当には求めていなかった。
そしてだんだんもう一つの世界に近づいて行った。
羊男は言った。これ以上損なわないためにも、人が感心するくらいに踊り続けろと。
君が求めて僕が繋げるのだと。
何も求めなかった主人公が、ラストではユミヨシさんを現実的に求めたことに感動した。
五反田君を失った。
村上春樹の小説は非現実的であるようだけど誰の心にも通ずることのある普遍的な心象を描いているように思う。
喪失感。
かっこう。
このシリーズの中で一番好き。最初から最後まで独特のスピード感がある。
そして私は今とてもハワイに行きたい。 -
うまく踊り続けたい。
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上下巻セットで、6.00
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良かった。特に僕とユキ、僕と五反田くんの関係はとても魅力的で素敵だった。しかし羊をめぐる冒険などの前作に比べるとわくわくするような面白さはあまりなかったように思う。"留まる"ことが大事なのでそこは重要ではなかったともいえるけど。
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ダンス・ダンス・ダンスは村上春樹の小説の中でもっとも好きで、その中でももっとも大きなポイントが魅力的な登場人物だ。特に好きなのがユキと五反田くん。ユキは才能あふれる14歳(だったかな)の美少女で、学校になじめずたばこをふかしている。悲観的で無気力で、そのくせ人を振り回す魅力を持つ。おれが中学生だったら間違いなく恋に落ちていたな、ともう何度目か分からないくらいに思う、と主人公は言うが、きっとそんな人がいたら恋に落ちてしまうよな、と賛成したい。
また、五反田くんはすべてを完璧にこなす有名な俳優で、ガスバーナーに火をつける動作さえ優雅にチャーミングにこなす。しかし、完璧すぎるがゆえにイメージの中にしかいない。現実離れしすぎてしまって、自分を見失っている。そしてその姿さえチャーミングなのだ。救いようのない地獄を生きているのだが、それは人が生きるということを誇張した形であれそのまま表しているように思う。
ずいぶんと昔に読んだけど、物語の中の魅力的な登場人物はいまでも色あせずに自分の中に住んでいる。 -
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ダンス・ダンス・ダンス〈下〉 (講談社文庫)
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最終的にセックスに帰着する。だから好き。
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初めて読んだ時の印象と随分と違う気がする。環境も違うし、自分の年齢も変われば、感じ方も違うのだろうが。でも、この感じ方はいいなぁ、と思う。
久しぶりに読み返して、よかった。 -
「人というものはあっけなく死んでしまうものだ。人の生命というのは君が考えているよりずっと脆いものなんだ。だから人は悔いの残らないように人と接するべきなんだ。公平に、できることなら誠実に。そういう努力をしないで、人が死んで簡単に泣いて後悔したりするような人間を僕は好まない。個人的に」
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生きることは失うことだ。
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6体の白骨のうち、5体分の描写しかされていないあたりも、面白いと感じた。
五反田君の破壊欲求が悲しい。
自分をありのまま受け止めようとしてくれる「僕」の存在は、彼にとっていかに温かく、大切で、そして胸が苦しく感じたことか。
ユミヨシさんが壁に消える恐怖は、羊男からの最後のメッセージだったのかもしれない。
現実をしっかりつかんでいけ、と。
もう、あの部屋に行くことはないのだろうな、と、なんだかそんな気がする。
2016.4.3
一言で感想を述べてしまうことがためらわれる作品だ。
来るべき時がきて、うつろってゆく。
とどまることを決意した僕。
決して手を離してはいけない、気をぬいてはいけない。
羊男とキキの声が聞こえてきそうだ。
2003.5.11
全ての人は通り過ぎていく。それは真実である。ただ、僕はあまりにもそれを受け入れ過ぎていた。諦め過ぎていた。一緒にいることを強く望もうとしなかったし、あがかなかった。一人で世界を完結し過ぎていた。僕が幸せになれるかどうか、わからない。でも、様々な人間を通して、ユミヨシさんと幸せになりたいと、強く望みだした。それは僕にとって大きな変化であり、大切なことだ。 -
ときどき五反田くんに会いたくなってこの本を開きます。
