- Amazon.co.jp ・本 (274ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061850101
感想・レビュー・書評
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❖行方不明者(失踪者)の捜索という主題は著者の好みであるらしい。その変奏として著された作品群はどれも自分には魅力的・・似たような印象のものばかりではあるが。他の真木シリーズは除いて、後年の『エリ子、十六歳の夏』と比べても、その語り口は(雰囲気も)ほとんど変わるところがない。もっとも著者のファンである自分はこの静かな語り口(ハードボイルド調の筆致)に惹かれるのだけれど。本作は時代の空気感もよく伝わってくる(よみがえってくる)作品で、古い映画の映り込んでいる景色(街並)を懐かしく観るような愉しみ方も味わえた。
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拾った貝殻を捨てるように
あなたは行ってしまったけれど
楡の木蔭で
束の間の恋は信じやすくて
小径にたわむれていた蝶も
魚をすくっていた子供たちも
みんな遠くへ行ってしまった
でも
あたしはもう泣いていない
風に吹かれ
枯れ葉のように
公園には誰もいない
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