曖昧で微妙な世界、それでも現実にとどまることを決めること。
素敵な物語です。 -
高校生の頃に読んだノルウェイの森がどうも好きになれなくて村上春樹はずっと敬遠していたのだけど、ノーベル賞の候補に何度もなり海外での人気も高い村上さん。高校生ではなくなってずいぶんと大人になった今読んだら何かが違うかもしれないと思い、わりと村上さん好きな夫にオススメを聞いて読んでみた。
結果、やっぱり苦手だった。
印象の流れとしては、中二病こじらせてる→カフカの影響受けてるのかな?→ちょっとおもしろくなってきたかも→苦手な理由がわかった。自分が少女漫画を苦手な理由と似ている。
おもしろくなくはないのだけど、やっぱりどうしても苦手だということがわかった。
苦手な理由をながながと書いてもおもしろくないのでやめる。
でも嫌だと思うことも含め、様々なことを感じさせるところはやはりすごい作家さんなのだろうと思う。 -
12/91
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主人公の僕と五反田君が真面目に冗談を言い合っているところなんかが良かった。感情の動きが、中学、高校時代の頃に戻った、青年のような感情の揺れを、私も小説から感じ、感動的だった。(感想がまだまとまっていないので、ちょくちょく書き足していこうと思います。)
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★2.5かな。
どうやら『ノルウェイ』の次の作品みたいだけど、こりゃアンチは飛びつく内容かと。現時点の作家の到達点からの振り返りもあるが、悪とか嫉妬とか人間のダークサイドが全く表現されていない気がする。ただただ内向的な男の煮え切らないお噺。「踊り続けるんだ」というキャッチーな言葉だけが宙を漂っている感じで、『ノルウェイ』の次、あるいは羊シリーズという観点からも後退感を受ける。 -
キキの線が手詰まりになり、ユキと一緒にハワイに行く僕。
再読のはずなんですが、ハワイに行ってたなんて全く覚えて無かった。
ハワイ?
北海道との情景の差が激しい。
僕とユキの会話が好きです。13歳ということを置いておいて、きちんと彼女と向き合っている僕に「大人だなぁ」と感心する。
意外なほどのハッピーエンドなんですが、最後のいるかホテルでのシーンは本当に夢なんでしょうか?
まさか!ユミヨシさんと一緒にあちら側に行っちゃうの⁉︎とハラハラしました…
現実の世界といるかホテルやホノルルの死の部屋のような世界との境界が曖昧な世界観に引き込まれます。
心象風景ということなのか。
このシリーズは終わりですが、「壁抜け」や「喪失」など特徴的な表現やテーマだけでなく、珍しい苗字だから行く先々で電話帳で同じ苗字を探す、とかの小ネタが別の作品との繋がりを感じて面白かったです。 -
たまらん
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人は誰しも現実と非日常というふたつの世界を意識の中で行き来しているのではないか?自分の為の世界。失われたもの、失いたくないもの、様々な思いが錯綜し、また出口の見えないまま、大抵は終わりを迎える。
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久しぶりに読みました。
小説っぽくて、楽しい。
「村上春樹っぽい」かっこよさがあふれている本だと思います。
ユキがとってもキュート。
ハワイに行くから読もうと思ったのに、帰ってきてようやく読み終わりました。
ラストシーンが好きです。 -
何度読んでもこのラストには感動させられる。ずっとダンスを踊り続けてきた主人公が現実とのつながりを取り戻す場面である。ユミヨシさんのやさしさとやや残る緊張とがバランス良く、主人公の現実帰還を後押しする。温かな気持ちになる、大好きな場面だ。
ユキの描写と活躍が楽しい。エンター性もあり、村上作品の中で個人的に1、2を争う好きなものである。
おそらく8回目。今回も楽しませてもらいました。 -
ブクログ登録日以前の読了の為レビュー無しです
※興味グラフ表示させる為に入力してあります -
「後悔するぐらいなら君ははじめからきちんと公平に彼に接しておくべきだったんだ。少なくとも公平になろうという努力くらいはするべきだったんだ。でも君はそうしなかった。だから君には後悔する資格はない。全然ない」
主人公が放つこの言葉が、高校1年生の自分には強烈に突き刺さった。 -
これといった特徴のないような主人公の淡々とした語り口に引き込まれて読まされる。
舞台がころころ変わるのに違和感なく読み進められるのがさすが。 -
おもしろかったなー。
骨は誰のなんだろうってちょっとどきどきしながら読み進めていく。
そして本当に村上春樹は食べものをおいしそうに書くなといつも思う。
本物のハンバーガー食べたいな。